女心と秋の空

 高校生の頃、この言葉が気に入っていて、Facebookのアルバム名にまでしていた。その意味は、”どちらも移り変わりやすい”みたいなものだと思うんだけれど、当時の私はたぶん、ただなんとなく響きが好きだったんだと思う。ここ数日で急に冷え込んできたけれど、今日は綺麗な秋晴れで、昨日女友達の恋の話なんか聞いてたから、急にそんなことまで思い出した。

 いいお天気だな、と思ったから、タバコを買いに行くついでに本を持って外に出た。コンビニでついでに缶のコーヒーも買って、駅前のベンチに行ったら先客がいたので、しばし散歩。近所の駐車場に席をとった。

 水色の表紙が可愛いキョンキョンのエッセイは、先日ブックオフでヒバリが見つけてきた。例えば前みたいに近所に喫茶店があれば、そこで過ごしたんだろうけど、ここにはない。でも外のあったかい陽だまりも、薄暗い黄色の壁と同じくらいいいな、と思う。

 家に帰ってきても、この気分をそのままにしておきたくて、ラジオも音楽もかけずに、コーヒーを淹れて日が暮れるのを待った。

 例の友達にとっては、どんな一日だったんだろうか。ぐちゃぐちゃに気持ちが乱れて、大泣きするような恋なんて、私あったかなあ。あったかもなあ、と思うけれど、もう思い出せないのである。

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