見出し画像

アルバム「VENUS」について②

アルバム「VENUS」のコンセプトは「生と死」です。
そのような内容に耐性の無い方はご遠慮ください。

01 star

この世にいる生き物の始まりは「生」なので、メメントモリ(生を楽しめ・死を忘れるな)の考えをなぞりつつ誕生日という1年毎に訪れるサイクルの終点始点を地球の自転、また種の繁栄と重ねて書いた曲です。
この曲を再生すると終わりを迎える事無く表題曲のヴィーナスにそのまま続きます。
始まりは地表(生きている場所)から見たstar(星)という言葉を使い、2曲目のヴィーナス(金星)がだんだん接近するように曲を展開させようという考えで付けました。

02 ヴィーナス

今作のテーマである生と死を分けているものこそ「不名誉の境界線」であり、自分の意思ではどうする事もできない命の終わりが遂に訪れた時、
不必要な肉体を捨て未知の場所へ飛んでいく者が、太陽から一番近く空で燦然と輝く金星のように堂々と暗黒を飛んでいけるといいなと願った
ある種の賛歌のような曲です。
MVでは上述した生命の旅立ちを、山の上から湧き出た水が下っていき最終的に海と混ざるまでの流れで表現しています。

03 好きな歌

この世界では個人を認識するために名前というものが皆にあります。
ある時自らの名前を聞くことすらできないまま死んでしまった命の話を伺う機会があり、遺伝子を音の集合体、与えたかった名前を詞と捉え「好きな歌」と表しました。
ヴィーナスとは趣向を変え輪廻転生をベースにしています。歌詞にある「セイ」とは読み手によって何をイメージするか判断を任せたかった為であり、「性」や「姓」、「生」など様々な意味がかかるようにしました。

おわりに

正直な話、じゃあ今回のアルバム制作を終えてお前の死生観は形にできたのかと訊かれると首は縦に振れません。
制作している間、真剣に生と死は何かを考え続け時には胸が痛み、とても苦しかったのは事実です。
でも何より楽しかったです。ひとつのテーマを僕なりに一区切り楽しみきったからこそ「VENUS」として皆様にお聞かせする事ができました。これ以上抱え込む必要は今のところありません。
正解のないものを探求し続ける意思は創作を続ける限り大切にしていきたいと思います。
本当にありがとうございました。

yomoh

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?