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0379 - 縁食論

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今読み進めているこの本がとても面白い。

書籍の紹介文はコチラ

世界人口の9人に1人が飢餓で苦しむ地球、義務教育なのに給食無料化が進まない島国。「あたらしい食のかたち」を、歴史学の立場から探り、描く。

序盤で出てくる『食べものを通じた人と人の結びつき方は、宗教や思想とは異なる素直さを持つ』という言葉からしてガツンとやられるわけだが、読んでて強く考えさせられるポイントが(現時点で)2つあった。

1つは『孤や個になることを悪とする「家族絶対主義」という考え方は、本当に正しいのだろうか?』ということ。

友・家族・仲間・信頼・人の繋がりを現す言葉はいろいろとあるが、中でも「絆」というワードは、なんというか、重い。

「絆」を使った言葉といえば何と訊かれて「家族の絆」と浮かぶ人も多いと思う。家族は絆があって当然という大前提に縛られすぎて、それによって自分の家族に誤った愛情の注ぎ方をして大きく苦しめてしまったり、他の家族の立ち振る舞いが許せなくなったりする人も少なくないように思う。

もう1つは『親が仕事で忙しくて、子供が1人で夕食を食べている状況だった場合に、批判の矛先は親に向けられて、企業や社会に向きにくい』ということ。

家庭の事情で親は簡単に仕事環境が変えられず、その仕事の都合で子どもが夕食を家で1人で食べることが多い場合に、「子供が可哀想だろ」と批判されるのは親ばかり。企業や社会の仕組みにまで意識を向けられることはまず無い。

上で挙げた2つとも「こうするべき論に縛られること」「その縛られた価値観で視野が狭くなってしまうこと」「そして、他人を批判してしまうこと」という、とてもありがちな流れだ。

その流れに陥らないように気をつけなければと、読み進めながら強く感じる。

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