経口タウ凝集阻害剤であるメシル酸ヒドロメチルチオニン(HMTM)神経変性バイオマーカー有意減少


LUCIDITY phase 3 trial

AAIC | July 28-Aug. 1, 2024 | Alzheimer's Association

Oral Tau Inhibitor Continues to Show Promise in Alzheimer’s (medscape.com)

実験的な経口タウ凝集阻害剤であるメシル酸ヒドロメチルチオニン(HMTM)の投与は、LUCIDITY第3相試験において、アルツハイマー病(AD)における神経変性の確立されたバイオマーカーを統計学的に有意に減少させた。
ニューロフィラメント軽鎖(NfL)の血中濃度は、HMTMを16mg/日の目標用量で投与された被験者において、対照群と比較して12ヵ月間の変化が93%減少し、血中タウバイオマーカー(p-tau 181)および認知機能検査スコアの変化と有意な相関を示した。
「開発中のTauRx Therapeutics社のエグゼクティブ・チェアマンであるClaude Wischik博士は、Medscape Medical Newsのインタビューに答えて、「本薬は、開発の第3相段階に到達し、このような結果をもたらした最初のタウ凝集阻害剤です。NfLは、神経変性疾患において最もよく研究されているバイオマーカーの一つです。ADでは、NfLは疾患の重症度と相関し、ニューロンへの進行中の損傷を追跡します」とWischik氏は説明した。
経口HMTMはADのタウ病態を軽減するように設計されており、HMTMによるNfL濃度の変化は「疾患病態への直接的な影響」を示している、とWischik氏は述べた。
この知見は、LUCIDITY第3相試験の事前に規定された血液バイオマーカー解析から得られたもので、アルツハイマー病協会国際会議(AAIC)2023で発表された。
LUCIDITY試験のトップライン結果は、16mg/日のHMTMを投与されたADによる軽度認知障害(MCI)の参加者において、18ヵ月間にわたる認知機能の改善を示した。しかし、奇妙なことに、Medscape Medical Newsが以前に報告したように、低用量の塩化メチルチオニニウム(MTC)を投与された対照群の参加者にも認知機能の改善がみられた。

その結果、HMTM16mg/日はMTC対照群と比較して、2つの主要評価項目(アルツハイマー病評価尺度-認知サブスケール(ADAS-Cog11)およびアルツハイマー病共同研究/日常生活活動目録(ADCS-ADL23)のベースラインからの変化)を達成することができなかった。

これは、HMTMの変種であるMTCによる治療が、予想外に臨床効果をもたらすのに必要な閾値以上の活性薬剤の血中濃度を達成したためであろう。

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