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生きるのがしんどいときの隠れ家に行ってみました。

合同会社プシケメンタルスクール代表の松尾です。とっても久しぶりのnote執筆になります。。。

NPO法人自殺対策支援センター ライフリンクさんが絵本作家のヨシタケシンスケさんとつくった、生きるのがしんどいと感じている子ども・若者向けのWeb空間『かくれてしまえばいいのです』を覗いてみました。
”むかんけい(無関係)おばあちゃん”に促されて隠れ家に入り、「本当は時間はたくさんあるんだよ。いつでも戻っておいで」と言われて送り出してもらえて、私自身なんだか泣きそうになりました・・・。

心理士として伝えたいことが、印象と共に伝わるヨシタケシンスケさんの絵の世界に、感銘を受けます。策略的でなく、本質的で、必要なことは押さえられているんだけれども、くどくどとした説明でなく印象として染み入るような表現。
居場所として、多様な観点で作り込まれたコンテンツがあるのはもちろんのこと、自分を大切にしていいんだよと言ってくれるあたたかな絵本のような世界の中にいて、自然と行政委託のSNS相談や電話相談にもつながれる流れになっていたのは、圧巻でした。

隠れ家になる木ももちろんのこと、”むかんけいおばあちゃん”のキャラ設定やユーザーのキャラデザインなども本当に考え尽くされているのだろうなと思います。
その人を縛るその人の世界・環境から隠れられる木や、案内してくれるおばあちゃんが無関係であるということは、カウンセリングの構造とも似ていると思いました。カウンセリングルームは、非日常的なもので、正解というものはなく、その人がありのままでいていい守られた場所であり、カウンセラーは、利害関係がなく、強制するものを持たないという意味で、無関係な人と言えると思います。
でも、やはり、”むかんけいおばあちゃん”はカウンセラーというよりかは、近所で見守ってくれる安全な存在を表しているのではないかなと思うのです。たとえば、虐待を受け学校にも居場所がないという過酷な状況でも、気にかけていてくれて声をかけてくれる拠り所があるということが計り知れないほどの大きな支えになることがありますが、それを擬似的に表すものなのかもしれません。

死にたい気持ちがある人もない人も、大人も子どもも一度は行ってみてほしい「かくれが」です。


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