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釣りの思い出その一 新潟県魚野川周辺の養魚場で虹鱒釣り

さてさて人も50歳も近い歳になると自分自身の過去の記憶を辿りたくもなって来る。特に自分にとって最大の娯楽は釣りと絵描きなのだが今回は特に「初めての釣りの記憶」を書いてみる。

1980年11月、私が8歳の頃である。親戚が結婚するとの事で一家揃って新潟(今で言う南魚沼市)に帰省する事となった。結婚式に参加してその帰り道、親戚が折角久しぶりに帰省してきた親子を楽しませようとして連れてきたのが虹鱒の養魚場であった。そこには観光客向けの釣り堀が作られていて竹の釣竿にポリエステルの玉浮き仕掛けで皆が釣りを楽しんでいたのである。餌は魚粉の練り餌。竹の竿を持たせて貰って釣り上げた虹鱒が自分が初めて釣った魚となった。父や叔父の横に立ち浮きを見つめているとポクポクと浮きが動きスーっと入って行く。「それ竿を上げろ」「いやいやまだ早い」と熱心な指導があり無事に一匹上げ、張り切ってもう一度と浮きが動くのを慌て竿を上げるが掛からない。叔父が「もっと魚に食わせなきゃダメだ」と笑う。いざ渾身のアワセを入れて掛かれば掛かったで初めての魚の引きは強くふざけ半分で「もう変わって」と言いまた笑われる。魚籠の代わりにアルミの一途缶に水を汲み釣り上げた数尾の虹鱒入れていく。その時に目に焼きついた水の透明感と虹鱒の鱗の輝き、獲物を手にした満足感と高揚感はまさに夢見心地で忘れられず、その後夏休みに田舎に帰るときのお楽しみとなった。
この思い出の釣り堀にいつか行ってみたいと思っても何処だか分からずつくづく惜しい気持ちになる。

上はその時の写真。結婚式用の格好で釣りをしたので当時から幼心になにか気恥ずかしかったのを覚えている。

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