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風邪による咳、咽喉の痛みに『銀翹散』

昨日のコラムで「銀翹散」で咳と咽喉の痛みが治ったという話しをしました。

今日は、この銀翹散の組成や効能などについて、お話ししたいと思います。

銀翹というくらいですから、銀のつく生薬と、翹のつく生薬が使われていることは想像できるかと思います。

まさしく、昨日の画像で表記しました金銀花と、今日の画像で表記している連翹(画像は連翹の花)が君薬として使われています。

それぞれの生薬の組成は以下の通りです。

君薬:金銀花・連翹  臣薬:牛蒡子・薄荷・荊芥・淡豆鼓  佐薬:桔梗・竹葉・芦根 使薬:甘草

銀翹散の効用は、辛涼透表と清熱解毒で、温病の初期のころに用います。ちなみに温病とは、現代風に言えば、風邪の初期の熱感があるときや、軽い悪寒のあるときのことを言い、口の渇きや咽喉の痛み、咳の症状のあるときに銀翹散を服用します。

銀翹散で特徴的なのは、竹葉以外の生薬はみな肺に帰経しているということです。帰経とは薬効がどの蔵(人体のどの部分)に作用するかを表す言葉で、どのような食薬もこの帰経を元に処方されます。

芳香の金銀花・連翹は両方とも寒性であり熱をさます、疏散風熱・清熱解毒の効能があります。薄荷・牛蒡子も辛涼で解毒利咽(のどに効く)に効果を表します。荊芥・淡豆鼓 も辛温・辛涼の配合で、辛みで辛散透表を強めます。竹葉・芦根は清熱生律、桔梗は開宣肺気・止咳利咽に働きます。甘草は清熱解毒しながらそれぞれの薬性の調和と益胃安中に働き、桔梗の止咳利咽の作用を強める働きをします。

中医学は難しい四字熟語が出てきますが、それぞれの漢字の意味がご理解いただけたら、なんとなくわかるかと思います。例えば、清熱生律であれば、熱を取り水分を潤すとなります。開宣肺気であれば、肺の宣発機能(気と津液を全身の隅々に散布する機能)を高めるということになります・・・(ちょっと難しいですね、汗)。

要約すると、芳香や辛みにより、肺に効いて、熱をとり、水分を潤し、咳を鎮め、咽喉の痛みを和らげる、そんな効能がある漢方薬だと言うことです。

実際に私は服用しましたが、胸のあたりが熱を発散しているような気がしました。それぞれの生薬が連携して症状を和らげてくれたように思います。