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RSVワクチン接種後のギラン・バレー症候群(GBS):現時点判断 推定利益が潜在的リスクを上回る

FDA Approves First mRNA RSV Vaccine | MedPage Today

という情報もあるが、


Guillain-Barre Syndrome 'More Common Than Expected' In RSV Vaccinated Older Adults: CDC (medicaldaily.com)

ギラン・バレー症候群(GBS)は、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)ワクチン接種による潜在的な安全性の懸念として認識されている稀な神経疾患であり、高齢者において「予想以上に一般的」であることが、最近の疾病対策予防センター(CDC)の報告によって明らかになりました。

米国食品医薬品局(FDA)とCDCの当局者はリスクを調査し続けていますが、現在の推奨事項は「RSVワクチン接種の推定利益が潜在的リスクを上回る」という理由から、ワクチン接種を継続することです。


Vaccine Adverse Event Reporting System (VAERS)

GSK RSV vaccine (Arexvy):
https://jp.gsk.com/ja-jp/news/press-releases/20240115-arexvy/

Pfizer RSV vaccine (Abrysvo):https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2024/2024-01-18-02

Guillain-Barre Syndrome Rates After RSV Shots in Sync With Trial Data, CDC Says | MedPage Today

Vaccine Adverse Event Reporting System(VAERS)のデータによると、GSKのRSVワクチン(Arexvy)では100万回接種あたり1.5件、PfizerのRSVワクチン(Abrysvo)では100万回接種あたり5件のGBS報告があったと、CDCの新興および人畜共通感染症センターのAnne Hause博士らが、Morbidity and Mortality Weekly Reportにて報告しています。

「mRNA COVID-19ワクチンの報告率を背景率の推定値として使用すると、RSVワクチン接種後のGBS報告は予想より多かった」とCDCの著者は書いていますが、VAERSデータは一般的に有害事象とワクチン接種の因果関係を判断することはできないと指摘しています。

以下に、本文の箇条書き要約を示します:

  • CDCの新しい分析によると、60歳以上の成人に対するRSVワクチン接種後のギラン・バレー症候群(GBS)の報告が予想より多かったが、ワクチンの利益は小さな潜在的リスクを上回る

  • Vaccine Adverse Event Reporting System(VAERS)のデータでは、GSKのRSVワクチン(Arexvy)では100万接種あたり1.5件、PfizerのRSVワクチン(Abrysvo)では100万接種あたり5件のGBS報告があった。

  • mRNA COVID-19ワクチンの報告率を基にした推定背景率と比較すると、RSVワクチン接種後のGBS報告は予想より多かった。

  • 2023年5月から2024年4月中旬までにVAERSに報告された60歳以上の成人のGBS症例は28件で、そのうち60.3%はPfizerワクチン、39.3%はGSKワクチンによるものだった。

  • GBSに関連する死亡例は2件、他の原因による死亡例は18件報告された。

  • 2023年8月から2024年3月末までに少なくとも1060万人の60歳以上の成人がRSVワクチンを接種。

  • 事前承認臨床試験では、GBSは潜在的な安全性の懸念として特定されていた。

  • CDCは2月2024年に開かれた免疫安全性諮問委員会で、状況を監視していると発表。

  • VAERSのデータから、60歳以上の成人におけるmRNA COVID-19ワクチン接種後にGBSのリスク増加は見られなかった。

  • 2023年5月から2024年4月中旬までに、VAERSには60歳以上の人々から3200件の有害事象報告があり、そのうち70%は女性からの報告だった。

  • 報告された有害事象の68.5%はGSKワクチン、28.8%はPfizerワクチンに関連。

  • 最も多く報告された有害事象は、四肢痛、頭痛、注射部位の痛み、疲労で、91.2%は非重篤とされた。

  • 重篤とされた8.8%のうち、約7%は入院、2.5%は生命を脅かす病気、2.1%は永久的な障害、1.1%は死亡によるもの。

  • 死因としてGBS以外に重度の呼吸器疾患、心血管イベント、肝性脳症、RSV感染症、敗血症などが報告された。

  • V-safeデータによると、60歳以上の人々のうち39.5%がGSKワクチン、23.9%がPfizerワクチンを受けたと報告。

  • 受けた症状の多くは軽度から中等度で、約8%がワクチン接種後1週間以内に日常活動ができないと報告、0.4%がその症状で医療を受けた。

  • VAERSやV-safeのデータには報告バイアスが含まれる可能性があり、未接種者の比較データがないため、ワクチン後のGBSリスクの評価が難しい。

  • CDCはRSVワクチン接種後のGBSリスクや他の有害事象を評価し続け、今後のワクチン推奨に役立てる予定。

  • RSVワクチン接種は、臨床的判断の共有の中で60歳以上の成人に推奨され続けている。


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