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腸内細菌の遺伝子分析!

昨日は、培養法についてお話ししました。
今日は、遺伝子分析法についてです。

ここ十数年で遺伝子解析の技術はすさまじく進歩しています。これに伴い、解析する時間やコストも大幅に削減されています。

かつて、ヒトの遺伝情報(ヒトゲノム)をすべて読み取る国際的なプロジェクトが1990年から開始されました。
先進国6か国(アメリカ、イギリス、日本、フランス、ドイツそして中国)がそのプロジェクトに携わり、ヒトを構成する様々なパーツごとに各国が分担しゲノム解析を開始しました。
ヒト一人分のすべてのゲノムが解読されたのが13年後の2003年で、総費用は3000億円以上になりました。

現在、まったく同じことをすると、ただ一つの研究機関で1日に10万円程度でヒトゲノムが解析できるのです。

遺伝子解析技術の進歩は凄まじいですね!

この技術が一般の方向けの腸内細菌検査にも生かされています。
添付の画像は、弊社が取り扱う「FloraScan」という検査キットです。

16SrRNA遺伝子を解析し、腸内細菌のデータベースと照らし合わせて、細菌の種類を特定させます。

少し難しい話しになりますが、個々の腸内細菌はすべてがたんぱく質で出来ています。そのたんぱく質は20種類のアミノ酸がいろいろな順番で一列につながって構成されています。それぞれのアミノ酸は、GAAやCAGのように連続する3塩基で1セットのDNA配列で暗号化されます。
つまり、20種類のアミノ酸は異なる3文字のDNA配列で書かれているのです。
16SrRNA遺伝子解析においては、1500対の塩基配列の並び方を比べ、同じ並び方のものを同じ種類と断定します。
(正確には98.7%以上の適合率でもって同種と判定)

わたくしどもの腸内細菌検査は検体(摂取した大便)を分析し、腸内細菌の構成比がどのような種別の細菌であるのかを36種類+αに分類し、腸内の状態を調べます。
おそらく、2003年当時であれば、数千万円以上のコストと研究者が必要だったことでしょう。

そしてわたしたちは、この検査結果をもとに毎日の食とつなげて食提案できるプログラムの作成に取り組んでいます。
検査結果だけでは、腸の状態を知ることにしかなりませんからね。
その状態を踏まえて何を食べるのかが一番大事なことです。

もし私も一度、腸内をのぞいて腸内細菌を調べてみたいと思われましたら、ご連絡いただければと思います。

contact@proxpro.co.jp