冠動脈石灰化レベルの高い高活動者において、高レベルの身体活動による死亡リスクの増加を示唆する証拠はない

ネットで探しきれなかったのだが、スピッツだったか、ソープだったか、エリート・アスリート中のエリートの水泳選手がCTにて冠動脈石灰化が認められ、当該スポーツ団体が試合出場に難色示したというニュースを薄っすらと覚えている。冠動脈石灰化=プラーク不安定性さえ概念上あったかどうだったかわからない時期だったが、少々疑問に思っていたので・・・頭の片隅にあった。

一応、身体活動性の高い場合冠動脈石灰化は有病率が高いという事実はある

身体活動量が最も高い人(タスク[MET]-分/週[分/週]の>2000代謝相当)の人はCACの有病率が高いことが示されました。これらの研究では、3-5最も活発なグループの優勢なプラーク形態学的特徴(石灰化、非石灰化または混合)は石灰化プラークである可能性が高く、これらのプラークはより安定しており、破裂しにくい可能性があることを示唆していた。

これが、その後のアウトカムに影響を与えるのかが問題!

Association of All-Cause and Cardiovascular Mortality With High Levels of Physical Activity and Concurrent Coronary Artery Calcification
Association of Mortality With High Levels of Physical Activity and Coronary Artery Calcification
Laura F. DeFina, et al.
JAMA Cardiol. 2019;4(2):174-181. doi:10.1001/jamacardio.2018.4628
https://jamanetwork.com/journals/jamacardiology/fullarticle/2722746

キーポイント

【疑問点】 マラソンの名選手に代表されるような非常に高い身体活動レベルにおいて、高レベルの冠動脈石灰化が存在することは、死亡率の上昇と関連するか?
【所見】 身体活動レベルの異なる男性21 758人を対象としたこの観察研究では、冠動脈石灰化レベルの上昇 (≥100 Agatston units)の存在は、身体活動レベルの高い男性でより一般的であった。しかし、このグループでは、運動量の少ない男性と比較して、全死因死亡率および心血管系疾患死亡率の増加は認められなかった。
【意味】 冠動脈石灰化レベルの高い高活動者において、高レベルの身体活動による死亡リスクの増加を示唆する証拠はないようである。

要約

【重要性】 臨床的に有意な冠動脈石灰化(CAC)がある場合に、身体活動レベルが高い個人に対する臨床的推奨を導くためのデータはほとんどない。
【目的】 高水準の身体活動,有病率CAC,およびその後の死亡リスクとの関連を評価すること。
【デザイン、設定、被験者】 Cooper Center Longitudinal Studyは、予防医学施設であるCooper Clinicの患者を対象とした前向き観察研究である。本研究では、1998年1月13日から2013年12月30日までに受診し、2014年12月31日まで死亡率追跡調査を行った参加者を対象とした。心血管疾患(CVD)の有病率のない一般的に健康な男性21 758人を対象に、身体活動レベルを報告し、CACスキャンを受けた場合に対象とした。データは2017年9月26日から2018年5月2日まで解析された。
【暴露】 自己申告の身体活動は、3000以上(n=1561)、1500~2999(n=3750)、1500未満(n=16 447)の代謝等価作業(MET)・分/週(min/wk)に分類された。CACスコアは、Agatston単位(AU)100以上(n = 5314)と100未満(n = 16 444)に分類された。
【主要評価項目と測定法】 National Death Index Plusから収集した全死因およびCVD死亡率。
【結果】 21 758人の男性参加者のうち、ベースラインの平均(SD)年齢は51.7(8.4)歳であった。3000MET-min/wk以上の男性では、身体活動の蓄積が少ない人と比較して、少なくとも100AUのCACの有病率が高い(相対リスク、1.11;95%CI、1.03-1.20)。
身体活動量が3000MET-min/wk以上でCACが100AU以上の群では、平均(SD)CACレベルは807(1120)AUであった。平均(SD)10.4(4.3)年の追跡の後、759人の全死因と180人のCVD死亡が発生し、そのうち身体活動量が3000MET-min/wk以上の群では全死因40人とCVD死亡10人が死亡した。
CACが100AU未満で身体活動が3000MET-min/wk以上の男性は、1500MET-min/wk未満の男性に比べて死亡する確率が約半分であった(ハザード比[HR]、0.52;95%CI、0.29-0.91)。
CACが100AU以上の群では、3000MET-min/wk以上の男性は、身体活動が1500MET-min/wk未満の男性と比較して、全死因死亡率の有意な増加はなかった(HR、0.77;95%CI、0.52-1.15)。
最も運動量の少ない男性では、CACが100AU以上の人は、100AU未満の人に比べてCVDで死亡する確率が2倍高かった(HR、1.93;95%CI、1.34-2.78)。
【結論と意義】 本研究により、高レベルの身体活動(≧3000MET-min/wk)はCACの有病率と関連するが、臨床的に有意なCACレベルが存在する場合でも、10年間の追跡調査後の全死亡またはCVD死亡率の増加とは関連しないことを示す証拠が存在することが示唆された。

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エリート・アスリートが短命であると解説するサイトもあるが、以下の論文が一般的記載と思われる

“ The general finding of these studies was a greater longevity for elite athletes relative to their American controls. Notably, the majority of mixed-sport studies included in this review also found support for greater longevity for athletes who competed at elite levels of competition (e.g., Olympics)”
Lemez and Baker Sports Medicine - Open (2015) 1:16

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