インターン日記#15 【ヴルカヌス前に知っておきたかった5つのこと】


研修終了まで秒読みとなってしまいました。
反省文のような記事をたくさん書いてきたのですが、今回はさらにボリュームの多い反省文となっています。来年以降のヴルカヌス生が私と同じような轍を踏まないように願っています・・・

ヴルカヌスが始まる前に知っておきたかった、厳選した5つを紹介します。

1.言語の壁が何よりも高い


同僚が私よりも英語を話せること、英語の方がコミュニケーションが取れることは知っています。しかし、私が国際系の団体に在籍していた時、日本人とわざわざ英語で会議や会話をした覚えが一切ないように、こちらでも日常会話は100%スペイン語です。
ことスペインにおいては、スペイン語ができないと生活に本格的に支障が出てイライラします。田舎に行けば行くほど英語は通じないし、レストランでも英語が通じない時があります。
一番辛いのは、ビジネスの場ではなく、日常会話で何を言っているのかわからないことです。(ヴルカヌス生と、LinkedInのプロフィールに書ける言語レベルは、「ビジネス上級」の上に「日常会話」が来るべきだと半分本気で話していました。)仕事の話は、何かをみながら説明したり、話すテーマが決まっているので大体わかります。一方で、話題が次々に変化する会話には、どんな単語が含まれているか想像もできないし、スペインでしか通用しない知識が前提となっているので、対応することはできないです。さらに、仕事の話からは逃げられないですが、会話の輪から逃げることは非常に簡単なので、つい拒否してしまいそうになります。しかし、ある程度の人間関係が築かれていないと仕事ももらえないので、頑張ってついていくことが大事です。
語学を学ぶのは好きだったのに、スペイン語を学び続けることがすごくしんどかったです。
専門知識は8ヶ月間であれば焼け付き刃でもなんとかなりますが、言語はそうはいきません。腹を括って取り組みましょう。少なくとも私のように、文字通り半泣きでオフィスで仕事したくないと思いますから・・・

2.無心になること


第1志望の国ではなかったので、何度も自分の選択を後悔することがありました。どうしてスペイン語を勉強しているんだろう、来るんじゃなかったなと思うことはしょっちゅうありました。
2023年から急に心変わりして、もうここからは逃げられないのであれば、投げやりでも半ばあきらめでもいいから、スペインを楽しむためのあらゆる手段を試そうと思ったのです。バルセロナの他の企業を訪問したり、スペイン語をちゃんと勉強してみたり、同僚にキャリアの話を聴きまくったりと、とにかく日本ではできないことをやりました。そうすると、バルセロナに住むのが楽しくなってきて(今更すぎる)、不思議なくらい心が軽くなり、スペインを選んだことの後悔も少しずつ消えていきました。

3.自分を知っておくこと


海外生活は見えないストレスが非常に多く、セルフコントロールが求められます。
特に、どうやったら自分のメンタルが回復するか、自分は何をしている時が自己肯定感が高まるかをよく知っておくことが非常に重要です。
例えば、私は12月ごろ、もう本当にダメかもしれない、早く研修が終わって欲しいと思った時期がありました。ヴルカヌス生はあまりにも境遇が近すぎて、相談しても愚痴しか出てこないことがわかっていました。そこで、年長者の人や、過去のヴルカヌスの参加者、個人的にお世話になって私の性格をよく知っている人に相談をしたものでした。厳しい言葉をいただいたこともありましたが、自分の甘さにハッとしたり、これから先頑張ろうと思えたりしました。
また、自己肯定感を上げるための方法は、世界のどこであってもできそうなことだといいと思います。私は人と交流することでメンタルが回復したり、時には勝負に勝つことで達成感を味わったりすることがわかったので、語学学校に通い始め友人と切磋琢磨しながらスペイン語を学びました。また、友達から誘われた集まりやご飯は基本的に全て行くようにしていました。逆に、YouTubeやSNSで時間を潰すことは、私は罪悪感が募ってしまい、よくなかったです。

4.機会に貪欲になって学ぶこと


私はたくさん旅行をしましたが、文化体験の多さや面白い場所、イベントの数で東京に勝るヨーロッパの都市には今までに行ったことがありません。東京は、私にとってはバルセロナ、パリ、ストックホルムよりも面白くてカオスな都市で、仕事や遊びも圧倒的な数です。それでも、海外には日本ではあり得ないようなもの、ご縁、機会がたくさんあります。どうせ8ヶ月しかいないんだから、とか、今はお金や時間がないから、と理由をつけることはいくらでもできますが、貴重な時間をしがみつくように有効活用することで、その後の選択肢が広がることがあります。
例えば、バルト三国に行った時に、Googleの力だけでは感じられない、勉強できないことをたくさん経験しました。
リトアニアの中心部から離れた地区にある、本当にヨーロッパかと思うような重い雰囲気の通りだったり、ラトビアの首都リガで見たことのないくらい数のラトビアの国旗に心が痛んだり、タルトゥの大学の授業をとったら面白くて来年度のサマースクールに参加してみようかなと本気で思ったりと、一瞬一瞬の感情を本当に大切にしていました。
また、仕事でも愚直にやった結果、その後につながることがありました。一見面白くないような仕事であっても、丁寧にドキュメントを読んで自分なりに工夫してやったところ、上司から高く評価され、クリスマス間近に家に招待してくれたり、私が最初に就職するときの推薦状を書いてくれるとまで言ってくれました。

一方で、事前に手に入れた知識が海外で役に立つこともあります。
オスロで教育学部の大学院生と話したことを以前の記事で紹介しました。
時を経てブリュッセルでのホステルで、ノルウェーに留学しているチュニジア人を含む女の子達と、各国の教育事情の話になった時に、ノルウェーで聞いた話を彼女たちにしたり、チュニジアの女の子からまた別の話を聞いたりして、知識が重なっていくのを感じました。
私がマラガに行った時、セルビア人のちょっと強気そうな女の子と同じルームになったことがありました。ボスニア紛争で、NATOがセルビアに対して徹底的に空爆を行ったことがうっすらと記憶に残っていて助かりました・・・彼女は私に、アメリカのことをどう思うか、ロシアのことは好きか、など質問してきて、怒らせないように答えるのが大変でした。

5.英語と現地語が話せる日本人はマジで強い


日本のパスポートは世界で一番強い理由は、生活の中で感じることができます。
私的な経験になりますが、8ヶ月間スペインに滞在して、私が日本人であることで差別を受けたことは一回もありません。スペイン語が話せなくてあしらわれてしまったことは何度もあるし、他のアジアの国の人と間違われてからかわれたことはありますが・・・
日本にはとても強い興味がなかったとしても、アニメや漫画という単語を知らない人はいなかったですし、わたしの書く日本語がまるで絵みたいで面白いと言われたこともありました。
また、掃除をきちんとする、礼儀正しい、時間に遅れない、などのイメージはどこに行ってもある程度認知されていました。家の契約をした時、Airbnbに行った時も信頼が厚かったです。
また、日本人と他の外国籍のハーフで、ずっと日本以外の国に暮らしていたとしても日本の国籍を保持したいと言っている人が多かったです。
総じてポジティブな意見を持っている人が多く、国籍によって少なくとも下に見られることはないのは、私は幸せだ、日本人でよかったと思いました。


日本の経済が縮小し続けていると言っても、依然として経済的なパートナーとして重要な位置を占めていると思います。にもかかわらず、日系企業で英語を話せる人はびっくりするくらい、いないんです・・・海外出張できている社員の英語ができないにもかかわらず、よくここまで国際的に成長したなと思うような企業もありました・・・
海外で国籍差別をクリアできれば、その後は自分の努力次第です。現地語と専門性を身につけて、平均的な日本人よりもちょっとオープンであれば、雇ってくれる可能性は大きいです。

他にもたくさんありますが、重要なことは与えられた条件でめいいっぱい、とにかく楽しむことです!
私は「置かれた場所で咲きなさい」という言葉が大好きなのですが、この言葉に倣うのであれば、
前半6ヶ月は置かれた場所で種さえ蒔かずに、他の条件の良さそうな場所を探して悶々としていました。たくさん旅をしても、最高の土地の条件を見つけることはできませんでした。(旅は上で述べたように、とてもいいことだったのですが)
やっと7ヶ月目でスペインで種をちょっと蒔いてみて、頑張って育ててみたら、8ヶ月目で蕾が膨らみ始めています。
ぜひ、満開の花をたくさん咲かせられるように、お祈りしています。

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