見出し画像

ハゼ釣り雑記そのニ「延竿についてのあれこれ」

「柔らかい延竿に魚の重みが乗って糸鳴りを聴く」ハゼ釣りの竿を巡って思い込みと思い付きの雑文。


釣り人にとって釣り竿は自分自身の手の延長と言います。よく信頼のおける部下を「右腕」などと言いますが正に竿は右腕そのものと言えるでしょう。その〝右腕〟を入手する時どのように選ぶのか?信頼のおける一流メーカー品、雑誌やYouTubeの動画を血まなこで漁りなんとか良さそうな竿に目星をつけるか?あとはそう、お値段とかかな。悩みは尽きず竿の候補は浜の真砂のごとしと果てがありません。

私は柔らかい竿が好きです。ルアーでバス釣りをしていた時はバスロッドには目もくれずトラウト用のパックロッドを愛用していました。勿論トラウトロッドと言っても本流のサクラマスを狙う様な「オオモノ」もありますが総じて繊細で柔らかい。ウルトラライト〜ライトアクションの竿にルアーもスプーンやミノーなど精々3〜5g程の小型ルアーを結んで小バス釣りを楽しんだものです。そして擬似餌を離れてハゼ釣りにはまってからもやはり竿は柔らかさが一番。そして柔らかい竿は自然と軽いのが素晴らしい。

さて具体的に言ってしまうと今私がハゼ釣りの右腕としているのは「岩清水」と言う延竿でお馴染み釣具店の上州屋で売っています。これを読んで拍子抜けした方々、いらっしゃるでしょう。あの出来合いの小鮒やらの仕掛けが並ぶ淡水釣りコーナーに如何にも初心者でもお気軽に使えますよとビニールの袋入りでぶら下げられてるあの竿です。ダイワ、シマノ等の一流メーカーでもなく人気アングラーのプロデュースでも無い。でもこの竿が面白いのは先に言った「軽い」と「柔らかい」を備えてるからで3.6mで自重70gと言うのはなかなかでしょう。いやいやもっと軽い竿もありますよとおっしゃる方はそれもごもっとも弁えておりますがそれでは付け加えましょう。お値段1本1800円(私が購入した時の特売価額・税別)。のべ竿に躊躇いなく諭吉様をそれも複数人も投入されるお大尽様はさておきこの値段でこのスペックは大変ありがたい。物の試しでスペック表を載せておくので値段性能を比較して「こちらのほうがもっと良いですよ」と言う竿をご存じの方は是非コメントで教えて下さい。わたしもそちらに乗り換えます。

仕舞寸法がちょっと長いのはご愛嬌


侮れぬ廉価延竿「岩清水」のいざ実釣の感想を言いますとなにせ穂先が柔らかいから1号のナツメ錘でも仕掛けを送り込むときも気持ちよくしなる。アタリの多いハゼだから間も無く反応があるがここからがこの竿の真骨頂です。竿先を軽く抑え込むような、あるいは「コツ」と弾く様にアタると素早くアワセますがピシと固くするのではなく横にスライドするように「スッ」と引いてやります。するとハゼの重みが伝わりますが時には強く引き込む感触が伝わって思わず心拍数も上がってしまう事もある。なにせ竿と糸が水を切り裂き「きゅうきゅう」と音をたてる糸鳴りまで聴かせられては堪りません。ハゼは数釣り、小物釣りと言いつつ一尾一尾を充分に楽しむのも軽く柔らかい竿だからこそと言えます。

実は先日江戸川放水路のハゼ釣りでこのお気に入り「岩清水」を1本折ってしまいまして。しかも集中力を切らした私の不注意が原因と言う体たらくで誠に残念となりましたが何せ購入したのが恐らく20年以上前。もう買えはしないかと万一の可能性にかけてお店に行ったらまだ平気で売ってました。その感激と思い込みを胸にこの駄文を書き散らした訳であります。ちなみに先にも書きましたが「特価品」扱いだったのでもしかすると次第に消えていく商品の可能性もあります。何にせよ自分自身の趣味と判断でモノ選びから始める余暇の釣りはなかなか楽しいものです。

この記事が参加している募集

釣りを語ろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?