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「私をくいとめて」と「勝手にふるえてろ」をみた話

こないだ仕事から帰ってきたらテレビでのんさん主演の「私をくいとめて」がやっていたのでなんとなく観てました。普段からあまり映画とか観ないし全部観る気もなかったんですが観始めたら結構ハマって、妻が帰ってきたので中断したものの後からAmazonプライムビデオで全部観ました。

30歳を越え、おひとりさまもすっかり板についてきた黒田みつ子。みつ子がひとりきりでも楽しく生活できているのには訳がある。脳内に相談役「A」がいるのだ。人間関係や身の振り方に迷ったときはもう一人の自分「A」がいつも正しいアンサーをくれる。「A」と一緒に平和なおひとりさまライフがずっと続くと思っていたそんなある日、みつ子は年下の営業マン多田くんに恋をしてしまう。きっと多田くんと自分は両思いだと信じて、ひとりの生活に慣れきってしまったみつ子は20代の頃のように勇敢になれない自分に戸惑いながらも、一歩前へふみだすことにする。

要はちょっとこじらせてる女の人の話。
でも誰しも自分の脳内で自分自身と会話したり、一人のときにあれこれ思い出して話す相手もいないのにべらべら喋ってしまう経験ってあると思う。
僕は風呂場なんかでよく一人で喋ってるし、妻が出かけて家にいないときはよく独り言を言っている。

こじらせていると書いたけど決して突飛な話ではなくて、多分主人公のみつ子に共感できるからこの作品は面白いのだと思う。ただのおかしい人ではなくて、一応表面上は問題なく社会生活営める技術はあるけど人から見られてない場面では素が出るというか。そんな人様には曝け出さない素の部分を覗き見してるような感覚もこの作品の面白さを構成する一部なんだと思う。

出てくる登場人物も嫌な奴が基本的にはいなくて安心して観ていられるのも僕的にポイント高い。物語って起承転結のために悪役を用意したりするけど、フィクションの世界でまで悪意に触れていたくない。現実だけでお腹いっぱいだ。

のんさんはあまちゃんに出てた子ってことくらいしか知らなくてこの子が出てる作品観るのは初めてだったけど演技上手いな~って思った。演技上手い下手ってよくわからないけどそんな僕が観ても上手いって思うくらいだから相当上手いんだろう。

観終わった後の清涼感というか心が満たされた感覚をもう一度味わいたくて同じ綿矢りさ原作、大九明子監督の「勝手にふるえてろ」も観ました。

24歳のOLヨシカは中学の同級生"イチ"へ10年間片思い中!過去のイチとの思い出を召喚したり、趣味である絶滅した動物について夜通し調べたり、博物館からアンモナイトを払い下げてもらったりと、1人忙しい毎日。そんなヨシカの前へ会社の同期で熱烈に愛してくれる"リアル恋愛"の彼氏"ニ"が突如現れた!!「人生初告られた!」とテンションがあがるも、いまいちニとの関係に乗り切れないヨシカ。"脳内片思い"と"リアル恋愛"の2人の彼氏、理想と現実、どちらも欲しいし、どっちも欲しくない…恋愛に臆病で、片思い経験しかないヨシカが、もがき、苦しみながら本当の自分を解き放つ!!

こちらもこじらせている女性が主人公ですが、こっちのほうが重症。「私をくいとめて」の方は細かな心の機微に共感できたけど、こっちは創作だから話をオーバーにしすぎというか散らかしすぎた感がある。
コメディタッチが好きな人にはこっちの方がウケるのかもしれないけどそもそもコメディが観たい人は別の作品を観るべきだと思う。

でも松岡茉優は可愛い。めちゃくちゃ可愛い。

ちなみに、みつ子かヨシカかどっちか選ぶことになったら僕はみつ子を選びます。

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