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オミクロン亜変異体BA.2.87.1

BA.2.87.1へのNAb応答がBA.2よりは低いもののJN.1よりは高いことを示しており、BA.2.87.1が現在流通している他の変異体と比較してさらなる抗体回避変異体ではないことを示唆とのことで少々安心


Harris, Emily. 「CDC Tracking BA.2.87.1, New Omicron Subvariant With Potential to Evade Immunity」. JAMA 331, no. 11 (2024年3月19日): 907. https://doi.org/10.1001/jama.2024.1115 .

専門家たちは、オミクロン亜変異体XBB.1.5と比べてそのスパイクタンパク質に30以上の変化があるSARS-CoV-2の株を検出しました、とアメリカ疾病予防管理センター(CDC)が発表しました。新しいオミクロン亜変異体であるBA.2.87.1は、2023年9月以降、南アフリカで少なくとも9人に感染しています。アメリカや南アフリカ以外での症例は報告されていないとCDCはその更新情報で述べています。
スパイクタンパク質における多数の変化は、新しい株がワクチンや感染から獲得した免疫を逃れる可能性があることを示唆しています。それでも、比較的少数の症例が、現時点で変異体が高度に感染性があるわけではないことを示唆しています。
CDCは新しい株を慎重に監視していますが、現行のワクチンや治療が引き続き有効であると予想しています。


Lasrado, Ninaad, Annika Rössler, Marjorie Rowe, Ai-Ris Y CollierとDan H Barouch. 「Neutralization of SARS-CoV-2 Omicron subvariant BA.2.87.1」. Vaccine, 2024年3月7日, S0264-410X(24)00292-5. https://doi.org/10.1016/j.vaccine.2024.03.007 .

最近、BA.2、BA.5、XBB.1.5、およびJN.1変異体と比べてスパイクタンパク質のアミノ酸が30以上も変異している新しいオミクロン亜変異体BA.2.87.1が特定されました。BA.2.87.1の複数の変異は、スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)ではなく、N末端ドメイン(NTD)に位置しています。我々は、その高度に変異した配列と独特なNTD領域のため、BA.2.87.1に対する中和抗体(NAb)応答を評価しました。我々のデータは、BA.2.87.1へのNAb応答がBA.2よりは低いもののJN.1よりは高いことを示しており、BA.2.87.1が現在流通している他の変異体と比較してさらなる抗体回避変異体ではないことを示唆しています。さらに、XBB.1.5 mRNAブースターはBA.2.87.1を含むテストされた全変異体に対するNAb価を増加させました。

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