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0388 - 一言の影響力たるや

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ほんと、言葉ってすごく記憶に残る。

先日、部屋にあるCDの整理をしたのだが、20年以上前に購入したCDでも帯(←既に懐かしい響き)にあるキャッチコピーのような言葉をことごとく覚えていてビックリした。

言葉といえば、誰かの一言が妙に印象に残っていることも多い。その一言によって、その後の自分の行動が大きく変わったということは誰しも経験があると思う。

こうやって書きながら、昔に言われた言葉、そして言われた時のシチュエーションの記憶がいくつか蘇ってきた。

【1】
僕は小さい頃からすごく泣き虫だった。ちょっと何かあるとすぐに泣く。あまりにもよく泣くので、小学校の図書館にあった本のタイトルから取って「へんしん!スグナクマン」と呼ばれていたりもした。
小学2年生のある昼休み。数に限りあるフラフープをどっちが使うかで友達とジャンケンをした。負けた。使えないと決まった瞬間、僕は泣いた。泣きじゃくる僕に対して友達が冷たくこう言い放った。「泣けば思い通りになると思ってんの?」。すごくハッとさせられた感覚を今でも強烈に覚えている。その言葉をきっかけに、僕は泣き虫を卒業した。

【2】
中学生の時、同級生のSさんのことが好きだった。2年の時に同じクラスだったのだが、3年は別々になってしまった。そのSさんは何かの係をやっていて朝に必ず職員室に行くことを(どういうきっかけかは思い出せないが)知った。僕は毎日みんなより少し早めに登校し、3年のクラスが並ぶエリアから職員室へ向かう途中の廊下を、誰に頼まれたわけでもなく掃き掃除していた。決まった時間にSさんが通る。朝イチに一言「おはよう」と笑顔で挨拶を交わす。たったそれだけで、その1日を、やる気全開で取り組むことができた。

【3】
今だから話せることだが、高校時代にものすごくしんどかった時期がある。正確に言うと、当時の自分には、その時のクラスがどうにも馴染めず、休み時間は完全に孤立していたりで毎日学校へ行くのがとにかく辛かった。思春期特有の「どうでもいいや感」というか「明るい未来が描けないもどかしさ」を抱くようになり、真面目に「どうやって死のうかな」なんて考えたりしたこともある。(当時『完全自殺マニュアル』という本が発売されたりした影響もあったように思う)
そんな闇に深く侵食された気持ちを、中学時代から仲の良かった友人に吐露した時「そっか、、、もしお前がいなくなったら、俺きっと泣いちゃうなー」と言ってくれた。泣き虫を卒業して10年ほど経っていたが、この時ばかりは溢れる涙が止められなかった。その一言によって学校での状況がガラリと変わることは無いが、少なくとも「死のうかな」という気持ちはキレイさっぱり消え、これからどうするかという「生きること」を大前提とした心持ちに切り替わった。

【4】
高校卒業後、音楽の専門学校へ進学してドラムを習った。早い段階で「自分の実力ではドラムで食べていくのは相当に厳しいな」ということを悟ってしまった。モヤモヤした日々の中、将来に対する不安な気持ちを同じドラム科の先輩に吐き出したところ「別に、何か仕事しながら音楽続けてればいいんじゃない?続けてさえいれば面白いこともいろいろ起こるっしょ」と言ってもらい、視界が一気にクリアになったことを今でも覚えている。
実際、20代の頃はバイトをしながら、30代の頃は会社勤めをしながら、40代に突入した現在も、働きながら「趣味」として音楽活動(バンド・ドラム)は継続している。音楽活動を通じて知り合えた友人はとても多いし、お金では買えない体験も沢山させてもらっている。草野球とか釣りとかキャンプとか、アクティブな趣味は世の中にいろいろとあるが、個人的には「音楽(バンド)活動」は人との出会いや空間を共有できる嬉しさが詰まっているので、楽しくて仕方がない。

少し暗めな話も書き記してしまったが、ともあれ「言葉の影響力」はなかなかに凄まじい。言った本人は覚えてない可能性が高いと思うが、やはり言葉は人の心と行動に大きな影響を与える。大袈裟ではなく人生を変えるチカラがある。

雑談も大好きだが、何かを「伝える」場合には言葉を粗末に扱いたくない。しっかりとこだわっていきたい。

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