見出し画像

0329 - 無条件で信じ続けること

映画「星の子」を鑑賞した。

予告などで公開されている範疇で説明すると、以下の通り。

主人公ちひろの両親は怪しい宗教にどっぷりハマっている。理由は、病弱だったちひろを、その宗教で売っている水が治してくれたから。ちひろの姉は「あんたのせいだよ」と言い家を出て行ってしまい、両親を宗教から抜け出させようとする親戚のおじさんとも険悪になる。それでも、宗教を頑なに信じ続ける両親。そこに違和感を覚えつつも、ちひろも両親を信じ続けようとする。

全体を通してけして台詞が多いわけでもなく、無音の「間」も多い。心地良いとも少し異なる。一言で表すなら「沁み入る」作品。

映画館で予告編は目にしているものの、観に行こうと思った大きな理由は、永瀬正敏&原田知世が出演するし、監督が「さよなら渓谷」「日日是好日」の大森立嗣だから。物語については全くノーチェックで鑑賞した。

観終わって、この作品から自分が感じたテーマは「無条件で信じること」だ。

身内から批判されようとも娘が1人家を出て行ってしまおうとも無条件で宗教を信じる両親。同級生や先生から宗教のことを批判されようとも無条件で両親のことを信じるちひろ。

よく「無条件で信じる」という言葉が使われるが(この投稿しかり)、厳密にはけして「無条件」ではない。無条件で信じる「現在」があるのは、そうなった理由や積み重ねといった「過去」があるからなんだ。

その過去の積み重ねも、周囲からの批判や反対だったり、自分自身の経験によって見たり知ったり気付いたりだったりで揺らぐ時がある。そうなった場合に「過去からの積み重ね」を大事にしてこのまま信じ続けるのか、切り捨てて大きく変化させるのか。

誰しもに共通する正解は無い。その人が「これでいいんだ」と強く想うことが、その人にとっての正解となる。誰かや何かを無条件で信じることは、実は自分自身を無条件で信じることでもあるんだなと、この「星の子」を観て強く感じた。

星の子


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?