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0288 - ゆうがた寺子屋

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以前『かけこんでみる寺』を開催した静岡県掛川市にある蓮福寺さん。今度はこんな取り組みが始めることになった。(クレヨン画のイラストを含めてお知らせ周りのお手伝いをさせて頂きました)

ゆうがた寺子屋_完成版

平日の夕方、学校帰りの自由空間として、小中高生にお寺を無料開放するというもの。言ってみれば、それだけの話だが、とても可能性が広がる試みだなと感じている。

昨年の秋頃から小中学生の子を持つママさんとお話する機会がグンと増えた。学校からは「共働きなどで親が不在の家には遊びに行っちゃダメ」と言われていたり、昔と違って外で遊んでいても「そこ入っちゃダメ」「そこでそんな遊びはするな」と叱られるケースが多かったりするそうで、放課後に友達と一緒に安心して過ごせる場所が欲しいという声をよく耳にしていた。

この「地域に放課後の居場所を作ろう」という動きはアチコチで始まっており、その内のいくつかに自分は企画で関わらせてもらっている。その際に必ず課題として出てくるのは「運営・管理をどうするか」という点。

運営という点で言うと、利用自体を有料にすると足を運べる子どもがグンと限られてしまうだろう。駄菓子のような「お金を頂戴する仕組み」を用意したところで、利益を上げることは難しい。家賃がかかる場所では無理。行政が管理する場所であれば無料で利用できるが、手続きや報告などの手間が正直とても面倒だ。

管理についても意外と考えることは多い。開放する場所に「盗まれたら本気で困る物」がある場合は施錠や監視する人や仕組みが必要になってしまう。もし都合のつく大人がいない場合、大人の都合で子どもたちの放課後空間を開放できない可能性が出てきてしまう。

今回始まる「ゆうがた寺子屋」が素晴らしいのは、その運営と管理の両方の課題をクリアしていることだ。

行政でも企業でもない「地域のお寺」が自ら始めるので利益を追求する必要は無い。また、監視する大人を用意せず、子どもたちで自発的&自律的に場を活用するという素晴らしいコンセプト。目の前に仏様がいるので、心持ちとして空間を雑に使うことも自然と少なくなるだろう。打ってつけすぎる。

子どもに限らずだが、家でも学校(職場)でもない居心地良い場所「サードプレイス」を増やすことが今後の地域まちづくりに欠かせないポイントだと思っている。

人は「人との関わり」によって成長したり助けられたりで日々暮らしている。様々な立場や年代の人たちが、それぞれに選択して気軽に足を運んで交流できる場所が地元にもっと増えると、地域にとっても個人にとっても大きくプラスに働くことはとても多いはずだ。

ゆうがた寺子屋は2020年9月1日からスタート。地域の子ども(学生)たちの出入りが日常化して賑やかな空間になることを願っている。

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