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小説家にならなかった自分

自分の小学生・中学生時代は多読家とまでは言わないが、それなりに本を読む人だった。
書籍代はお小遣いとは別枠で制限なくもらっていた。

小中学生が読むのは小説が中心になる。当時は、今ほど子供向けの本が充実していなかった。子供向けと言えば、シャーロックホームズとか怪人二十面相などのミステリー小説くらいしかなかった。一通りシャーロックホームズを読み終えると、明治期の小説家の本を読み始めた。いろいろと小説を読んでいくうちに、自分でも小説は書けるのではないかと思い始めた。小説は自分のイメージする世界を好きなように作り上げてそこに出てくる登場人物を好き勝手に行動させれば良いのだと思っていた。まだひとつも書いていないのに自分はそんなことは出来るのだ、と中2までは本当に思っていた。

中二のある日。
夏目漱石の「こころ」を読んだ。
そこに作り出された世界はなんとも言えない人間の汚い一面だった。登場人物の言っている言葉も到底その当時の自分には理解できないことばかりだった。

そこで自分は気が付いた。
小説は100%想像だけで描けるものではないのだという事を。
自分の経験から考えられる世界を書いている。
登場人物の考え方はすなわち作者の考え方なのだ。
自分は夏目漱石にはなれない。
同じ経験ができたとしても、同じように小説は書けそうにない。
登場人物を借りて言っているあの考え方は自分はできない。
圧倒的天才である夏目漱石を超えることは自分はできないのだ。

小説家は、自分の内側から湧き出てくるものを言葉にして書き留める者なのだ。自分の内側からそんな思いが湧き出てくるようには思えなかった。

そんなわけで、自分は小説家をあきらめたのだった。

それから40年が経過し、自分は小説は書いていないがブログはいくつも書き連ねている。世間に対し、自分の気持ちを出しているある意味、当時の思いは達成できているのでしょう。


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