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◆キリスト銀行発足の「エコマネー憲章」#ピースグレイトリセット

◆キリスト銀行誕生秘話

◆エネルギー小説 キリスト銀行発足とエコマネー憲章


 第二次世界大戦後の敗戦国日本の沖縄において、B円と言う通貨を米軍がマネークリエイト(通貨発行)した。これは、沖縄国内で流通する、言わば、地域通貨である。これらの地域においては、1948年から1958年まで唯一の法定通貨だった。日本国内で法定通貨とされた唯一の外国軍票であり、本土地域でも1945年から1948年にかけて短期間ではあるが少量流通している。

「お金の本質は、情報ともエネルギーとも言われているわね。ギブソンはどう思う?」
 いつものように、安音は、ギブソンとの対話によって、エネルギー小説の精髄に近づこうとしている。
「そうだね。お金が人類史に現れてからの歴史を辿ってみる必要があるね。原始的な人類は、火を発見したように、交換リングの媒体としてのお金という制度を生み出した。共同体の仲間と交換することによって、自分が持っているものの価値を仲間との交換によって、バラエティを得るようになるから、便利だったんだね。野菜を育てている人と海で魚を取ってくる人との間だけでなく、価値を持つ人たちがお金と言う媒介を通して、いろいろな価値と出会い、それを手に入れることができるようになったんだからね。ところが、今のお金は、投機の手段となっている。ここらあたりから、お金持ちと貧乏人の間の開きが生まれて、社会に格差を生み出す経済システムになって行ったんだね。銀行の利息がこれを加速させている。」

「そう、だからこそ、投機の手段には使えない、減価するコミニティ通貨が生活必需品の交換リングの媒介として、誕生する必要があるのよ。それが、私が解いている四国村コミニティ通貨イニシアティブ。ギブソンは、理解してくれているわよね」

「そうだね、安音の理想世界は、わかるけど、それを実現するためのナチュラルステップが、まだ描かれているとは思えないなぁ。残念ながら。今のがっちりと固まった制度システム、債務貨幣システムで生活している人たちが、その便利さを手放すとは思えない。それをどうやるつもりなんだい?」
 安音は応えた。
「そうね、そこよ。そこ。今の制度に甘んじている人たち、ここで利益を得ている人たちを対象にしても、らちが明かない。今の債務貨幣システムの問題点を理解している倫理観の高い人たちの間で、新たなコミニティ通貨を創っていかなければならない。ここの難問に果敢に挑むには、忍耐とコミニケーション能力が必要だわ。コミニティ通貨がそれを使う人たちにとって、正義と自由を実現するシステムとならなければならないし、この理解が広がらなければならない。ここには、「信仰」と「希望」と「愛」が必要不可欠ね。教会信者の間のコミニティ通貨として、まずは、マネークリエイトしてみたらどうかしら?教会のコミニティの交換リングの媒介としてのGOD(神のお金)と言う概念を導入するのよ。イスラム銀行は、利子をとらない銀行としての今の地球上で、存在意義を発揮しているらしいし。」
 ギブソンが閃きを示した。
「そうだよ。イスラム銀行にできるんだったら、キリスト銀行を作るんだ。本来のお金は、経済価値の方にある。お金は交換リングの媒介としての機能に過ぎないことに人類を覚醒させることが先決だね。。生活必需品である食と生活にとって必要不可欠な家を構成する商品の取引は、お金がない開発途上国にとっても経済取引が活発だからね。銀行さんには取引先の事業体がいる。これらの事業体が加盟するコミニティ通貨(GOD優)をマネークリエイト(新しく創造)して、法定通貨とチャージする。チャージした法定通貨は、神様がお望みの事に貸し出しできるように、キリスト銀行の資本金として貯蓄する。キリスト銀行は、加盟店からの依頼で、優を法定通貨にチャージしてあげることもできる。こうして、加盟店の事業体の経済価値と価値との交換リングの媒介としてGOD優が活用されるようになると、キリスト銀行には法定通貨が積みあがって行くという仕組みだよ。そして、GOD通貨を交換リングの媒介として経済活動をするときには、必ず、神のお望みの事かどうかをこの通貨で取引するクリスチャンや神を信頼する未信者さんたちが意識することが大切なんだと教える。消費行動や生産活動は、そのまま平和の構築につながっているんだ。何とコミットするか、しないかを選択する力を養っていないから、戦争産業を栄えさせているのが現状だからね」
 安音は応答した。
「ギブソンは、エコマネー憲彰って知ってる?地域通貨の憲法精神みたいなやつなんだけど。エコロジーのお金の憲法」
「あぁ、たしか、1から8まであったな。ネットで調べてみるか?あったあった。これだ。
https://www.facebook.com/photo/?fbid=1290521431122190&set=a.396940280480314 
「1.
 2.
 3.エコマネーはもっぱら営利を目的とした活動の手段としない事
 4.
 5.
 6.
 7.
 8.            」

「この三番目のエコマネーはもっぱら営利を目的とした活動の手段としない事という点が引っかかるわね。これでは、事業体の活動を縛る規定になってしまうわ。事業体は営利を持って、資本金を積み上げていかないと持続可能な活動体にはなれない。営利を目的とした活動の手段にしないことは、キリスト銀行そのもの規定にしなければならない。キリスト銀行が貸し出すお金は、営利目的ではないけど、社会貢献できる事業に投資をするのが当り前よ。当然、聖書の規定通り、利息もとらない。」

 ギブソンが応答した。
「社会貢献事業への投資 ESG投資が枯渇しているらしね。例によって、例のごとく、闇の帝国のテコ入れで。」
「そうらしいわ。この投資には社会的価値があるのに。キリスト銀行なら、キリストに従う投資家たちを加盟させることができるわ。神様がお望みの事に投資するクリスチャンは多いのよ。例えば、プロライフには、投資ファンドが立ち上がっているわ。胎児の救済運動のために、その活動家を支える、給付金のための投資ファンドがあるので、名古屋のシンシア宣教師は、これを申請して、誕生までを安心して暮らせる家を建設したのよ。当然、アメリカの教会からの献金も含めてね。このように、社会に光を灯す働きにはお金が集まるのよ。その志を持つ人はこの地球上には少なからず、存在する。ここがつながっていける経済システムとそのお金の仕組みを立ち上げるのよ。そして、最終的には、公共貨幣システムへとワールドシフトさせる。」

「そうだね、じゃあ、安音と一緒に、神様にキリスト銀行を実現してくれるクリスチャンキーパーソン5名とその資本金の3兆円をお願いしてみる?これが、神様からのアイデアなら、必ず、神様が奇跡を起こしてくれるよ。祈ろう。そして、神様の応答を待とう。」

 ギブソンと安音は、さっそく、祈り始めた。

「私たちの父よ、造り主なる真の神よ、あなたにお願いします。私たちは、世界の平和の実現のために、戦争産業の基盤である債務貨幣システムから平和産業の基盤であるコミニティ通貨へのワールドシフトを目指して、祈ってまいりました。神よ、これは、あなたがお望みの事だと確信いたします。私たちに、キリスト銀行の実現のための人材、並びに、その資本金である3兆円をお与えください。志を同じくし、神の通貨である「GOD優」を運営する通貨発行権の主体であるキリスト銀行をこの世に、実現してください。御心が天で行われているように、御国をこの地球にもたらすことができる平和経済のシステムを立ち上げてください。世界中の仲間にこの福音をもたらしてください。四国村コミニティ通貨イニシアティブは、小さな自治体やコミニティが自らのマネークリエイトの主体となることです。そして、コミニティ内でマネークリエイトしたお金と法定通貨をチャージすることによって、コミニティ通貨発行主体が自らの通貨での経済取引を展開することによって、法定通貨は資本金として積み上がっていきます。これにより、小さなコミニティが力を持ちます。キリスト銀行は、これを支援します。小さなコミニティが自ら発行したコミニティ通貨を下支えするのがキリスト銀行の使命です。同時に、キリスト銀行も「GOD優」という神がお望みの事のみの経済取引のお金をマネークリエイトします。これらは、エコマネー憲章に従うというルールを設け、邪なエネルギーが入り込む余地がない、結界を張ります。システムへの参加者はあなたのお心を尊重し、環境を破壊したり、命を殺したりする経済取引を一切、拒否するというルールに従うことを誓います。このルールは、一部の人の善悪判断ではなく、共同体としての倫理委員会によって、決定します。この倫理委員会を構成する人物は、哲学、神学、牧師、教師、政治家、などの倫理観の高い人物を選定します。この倫理委員会の決定に不服がある参画加盟者は、その申し出を倫理委員会で審議してもらう権利を持ちます。さらに、民主的な組織運営とします。神よ、あなたが、この神の国を維持するために献身している人間存在を良き力で取り囲んでください。神の子の使命をいただいている、平和を作り出す子どもの人格を持つ者のみが倫理委員、並びに、銀行運営、組織運営を担当するよう取り計らってください。神の御支配がこの御計画の上に、実現しますように。グレイトリセットの試みを打ち砕き、ピースグレイトリセットのこの計画をあなたの力で、あなたに信頼を寄せるクリスチャンによって、実現へと運んでください。あなたに信頼し、あなたが共にいてくださることに感謝し、地球の未来を書き変えるこの祈りを、委ねます。イエス様、あなたこそ、本物の救い主。地球の歴史を書き変えてきたのはあなたであり、あなたの弟子たちです。使徒行伝は、今も書き続けられています。あなたの顕在を祈ります。私達のこの祈りと共に、救い主であるあなたが現れてくださり、父なる神様のお望みの事であることが、人類に理解されて行きますように。あなたの平和と正義を祈るあなたの民にこの計画が知らしめられて行きますようにお願いします。あなたに従う本物のクリスチャンのみに届きますように。あなたの結界を張ってください。イエスキリストの聖名によって、祈ります。」

 ギブソンと安音は心を合せて、神に祈った。ここにはイエスキリストが共にいてくださることを信じて。その後、安音には、神のアイデアが次々と沸き起こってくる。

「ギブソン、投資の申し出があるとするじゃない。私のところには、金を送って来るとか、自由に使ってもらっていいクレジットカードをという申し出がこれまでにもあったんだけど、意味不明で神からのものでないと受け取りませんとお断りしてきた。邪な関係者には関わっていただきたくないから。しかし、このシャットダウンは好ましくない面もある。そこで、投資の話しに対して、顔の見えない相手に対しては、GOD優とのチャージと言う形で、法定通貨を受け取ることにしてはどうかと思うの。将来的には、GOD優は、あらゆる分野の経済価値との交換リングに使える通貨だけど、最初の段階では、狭い範囲内でしか使えない価値に過ぎないし、利息もない、月に1%、年に12%減価する通貨なわけだから。減価する通貨が受け取る手数料は、この通貨の運営手数料となる仕組み。これが、ゲゼル理論の優れた点だから。初期の、キリスト銀行の運営には、法定通貨が必要不可欠。イスラム銀行の発達の歴史からも学ぶ必要があると思うわ」
 ギブソンが応答した。そうだね、まずは、イスラム銀行の成立プロセスから学んでみよう。そして、今現在どのように運営されているのかもな。興味深い調査ジャーナルができ上げるといいんだけど。

「ところで、アメリカの民間銀行、FRBの設立資金って、バチカン市国に土地を与えたイタリア政府からバチカンに寄贈された金塊が渡っているのよね。つまり、バチカン銀行には、悪魔の手先が入り込んでいる歴史的証拠ってことよ」


イスラム銀行(イスラムぎんこう)は、イスラームの教義、慣行に基づいて運営される銀行のこと。ムスリム(イスラーム教徒)は、リバー(利子)を取って金銭を貸すことを禁止するクルアーンの言葉に従い、シャリーア(イスラーム法)において利子の取得を禁止されている。したがって、基本的に無利子の金融機関として運営される。現代の世界金融市場の主役の一つとなっているヘッジファンドや、先物取引のような金融システムは、イスラムにおいては基本的に認められない。

歴史[編集]

1950年代[編集]

シャリーアに則って無利子銀行が初めて試みられたのは、1950年代のパキスタンであった。このころパキスタンでは、イスラームの教義を国家運営に適用しようとする動きが強まっており、農業改善資金を無利子で貸し出す銀行が設立された。しかし、融資の希望者が多数だったのに対し、無利子で預金する者が少数だったため失敗に終わった[1]

1960年代[編集]

1962年にマレーシアでムスリム巡礼貯金公社が設立された。これは、マッカ巡礼をするマレーシアのムスリムの資金管理を目的とした。この公社は、1969年には巡礼管理局と合併して巡礼積立運用基金となった。

1963年にエジプトでミート・ガムル貯蓄銀行がアフマド・ナッジャールにより設立された[2]。この銀行は農村部の開発を目的として成功したが、その理由として、借り入れ希望者に少額の定期預金を義務化したことがあげられる。1~3年返済の短期ローンが中心で、この時点ではムダーラバ方式に基づいていなかった。1972年にナセル社会銀行が発足され、アンワル・アッ=サーダートは公的資金を支出してミート・ガムル貯蓄銀行をナセル社会銀行に統合した。同行は1980年代には、預金残高は2億ドルを越え、全国に数十の代理店を有する金融機関に成長した[要出典]。

1970年代[編集]

1970年代以降、石油危機により生じた豊富なオイルマネーを活用して、商業イスラーム銀行が相次いで設立された。1973年にはイスラム開発銀行が設立されてイスラーム諸国の経済発展や開発を支援し、1975年にはアラブ首長国連邦ドバイ・イスラーム銀行英語版)が設立され、民間資本が80%を出資した。その後、1977年にクウェート・ファイナンス・ハウス英語版)、ファイサル・イスラム銀行、1978年にヨルダン・イスラーム銀行などが続く。これらの銀行は当初から成功し、近代資本主義型の銀行への預金をためらっていたムスリムたちから預金を集めたのが理由とされる[3]

1980年代[編集]

イスラーム金融の国際展開が本格化。イギリスと歴史的な因縁のあるパキスタン、イランスーダンなどでは国内の金融システム全体のイスラーム化が進行した。サウジアラビア資本の金融グループとして、1981年にダール・アル=マール・アル=イスラーミーグループ、1982年にはアルバラカ投資開発会社が設立され、多国籍企業として業務を行った[4]。1980年代にはギニアリベリアニジェール南アフリカにイスラーム金融機関が進出を遂げた。

1990年代[編集]

イスラーム金融に関する問題が発生するようになる。パキスタン、イラン、スーダンの国内金融システムのイスラーム化が鈍化する一方、エジプトではイスラーム投資会社が相次いで破綻して騒動が発生した。1993年にはイギリスで、アルバラカ国際銀行が銀行免許を返上した。

一方、マレーシア政府の後押しによって、イスラーム金融のインフラストラクチャーが整備され、イスラーム銀行の業務が増加した。1993年には無利子銀行スキームが導入され、近代資本主義的な銀行がイスラミック・ウィンドウという形式でイスラーム金融サービスの提供が可能となった。

1990年代後半からは、イスラーム投資ファンドも多数設立され、イスラームの理念に適合する企業に投資しやすいよう、シャリーア・インデックス(イスラーム株価指数)も作られた。欧米系の金融グループでもイスラーム金融が増加し、研究や教育活動も活発となった[5]。1996年にはデンマークジブチでも登場している。

2000年代[編集]

原油価格が高騰して豊富なオイルマネーが生まれ、1970年代よりも整備が進んでいたイスラーム銀行はこれにより拡大を続ける。大口の資金需要に対応できるサービスとして、2001年以降にスクークが開発された。グローバル化が進むにつれて国際市場に本格的に参入し、マレーシアと中東の東西金融市場も交流が活発となった。こうしてイスラーム銀行は世界各国に広まり、ヨーロッパではロンドンを中心とし、アジアではタイ国イスラーム銀行なども設立された[6]

銀行・金融会社などを含め、無利子を標榜している銀行や投資会社は全世界に200以上あり、総資産は1160億ドル(95年ベース)、年率15~20%で成長している[要出典]。イスラム銀行は、当初は国際金融システムの中で特異な金融機関と見られがちであったが、国際通貨基金 が公認する銀行システムのひとつとなっている。2007年に世界金融危機が起きた当初は、西欧型の国際金融市場から距離を置くイスラム銀行には悪影響は少ないという予想が多かった。しかし、影響は予想以上に大きく、現時点ではイスラム金融市場も世界金融市場から独立していないことが明らかとなった[7]

業務[編集]

イスラーム銀行は、シャリーアの認める範囲内で利潤を最大限追求し、現代資本主義の世界に適用することを目指す。イスラーム銀行は、シャリーアと金融の知識を備えた法学者であるウラマーからなるシャリーア評議会を持ち、評議会の勧告に従って金融活動を行う。法学者にはファトワを発する資格が必要とされる[8]。実際の運営においては、シャリーア評議会も柔軟な解釈を行っており、ほとんど他の銀行と異ならない業務を行う場合もある。

イスラーム銀行は、以下のようなシャリーア上の商業・金融契約の制度を援用し、利子を獲得することなく利潤をあげ、一般の預金者を含む出資者に還元する。ムラーバハによることが多い。ただしパキスタンはムダーラバとイジャーラが主体。

ムダーラバ

ムダーラバは、2人の当事者が取引を行う。出資者(ムダーリブ)が、信頼すべき商才や手腕の持ち主と認めた事業家(ダーリブ)に資本を全額出資するパートナーシップ契約を指す。すべてのイスラム金融の基本となる契約形態で、イスラム銀行以前から広く行われている。ムダーラバ契約のみでは、複雑化する西洋型を中心とする現在の経済・金融には対応できない。また、個人の小口預金者にはハイリスク・ハイリターンな契約を結ぶことは不可能である。そこで、銀行の介在する「二重のムダーラバ関係」などが登場することになる。ムダーラバの名称はハナフィー派の用語で、他の学派ではキラードやムカーラダとも呼ばれる。

ムシャーラカ

ムシャーラカは、複数の当事者が取引を行う。資本の出資者と労働を提供する事業家が共同出資により事業の共同経営を行い、生じた利益を契約時に決められた比率によって、もしくは損失が生じれば出資比率に応じて、それぞれ配分する契約形態である。イスラム銀行においては、銀行と企業・個人の出資者が共同資本をつくり、出資者全員が経営に関わることを前提として運用される。ムシャーラカの特徴は、資金の提供者もまた事業の組織や経営に参画し、事業主も一定の支出をするところにあり、発言権は概ね出資比率に準ずる。ムダーラバでは資金提供先の選択が限定的になる傾向があったのに比べ、相手方も一定の出資力があることを前提とするムシャーラカでは、その傾向がある程度は緩和されることが期待される。

ムラーバハ

ムラーバハとは売買契約のひとつであり、ある財を、購入した際の原価よりも高い代金によって転売する形態を指す。購入者が、原価と代金の差額を了解し、差額を転売者の売却益として納得した上で契約が結ばれることを前提とする。イスラム銀行ではこのシャリーアの制度を利用し、設備・備品を希望する顧客に代わって購入し、顧客に渡す。このとき、「手数料」を上乗せして分割払いあるいは後払いとする。こうすることによって、銀行は利子ではなく、売却益として顧客から利益を受ける。

イジャーラ

イジャーラは賃貸借契約を意味し、西欧型経済におけるリースに相当する。シャリーアにおいては、物件に対する所有権は、その物を所有し最終的に処分する権利(ラカバ 、所有権)と、その物を利用しそこから得られる利益を独占する権利(マンファア、用益権)の2つから成り立つと考えられており、イジャーラ契約とは所有者である賃貸者から賃借者への用益権の移転である。イスラム銀行においては、顧客の求めに応じて銀行が設備等を購入し、顧客に賃貸して使用料を取るリースとして運用される。売り切りとリースの違いが、ムラーバハとイジャーラの違いと言える。

イジャーラ・ワ・イクティナーウ

顧客に賃貸して使用料を取るまではイジャーラと同じであるが、顧客は、銀行に口座を開設して積立てる、いわば「リース購入」である。この積み立ての積算が、購入代金プラス手数料(コミッション)の額となったところで、当該物件の用益権に加えて所有権が顧客に移る。この場合も、コミッションは売却益であって利子ではない。この方式の特徴は、開設した口座が当座勘定ではなく投資勘定として開設され、積み立てる間の投資の配当が、顧客の収入になる点にある。

サラム

サラムとイスティナーウは、先渡しの取引である。ムラーバハが商品の先渡しであるのに対して、支払いを先に行う。サラムは代金を一括で支払い、イスティナーウは順次支払う。サラムは農産物のように1回で終わる取引、イスティナーウは住宅や工業製品のような商品に適していた[9]

カルド・ハサン

カルドは、借主が貸主の所有物を消費した上で、同種同等の物を貸主に返還する貸借契約のことで、「消費貸借」とも訳される。カルドがシャリーアに照らして合法となるには、返還される物件が、借りた物とまったく同種・同等でなければならず、貸主が貸し出しによって利得を得てはならない。このような合法と見なされるカルドのことを、カルド・ハサンと言う。

イスラム銀行においては、人道的な無利子ローンとして活用される。この契約においては、借主はあらかじめ定められた期間内で貸主に返済する。金融機関によっては一定額の手数料を徴収するところもあり、この手数料は金額に連動したり、期間に随伴したりすることはない。定額の手数料は定額の報酬に通じ、定額の報酬は定率の利子に通じるため、カルド・ハサンは完全に人道的にゼロ・コミッションでおこなうべきという主張もある。手数料の問題に限らずイスラムの無利子金融の具体的あり方については、ウラマーの間でも統一見解がない。

ワディーア

財産の保管を請け負う契約で、預金サービスとして用いられる。

イスラーム銀行も、近代資本主義型の銀行と同じく、流動性と流動性ギャップへの備えが必要となる。しかし、利子が含まれる管理方法は利用できないため、受信と与信により生じるギャップに対応するために資金の内部留保が大量に必要となる。このため自己資本比率が高く、株主資本利益率が低くなりやすい[10]。こうした流動性問題を解決するために、バイウ・イーナ、コモディティ・ムラーバハ、タワッルクなどの手法が用いられている。これらの手法がリバー概念に抵触するかについては議論が起きている[11]。 

将来の展望[編集]

ムスリムによる将来展望[編集]

イスラーム圏の大規模な企業組織では、内部に、企業の行動をシャリーアと照らして検討するための諮問委員会を持っている例がある。そうした場での議論では、長い時間をかければ、無利子経済が有利子経済を駆逐していくだろうという考えがある。たとえばパキスタンの研究者である Hussein Mullick は、無利子銀行が資本主義の搾取システムをやめ、貯蓄家を資本家に変えてゆき、経済を活性化する点などから「無利子銀行制度が西洋の銀行制度に勝ることはあまりに明らかである」と述べている。

無利子銀行のムダーラバやムシャーラカといった貸付方式は、経済的インフラの僅少な地域で長期的な視野で経済を立ち上げることに適しているという指摘もある。仮に事業が失敗しても、借りた者が多重債務を背負い込まないこのシステムは、資本を持たない者が事業を起こすのに適している。

非ムスリムによる将来展望[編集]

宗教的情熱のみでは無利子システムの維持は困難であり、無利子金融機関は有利子金融の利子と同程度か、それに遜色ない業績をあげることが必要とされる。根拠としては、パキスタンでの無利子銀行の試みの挫折や、国庫から資金を入れたナセル社会銀行の成功、その後の発展はオイルマネーによる点があげられている。石油で潤った富裕者は、イスラム銀行に多額の無配当預金をしている。彼らがこうした行動に出るのは、ザカートに代表されるイスラーム社会の互助的環境のゆえであり、これらが中東の無利子銀行の成長を支える一因でもある。

イスラム銀行 - Wikipedia

2.イスラム金融の主要原則
前述したようにイスラム金融ではシャリアに則した行動が求められるが故に、伝統的金融 で許容されている概念や慣習の一部が禁止・排除されている。 イスラム金融の主要原則としては以下のようなものが挙げられる。

(1)利子の授受の禁止 イスラム金融において貨幣は単に交換の手段であり、価値保存としての手段以上の意味 を持たない。資金の貸し借りに伴って利子を受け取ることは、搾取的な不労所得として禁 じられている。

(2)投機的取引の禁止 シャリアは果実(リターン)を生み出す手段として投機的行為や賭博的行為を用いること を禁じている。

(3)不確実な取引の禁止 シャリアは価格や数量など条件が不確実な取引は、当事者間に不公平をもたらしかねな いもの、詐欺的要素を含みかねないものとして禁じている。

(4)禁避的行為の禁止 シャリアはムスリムが豚肉、アルコール、タバコ、武器、猥褻 わいせつ 物など特定の禁制品を 利用、取引することを禁じている。

イスラム金融においては上記に掲げた原則を守ることが必要とされているため後述す る「ムラバハ」など利子の授受を回避するスキームが構築されている。またシャリアにお いて禁制品とされている豚肉やアルコール、タバコなどを製造する企業への投融資は出来 ないほか、こうした商品を提供するホテルやレストランなどのサービス業にも投融資がで きないとされる。

3.イスラム金融における金融取引の形態 利子の授受を禁じるシャリアの原則を守るべく、イスラム金融では主として以下のよ うなマージンや配当など、利子に代わる概念を用いたスキームが利用されている。

(1)ムラバハ 「ムラバハ」とは銀行が顧客に代わって商品を購入し、購入価格に銀行が受け取るマージ ンを上乗せして顧客に売却するものであり、伝統的金融における割賦販売に類似したス キームである。マージンを上乗せすることによって、銀行は「利子」を受け取らないかた ちで利益を獲得することが出来るのである。 ムラバハは個人が自動車を購入する場合や、企業が設備機械や原材料を購入する場合な どに用いられており、イスラム金融では最も一般的なスキームである。 当スキームは契約時点で実物資産が存在することが前提となっている

u201608_1.pdf (mufg.jp)

#アンネの法則の山下安音です。私のライフワークは、平和学研究とピースメディア。VISGOのプロデューサーに就任により、完全成果報酬型の教育コンテンツと電子出版に、専念することになりました。udmyとVISGOへ動画教育コンテンで、世界を変える。SDGs3,4の実現に向けて一歩一歩