積極的に活⽤するべき!ECモールのイベントを極める


なぜ EC モールのイベントを外してはいけないか?

なぜECモールのイベントを外してはいけないか?それは、一番売上が立ちやすいタイミングだからです。ECモールはイベントに合わせ、TVCMを打ちますし、ECモールについている顧客はイベントのタイミングを覚えているため、イベントのタイミングが最もアクセス数が多くなり、転換率も高くなる傾向にあります。
一番売上が立ちやすいタイミングで売上をつくるのが最も効率的で、まだ検索結果上位に表示されていない商品の検索順位を一気に上昇させるチャンスでもあります。
このではECモールのイベントでどう売上をつくっていくか、解説していきます。

Amazonの大型イベント

まずはAmazonのイベント内容について解説していきます。
ECモールで売上を上げる場合、多くの人が商品購入を検討するイベントのタイミングに合わせて自社のセールを実施することで、販売強化を図る戦略を取るのは非常に有効です。ただそのためには、イベントの実施タイミング、イベントの特徴を正確に把握し、イベントに適した準備を行う必要があります。以下、Amazonのイベントの実施時期や特徴、やるべき施策をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

Amazonの大型イベントの種類

まず初めにAmazonの大型イベントについてご紹介していきます。
以下以外にも小型~中型のイベントは数多くありますが、本書では詳細は割愛させていただきます。

  • 1月:初売りセール

  • 3月:新生活セール

  • 7月:プライムデー【プライム会員限定】

  • 10月:プライム感謝祭【プライム会員限定】

  • 11月:Amazonブラックフライデー

1月:初売りセール

例年1月の第1週に開催される年始セールで、Amazonデバイスやパソコン周辺機器、生活家電が安くなるほか、ファッション商品を始めとした様々なカテゴリーの「Amazon福袋」が用意されているのが特徴です。
お正月ならではの福袋は、中身は届くまでお楽しみの「中身はおまかせ福袋」と、事前に中身を確認してから購入することができる「中身の見える福袋」に分かれており、自分に合わない商品が届くリスクを避けたい人も購入しやすくなっています。
さらに、セール期間中はポイントアップキャンペーンも実施しており、期間中の買い物額に応じて最大10,000ポイントをもらうことが可能です。
本イベントにおいては福袋商材を作成したうえで、いかに露出をとっていくかが非常に重要となってくるため、福袋商材をお持ちの店舗様は積極的に広告露出や特選タイムセールなどのエントリーをしていくようにしましょう。

3月:Amazon 新生活セール

続いて3月に実施される新生活セールについてみていきましょう。Amazonデバイス、食品、日用品、家具、生活家電、PC(パソコン)周辺機器、ファッションなど、これから新生活を始める人に向けた商品がセール価格で登場するイベントです。期間中には、「えりすぐりアイテム」としてセール中の様々な商品を確認することができます。
2023年の新生活セールでは、「最大12%ポイントアップキャンペーン」が実施されました。キャンペーンにエントリーし、セール期間中にAmazonで10,000円以上のお買い物をすると、最大で12%までAmazonポイント還元率がアップするというキャンペーンです。
また、3月2日~6日の「新生活セール」、3月17日~19日の「ファッション×新生活 タイムセール祭り」、3月31日~4月2日の「新生活セールFINAL」と、2023年の新生活セールは3本立てで開催されました。2024年以降も力を入れて開催されるのでは、と予想しています。

7月:Amazon プライムデー

プライム会員向けの特別セールイベントです。カスタマーレビューの平均値が★4を超える人気商品を中心に、Amazon内で最大規模の一斉値下げが行われます。現在はプライム会員限定のセール商品だけでなく、非プライム会員でも購入できるセール商品も販売されています。
大規模イベントなだけあって、Amazonサイト内でのお知らせやTVCMなどで開催が告知されるため、年間で最も売上が立つイベントになります。2022年のプライムデーでは、先行セールを除く2日間で売上個数は約1,400万個、割引額は総額270億円以上と、どちらも過去最高を更新したとのことです。
Amazon内の他のセールなどのイベントと比べても全体的に割引率が高く、対象の商品数もとても豊富にあります。特に「Fire TV Stick」「Kindle」「Echo」などのAmazonデバイスは大幅な割引やポイント還元が期待できます。

10月:Amazon プライム感謝祭

「プライム感謝祭」はAmazonプライム会員向けのセールイベントで、日本では2023年に初めて開催されました。
2023年のプライム感謝祭では「お客様の「欲しいもの」から「必要なもの」まで豊富に取り揃えること」をテーマに、大型家電・家具、日用品、食品、ビューティーなどの幅広いカテゴリーから100万点以上の商品で一斉値下げが行われました。
また、プライムデー同様に「プライム感謝祭」のセールページでユーザーの注文履歴などを基にパーソナライズ表示を行ったりAmazonフレッシュや成城石井などのネットスーパーでもセールが行われたことが特徴です。
更に、初売りセール同様にAmazonポイントが最大10,000ポイント還元されるポイントアップキャンペーンが同時開催されました。

11月:Amazon ブラックフライデー

「ブラックフライデー」は11月第4木曜日の翌日を指し、アメリカ合衆国などの小売店で大規模なセールが開催される日です。日本のAmazonで実施されたのは2019年からとなっています。誰でも参加できるセールとしては、最も大きなセールです。
2022年のブラックフライデーでは、レビュー評価★4以上の人気商品を中心にした「特選タイムセール」や、続々と売れ筋商品が登場してくる「数量限定タイムセール」、数量・時間限定で、日替わりで販売される「ビッグサプライズセール」、賞品やポイントが当たる「プライムスタンプラリー」など、多くのイベントも開催されました。ブラックフライデーでも、Amazonデバイスは大幅に値引きされます。

楽天市場の大型イベント

続いて楽天でのイベントについて解説していきます。

楽天市場におけるイベントの種類

楽天市場の主要イベントは以下の通りです。それぞれについて、解説していきます。

【楽天市場のイベント一覧】

  • 楽天スーパーSALE

  • 楽天お買い物マラソン

  • 5のつく日

  • ワンダフルデー

  • ご愛顧感謝デー

楽天スーパーSALEとは

楽天スーパーSALEとは年に4回(基本的には3月、6月、9月、12月)実施される楽天市場最大のイベントです。
イベント前にはTVCMが打たれるなど、最大規模のプロモーションが実施されるため、楽天全体のアクセス数が非常に多くなります。売上規模も通常月と比較して、3倍になるような店舗も珍しくありません。

楽天お買い物マラソンとは

楽天スーパーSALEに次ぐイベントとして、楽天お買い物マラソンがあります。スーパーSALEほどの規模ではありませんが、セール期間中は多くの商品で割引セールが実施され、既存楽天ユーザーを中心にアクセス数が増加します。楽天市場で売上をつくるにあたっては、お買い物マラソンも外せないイベントです。

楽天スーパーSALEとお買い物マラソンの特徴と違い

スーパーSALEとお買い物マラソンの特徴と違いをまとめました。
大きな違いはセールサーチとプロモーションになります。それぞれについて解説していきます。

顧客層

楽天スーパーセールはテレビCMや電車内広告など、外部への露出が大きいため、楽天の新規ユーザー(普段楽天市場でお買い物をしないユーザー)が多く、お買い物マラソンは、基本的に既存の楽天ユーザー(楽天で普段お買い物をしているユーザー)が多い、と言われています。

開催頻度

楽天スーパーセールは3か月に一度(例年は3月、6月、9月、12月)、お買い物マラソンは基本的に毎月開催(スーパーセールが無い月は二回開催の場合もある)となっております。

ショップ買い回り

「ショップ買い回り」とは、イベント期間中の目玉企画の一つで、
楽天市場の複数のショップを回って、それぞれで1,000円(税込)以上の買い物をすることで、+1倍ずつポイント倍率がアップするキャンペーンになります。
対象期間中に買いまわったショップの数だけポイント倍率がアップし、最大10倍(楽天会員による1倍含む)のポイントが獲得できます。

超目玉・目玉商品

スーパーSALEやお買い物マラソン期間中には、目玉商品という一定金額以上の割引額の売れ筋商品が販売されます。見分け枠という無料広告枠となっており、条件を満たしていて、かつ店舗によりエントリーがされ、楽天市場側で選定された厳選商品のみが対象となります。楽天市場で作成しているキャンペーンページにイベント期間中掲載されます。キャンペーンページへの導線はイベント期間中TOPに設定され、かなりのアクセス数が見込めます。

楽天スーパーSALEサーチ

「楽天スーパーSALEサーチ」とは、楽天スーパーセールで通常価格よりも10%以上値引きするよ、というのを事前に商品別にエントリーすることで、スーパーセール期間中に「セールサーチ」という検索システムに表示させることができる仕組みのことです。「セールサーチ」とは、スーパーSALE期間中のみ表示されるセールしている商品だけを検索することができる仕組みです。スーパーセール期間中は多くの売上がセールサーチ経由で発生すると言われており、セールサーチに掲載することが売上を上げるために重要になってきます。
また、「半額サーチ」という仕組みもあり、こちらは通常価格よりも50%以上割引することで掲載が可能となり、大量のアクセス数を獲得することが可能です。

プロモーション

プロモーションは大きな違いの一つです。楽天スーパーSALEでは、TVCMやYoutube広告などかなりの露出がかけられます。一方で、お買い物マラソンでは、楽天市場内での告知に留まるので、そこまでのプロモーションはかけられません。

Yahoo!ショッピングの大型イベント

最後にYahoo!ショッピングでの「倍!倍!ストア」等のイベントついて解説していきます。

Yahoo!ショッピングにおけるイベント種類

Yahoo!ショッピングには定期的に実施されるキャンペーンと不定期に実施されるキャンペーンがあります。それぞれについて、説明していきます。

【不定期】

  • 倍!倍!ストアで5% or 10%

  • さん!さん!キャンペーン

  • 買う!買う!サンデー

【定期】

  • 超PayPay祭グランドフィナーレ

  • 5のつく日キャンペーン(+4%)

  • ゾロ目の日クーポン争奪戦

倍!倍!ストアで5% or 10%

対象店舗で購入するとポイント還元を5% or 10%得ることができます。不定期でYahoo!ショッピング側でイベントを実施するので、そのイベント時に対象店舗としてエントリーが必要となります。企画対象店舗になると、商品にアイコンが表示され、倍!倍!ストア用の検索チェックボックスの対象となるため、アクセス数が増加する傾向にあります。

さん!さん!キャンペーン

ポイントが+3.3%付与されます。対象ストアで3,000円以上決済することが条件となり、付与上限は3,000円相当です。

買う!買う!サンデー

ポイントが+5%付与されます。(4%の場合もあります)また、1人当たり5,000円相当が上限となります。

超PayPay祭グランドフィナーレ

超PayPay祭はグランドフィナーレだけで購入する場合は、ポイント+5%だけなのですが、各種条件を満たすことで、最大24.5%のポイントバックを得ることができます。
Yahoo!ショッピングとして最も力を入れているイベントで、一番売上が立つイベントです。しっかり準備していきましょう。
超PayPay祭のポイントアップ条件としては以下のようなものがあります。

  • 超PayPay祭実施日(2023年は、6月15日から8月20日まで)に倍!倍!ストアで購入で +2%

  • 事前購入で(2023年は、7月1日から7月28日まで) +2%

  • 対象ストアで注文すると、グランドフィナーレ(2023年は、7月29日から7月31日まで)で+5%

  • 倍!倍!ストアで注文すると、グランドフィナーレ(2023年は、7月29日から7月31日まで)で+5% or +10%

※イベント情報はよく変更されるため、必ず各モールが公式に出している情報を参照するようにしてください

5のつく日キャンペーン(+4%)

毎月5のつく日(5日、15日、25日)はポイントが+4%となるため、売上が立ちやすくなります。

ゾロ目の日クーポン争奪戦

ゾロ目の日クーポン争奪戦は、毎月11日と22日にYahoo!ショッピングで使うことができる割引クーポンです。倍!倍!ストアのポイントと併用することで、お客様にとってはお得に購入できる日になります。

ここまで、各ECモールのイベント概要についてご説明をしてきましたが、
下記ではより具体的なイベントでの施策内容をご紹介していきます。

イベントに向けて表⽰内容を調整する

まずはイベントに向けてページ上での表示内容をどう変えるべきか、どういった要素を入れるべきか、について考えていきます。

サムネイルにわかりやすく訴求ポイントを表⽰する

まず、一番重要なのは、「サムネイル(商品第一画像)にセール内容を記載する」という点です。検索結果一覧で競合商品と横比較された際に、一番目につきやすいサムネイルでセール訴求をすることで、クリック率(CTR)を上げることができ、売上向上に繋がります。
記載する内容としてはセール内容、ポイント倍率、クーポン情報などをアイコンのような形で記載することをオススメします。

なお、各ECモールごとにサムネイルのルールが決まっているため、必ず各ECモールのガイドライン規約を確認するようにしましょう。(楽天市場とヤフーショッピングはある程度自由度がありますが、Amazonは白抜き画像が推奨されてます)

商品名にアピールポイントをいれる

サムネイルに続いて、可能であれば商品名の冒頭にもセール情報などを入れていきましょう。(サムネイル同様、各ECモールによって推奨ルールが存在するため、実施する際には検索順位などにマイナス影響ある可能性があることをご認識ください)

検索対策として必要なキーワードを選定して商品名に記載することが第一ではありますが、商品名の頭に「ポイント10倍」 や「〇%オフクーポン」などのお得な訴求内容を入れることで目立つようになり、ユーザーが検索する際に目に留まりやすくなるのでオススメです。

イベント時の広告設定について

イベント時の広告設定について、解説していきます。サムネイル画像や商品ページを整えたら、アクセス数を確保していく必要があります。徹底的に準備していきましょう。

イベント時の広告設定の考え⽅

ここでは、イベント時の広告設定の考え方についてご説明をしていきます。
イベント時期はこれまでご説明をしてきた通り、ECモール全体でユーザーの購買意欲が高い状態であるため、売上を最大化するためには、その期間により多くのアクセス数を集める必要があります。
一定程度の費用はかかってしまいますが、クイックにアクセス数を増やす方法として広告運用が非常に有効となります。加えて、競合他社も同様の考えで、通常時よりアクセス数を増やす戦略をとってくることが考えられるため、どれだけ緻密に広告運用をできるかどうかが、ECモールにおけるイベントでの成功可否を大きく左右するといっても過言ではありません。
基本的な考え方として以下2点ご紹介しますので、自社でまだ取り組めていない場合は是非参考にしてみてください。

  • 機会損失を防ぐため、出稿⾦額を増やす

  • CPC単価の引き上げやキーワードの追加対応をする

機会損失を防ぐため、出稿⾦額を増やす

それでは、イベント時の広告予算の配分方法について解説をしていきます。
ECモール別に予算の設定方法などは異なりますが、共通して言えることは「機会損失を防ぐため、出稿⾦額を増やす(適切に管理する)」という考えが非常に重要です。
実際にイベントのタイミングでどれだけ予算を増やすのかは各企業によって異なってくるとは思いますが、通常日(イベント外の日)の3倍-5倍程度の予算を投じても、費用対効果は合うことが多いのではないか、というが弊社の所感です。
(あくまで平均的なお話ですので、目標売上や広告予算を鑑みて、個社ごとに予算ルールを決める必要があります。)
以下、各ECモールの主要な広告について、予算のチューニング方法を確認していきましょう。

Amazon - 各種スポンサー広告

Amazonのスポンサー広告では、月額予算に加えてキャンペーンごとに日予算の設定が可能となります。日予算とは、「1日で消化される上限予算」です。イベント時には、この日予算を通常時と比較して、5倍程度に設定してください。
例えば、普段の日予算の設定を「10,000円」に設定をしていたとしたら、イベントがあるタイミングのみ「50,000円」にする、といったイメージです。

楽天市場 - RPP広告/クーポンアドバンス広告

楽天市場についてはRPP広告とクーポンアドバンス広告の予算の設定方法についてみていきましょう。楽天市場の場合はAmazonのスポンサー広告と異なり、日予算を設定できないのですが、「継続月予算」を設定することが可能となります。設定した金額に広告費用が達すると、自動で広告表示が止まる仕組みです。この機能があることにより、広告費用が月予算を超えるリスクがなくなる一方で、月予算を超えてしまうと広告配信が停止してしまいます。予算超過による機会損失を防ぐため、イベント期間中は1日に4回程度の頻度で、細かく消化状況をみていく必要があります。また補足ですが、「継続月予算」はその名のとおり、継続して次月も同じ金額の予算が自動的に組まれます。イベント終了後や月初めに、継続月予算を変更することも忘れないでいただければと思います。

Yahoo!ショッピング - アイテムマッチ広告/PRオプション料率

最後にYahoo!ショッピングについて確認していきます。
Yahoo!ショッピングもAmazon同様に日予算の設定が可能となりますので、日次での予算管理をしていきましょう。

「自動予約」の設定
「5のつく日」、「ゾロ目の日」の日次予算と商品別の入札価格の設定が可能です。
「日別予約を追加」
日別に消化予算を設定することができます。

PRオプションについては、料率を上げることで全体的な露出が高まる効果が期待できるため、通常日よりも3-5%程度上げるような運用をオススメします。

CPC単価の引き上げやキーワードの追加対応をする

ここでは、CPC単価の調整とキーワードの追加といった施策について解説していきます。イベントならではポイントを押さえて解説していきます。
基本的なキーワード関連の考え方は以下にまとめていますので、興味がある方は読んでみてください。少々長いですが評判は良かったです笑

CPC単価の引き上げ

まずはCPCの引き上げについて解説をしていきます。
CPCは「Cost Per Click」の略で、「クリック単価」と訳され、広告1クリックあたりの単価を指します。一般的にはCPCを上げることでより露出が高まり、多くのユーザーを集客できるようになるため、転換率が高くなるイベントのタイミングではCPCの引き上げを検討しましょう。
CPC単価の引き上げの基準(どの程度引き上げるべきか)は、基本的には広告の管理画面で推奨されるCPC(amazonは推奨入札額、楽天市場では目安CPC、Yahoo!ショッピングでは入札順位を参考にしてください)まで引き上げることをオススメします。
楽天市場のRPP広告をチューニングする際は、商品CPCを引き上げることも有効です。例えば、通常時商品CPCを10円に設定している場合は、商品CPCを20円に上げてみることで、個別設定をしているキーワード以外に全体的な露出が増えるため、お試しでやってみて効果測定を見つつ、自社にとって最適なCPC単価を見極めることが必要です。

キーワードの追加対応

イベント期間中は売上がつくりやすいため、当然キーワード別の実績も溜まりやすくなり、キーワードの再選定/追加対応をする絶好のチャンスです。
新たに追加してみたいキーワードを積極的に追加し、売上アップの機会を最大化しましょう。

ここからはECモールのイベント時の広告についてご説明をしていきます。
イベント時の広告は効果が高いものが多いので、予算が許す限り見逃さずに実施していきましょう!

Amazon - 売上 UP の期待⼤!タイムセールの実施

まずはAmazonからご説明をしていきますが、Amazonについては広告というよりも事前にエントリーが必要なタイムセールについてご説明をしていきます。Amazonでイベント時期に短期的に売上を上げる施策として、筆頭にあげられるのがタイムセールなので、うまく活用していきましょう。

Amazon 特選タイムセールの概要

「特選タイムセール」は、1日に最大5つの商品がセール対象となるイベントで、24時間限定で開催されます。

「特選」と言われるほどですから、amazonから招待されなければエントリーすることができず、売れ筋商品が最大50%OFFなどで販売されるケースもあり、ユーザーからすると注目度が高いタイムセールです。

ほとんどの商品が15~20%の割引価格で提供されるため、Amazonを日常的に使っているユーザーからは毎日チェックされるページになります。
amazonから招待された際には、ぜひチャレンジしておきたいところです。

Amazon 特選タイムセールの参加方法について

特選タイムセールは出品したいからといって、自由に参加できるわけではありません。Amazonの特選タイムセールへ参加するには、Amazonから招待メールが届かなければなりません。選出される基準については、Amazonは非公表ですが、以下4つを満たしていると招待される傾向があるようです。

特選タイムセール選出基準

  • Amazonの売れ筋商品

  • レビューが0、または星3.5以上の商品

  • アカウントの評価が高い

  • 25%以上の値引きがされている

また、参加には以下の参加資格を満たしておく必要があります。 

  • 原則20%OFF以上(実施タイミングやブランドによっては10%OFFの値引きでも可能)

  • 4週間以上の販売履歴があること

  • 商品紹介コンテンツが作成されていること

  • 在庫処分品ではない商品であること

  • ある程度の販売見込みがある商品であること

  • Amazon内の出品者の中で最低価格であること

  • 直近でセールを開催した日から4週間以上であること

  • 再出品の場合は前回のタイムセールと同価格であること

Amazon 特選タイムセールにエントリーする注意点について

Amazonの特選タイムセールにエントリーした商品は、以下を実施してしまうとエントリーしていても落ちてしまうことがあるので要注意です。

  • 価格変更

  • バリエーションの組み変え

  • ポイントの併用

Amazon 特選タイムセールの活用方法について

特選タイムセールに限らず、タイムセールをうまく活用できればイベント時期に短期間で多くの数を販売することができ、タイムセール後も通常検索やランキングで上位表示されやすくなり、売上アップに繋がります。しかし、ただ「タイムセールに出せば売れる」という考えだけで運用を行うと、思ったほどの効果が見込めない可能性があります。そうならないためにも、タイムセール前から調整を行うことが重要です。では、タイムセール時にどのような対応をすればよいのでしょうか?

重要なポイントは以下の2つです。

①スポンサー広告で露出強化

タイムセールなどの単発で行うイベントには、即効性のある広告を使うことが有効です。数週間前から広告で露出を強化しておくことで購入数にも繋がり、ランキングや検索順位もアップします。それにより、タイムセール当日に商品が上位に表示されやすくなり、アクセス・売上アップに繋がります。

②     商品ページの改善

次に重要なのが商品ページ内の情報を充実させることです。
商品についての情報が少ないと、露出強化をしてページまで誘導できても結局離脱されてしまう可能性が高いです。そうなると無駄に広告費だけがかかり、売上がとれないという状況に陥りかねません。それはとてももったいないことですので、事前に商品情報を充実させ、魅力的なページ作りをすることが必要です。上記の対策をまだ行っていないという方はぜひ活用してみてください。具体的なページ制作のポイントは、以下にまとめています。

楽天市場 - 圧倒的集客が可能「スーパーセールサーチ」

「楽天スーパーSALEサーチ」とは、楽天スーパーセールで通常価格よりも10%以上値引きすることを前提に商品別にエントリーすることで、スーパーセール期間中に「セールサーチ」という検索システムに表示させることができる仕組みのことです。スーパーセール期間中は多くの売上がセールサーチ経由で発生すると言われており、セールサーチに掲載することが売上を上げるために重要になってきます。
また、「半額サーチ」という仕組みもあり、こちらは通常価格よりも50%以上割引することで掲載が可能となり、大量のアクセス数を獲得することが可能です。

セールサーチの申し込み方法

エントリーする方法は大きく以下二つの方法となります。

個別に申請する場合(10件ずつ申請)
それほど商品数が多くない場合は個別にエントリーでも十分に対応できます。
RMSの「商品管理」の画面から申し込みフォームへ遷移して商品管理番号を入力します。

CSVで一括申請する場合

商品数が多い場合、CSVで一括申請することが可能です。

セールサーチ申請ページ選定時の確認ポイント

セールサーチエントリー時に、元々販売していたページでエントリーするか、コピーページを作成してエントリーするかを事前に検討しておく必要があります。
コピーページでエントリーする場合はセールの直前まで元々販売していたページで販売をすることが可能となるため、普段から売上がつくれている商品についてはコピーページでの販売をオススメします。
一方で、あまり販売実績がつくれていない、もしくは新商品の場合は元々販売していたページをエントリーすることで、販売実績をつくることが可能となるため、状況に応じて使い分けるようにしましょう。

セールサーチの注意点

セールサーチにエントリーするためには以下の3つの条件を満たすように注意しましょう。

  1. 通常商品であること(予約かご、定期購入などは不可となります。)

  2. 楽天スーパーSALE開始の4週間以上前から販売している商品
    (新商品をエントリーする場合は、上記に引っかからないように、商品登録だけは事前に済ませておくようにしましょう。)

  3. 10%以上の割引を予定している商品(値引率が10%未満の場合は不可となります。)

セールサーチ審査通過後の注意点

セールサーチが通った!実はそのあとも注意が必要です。
よくある間違えが、「2次チェック合格後の商品情報の変更」によりセールサーチから落ちてしまうケースです。
商品画像、商品説明文、商品名、キャッチコピー、項目選択肢別在庫の項目名を変更する際は、「●%OFF」表記の追加、送料無料表記の追加、あす楽の文言削除、商品情報の追加等、申請時と同一の商品と判断できる範囲での変更に留めてください。
申請時とは別の商品と判断されるような大幅な変更や、事実と異なる記載がある場合は登録削除されてしまうので、以上の内容は覚えておくようにして下さい。

楽天市場 - 「超⽬⽟枠、⽬⽟枠」を使う

楽天市場の大型イベント時には選ばれた商品のみが掲載可能な無料枠が存在します。ただ、今回紹介する無料枠は企業様が商品エントリーをした上で当選した場合に初めて利用できる広告になります。必ずしも確定で利用できるというものではないことをご了承いただいた上でお読みください。

お買い物マラソンの超目玉枠

お買い物マラソンの超目玉枠について解説します。お買い物マラソン中に掲載されるタイムセール広告となります。二重価格が必須の枠になり、超目玉枠にエントリーするためには以下の条件を満たす必要があります。

【超目玉にエントリーする条件】

  • 一定水準以上の販売実績がある

  • レビューは4点以上、10件以上ある商品

  • 型番商品に関してはレビューに関しては特に条件はありません。

  • 割引率は型番商品だと10%以上、非型番商品は20%以上と

  • 割引後価格が1,000円以上は必須の枠となりますので、価格が1,000円以下の商品はエントリーすることができない

エントリーしたうえで、楽天側から選定されて初めて出稿できる広告枠です。

スーパーSALEの超目玉枠

続いてスーパーSALEの超目玉枠について説明いたします。こちらの広告枠は非常に露出が多い広告枠となっているため、何としても掲載しておきたい広告枠です。しかし、その分エントリー条件が厳しくなっています。

【スーパーSALEの超目玉枠エントリー条件】

  • 50%OFF(事実上必須)

  • レビュー4点以上

このスーパーSALEの超目玉枠に関しては楽天側としてはスーパーSALEのCMに出ているような車の半額セールや、〇〇1年分などと誰もが目を引くような商品が当選しやすい傾向にあります。

スーパーSALEの目玉枠、最安値枠

基本的に割引率等は同じで型番商品だと10%以上割引、非型番商品だと20%以上割引が条件として決まっています。ただ、目玉枠だと当店通常価格の設定が必須で、最安値枠だと当店通常価格の設定が不要となっております。そのため、目玉枠であれば販売実績がついている元ページを入稿する必要があるため、入稿した後実際に掲載されるまで、販売ができなくなってしまいます。一方で最安値枠であれば、元ページを入稿しなくてもコピーページを入稿することができるので、掲載までの期間販売することは可能になります。ただ、このようにみると最安値枠の方が使い勝手がいいと見えますが、掲載位置が目玉枠の方がイベントページの上に来るので最終的な売上としては目玉枠の方が取れる可能性が高いです。

※注意点
無料の広告は掲載位置もかなり良いので、多くのアクセス流入を期待できます。そのアクセスをどう活用していくかで売り上げ最大化できるか大きく左右されます。そのため、当選したら、該当の商品ページに店舗内の他商品にアクセスを流すための導線は必ずつけましょう。
最後に注意点になりますが、無料枠(販売期間設定が必要なもの)は掲載期間が終了したら価格を必ず1円以上あげて販売開始してください。掲載期間の割引をしている価格と同じ価格で掲載期間終了後に販売するのは違反行為となります。

Yahoo!ショッピング - 押さえておきたい倍!倍!ストア

倍!倍!ストアとは、倍倍ストアに申し込んでいる対象ストアでお買い物するとご利用額の10%または5%相当のPayPayボーナスが戻ってくるキャンペーンとなっております。申し込み際には、PRオプションの料率アップが必要になりますのでご注意ください。
必要な料率は、倍!倍!ストア申し込み画面に表示されますので、詳細はそちらで確認するようにしましょう。
倍!倍!ストアに申し込むために必要なPRオプションの料率は、過去3ヶ月間の店舗全体のPRオプション料率を基準として設定されているようですが、全体的な傾向としては、上記PRオプション料率から+3%程度になることが多い印象です。
また、倍!倍!ストアを利用し続けていると、次に申し込みの際に必要なPRオプション料率が上がってしまうことが多いため、普段のPRオプションを少し下げるなどの工夫は必要となります。

倍!倍!ストアの参加タイミング

倍!倍!ストアへの参加は、5のつく日や日曜日、セールの日など、通常より購買意欲の高いお客様の多い日を含むタイミングを第一候補としましょう。

倍!倍!ストアの参加費用は?

倍!倍!ストアは利用金額の5%もしくは10%のポイント原資負担で参加できます。ポイント分は全てお客様に還元され、売れた場合のみ費用が発生します。逆に言うと、売れなかった場合はポイント費用がかからないので売上改善ができるかどうか、何度か試してみることをオススメいたします。

倍!倍!ストアの参加方法

最後に倍!倍!ストアへの参加申し込み方法について説明します。
倍!倍!ストアは、各企業様のストアクリエイターProより申し込みできます。

ストアクリエイターPro管理画面の上部のキャンペーン情報より、キャンペーン(ストア限定)に参加するボタンよりエントリーを進めます。

また、参加条件を満たしている場合に参加ボタンが表示されるため、念のため参加条件を満たしているかどうか、確認するようにしましょう。

【参加条件】

  • プロモーションパッケージの加入

  • PRオプション利用権限

事例コラム(イベント施策をフル活⽤して売上 UP を実現した事例をご紹介)

楽天市場のすーぱーSALEを上手く活用することで売上UPを実現した事例をご紹介します。

こちらはある食品メーカー様の事例となりますが、昨年対比で大きく売上を伸ばすことができた事例となります。

アクセス対策としては以下の施策を実施しました。

広告運用最適化(RPP広告)

まずはアクセス施策の要となるRPP広告の最適化を実施しました。
スーパーSALE期間前は設定CPCの調整および追加キーワード設定することで売上実績を蓄積し、検索結果上位に表示される状態を目指しました。
スーパーSALE期間中は目安CPCの変動が大きくなるため(目安CPCが1時間後には+100円になっているなど現状設定から大きく乖離することがある)、1時間おきに注力商品のキーワード設定やキーワード単価の見直しを実施しました。
その結果、予算の消化金額も当初の予算内に収めることもでき、何より広告の費用対効果を最大化することが可能となりました。

無料のタイムセール枠の活用

無料のタイムセール枠(超目玉枠、目玉枠、最安値枠)へは積極的にエントリーをしました。
普段は50%OFFできない商品についても積極的な値引きを実施することで、広告枠1枠で1万件以上のアクセス数を獲得することができました。

楽天スーパーSALEサーチの活用(商品選定、競合価格調査)

広告に頼るだけではなく、スーパーSALEサーチも活用することで検索経由の売上も最大化することに成功しました。
値引き施策を実施する際には、注力商品を選定したうえで、競合が前回のセール時にどれくらいの値引きを実施していたかを記録しておき、その価格を少し下回る価格設定をすることで、不必要な費用をかけずに売上をのばすことができました。
また、少し裏技的な内容となりますが、スーパーSALE前の検索結果一覧を見ていると「販売期間前」の商品が増えると思います。多くの場合はスーパーSALEサーチにエントリーするために事前に「販売期間前」の設定をしているため、スーパーSALEでの競合他社の値引率を確認することも可能な場合があるので、合わせて検索結果一覧も確認しておくようにしましょう。

転換率施策としては以下の施策を実施しました。

セール情報のページ反映(商品名、サムネイル)

セール情報は商品名やサムネイルへ積極的に盛り込むようにしましょう。
特にサムネイルは検索結果一覧でユーザーの目に大きく触れることになるため、必ずポイント倍率などは盛り込んでおくようにしましょう。

各種キャンペーンの実施(クーポン、ポイント、メルマガ/LINE)

スーパーSALEサーチと合わせて、クーポンやポイントなども実施可能かどうかは、事前に検討しておきましょう。また、メルマガやLINEなどの既存顧客向けのキャンペーン内容も事前に整理しておくことで、直前に慌てずに配信設定をすることが可能となります。(メルマガの場合は予約がすぐ埋まってしまうため、余裕を持った準備をオススメします)

最後に

ここまでamazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングのイベントで押さえておきたいポイントについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
下記のアクションを徹底していくと必ず売上につながっていくので、試してみてください!

  • サムネイルにわかりやすく訴求ポイントをいれる

  • 商品名にアピールポイントをいれる

  • 機会損失を防ぐため、広告出稿金額を増やす

  • CPC単価の引き上げ

  • キーワードの追加

最後に少し宣伝をさせてください!今回のような形でECノウハウを定期的に発信しております。よかったら、以下マガジンをフォローいただけますと嬉しいです!