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4designs株式会社CEOの有山です。今回はキャリア戦略を考える際に欠かすことができないマネー(ライフプランニング)とキャリア戦略について課題認識とキャリア戦略における位置づけについて書かせて頂きました。

■「キャリア+マネー」or「キャリア×マネー」?

私が、自身の6回の転職を通じていつも疑問に思っていたことがあります。それは、「なぜ、キャリアとマネー(ライフプランニング)の話を別々にしなければならないのか」という点です。

キャリアを考えるのにキャリアはエージェントとかキャリアカウンセラーに相談することはあっても、お金のことは自分で考えてね。また、お金のことはファイナンシャルプランナーに相談できても、キャリアのことは自分で考えてね。

キャリア(働くこと)とマネー(家計/ライフプランニング)は、きってもきれない両輪なのになぜか、分けたがる。1つ1つが重いテーマだからということもあるかもしれませんが、基本的に別々に相談する機会しかない。これっておかしくないのかな。と思っていました。

■キャリア戦略×マネー

キャリア戦略を考えるうえでマネーは制約条件となります。企業で資産(現預金や資金調達できる信用力)が多いとM&Aや研究開発投資など将来に向けた戦略の幅が広がるように、例えば個人では転職する場面において、資産(ストック)を多く持っている人は、年収(フロー)は重視せず自身の成長ができる仕事内容や労働環境だけで選択できますが、資産(ストック)が少ない人はまず前提条件として年収水準(フロー)を重視せざるおえず、企業選択(キャリア戦略)の選択肢が狭まることによって、その分やりたい仕事などをあきらめる必要が出てくることもあると思います。

そして逆に、マネーを考えるうえでもキャリア戦略は影響を受けます。企業でいうと株主、取引先、社会等のステークホルダーにより戦略自由度は影響を受けます。個人でいうと、家族構成、結婚、子育て、住宅購入、引っ越し、介護、老後、相続・・・自身の置かれた環境におけるや人生での移行期(トランジション)において、その環境・選択がキャリア戦略の自由度は影響を受けます。例えば、結婚によりWインカムとなり夫婦で助け合うことで年収を下げてチャレンジできる人もいれば、親の介護を余儀なくされキャリアを望まない方向に転換しなければならない人もいるかもしれません。

企業で言うと、キャリア戦略は経営戦略であり、マネーは具体的な事業計画数字/単年度予算に該当します。キャリア戦略とマネーは車の両輪であり、キャリア戦略を経済の血液かつ共通の価値軸である「お金」に換算して実行可能性やリスクについてシミュレーションをすることは、キャリア戦略を考えるうえでとてもとても大事なこと、キャリア+マネーではなく、お互いに影響し合うのでキャリア×マネーの発想が大事だと思っています。

■まず何を考えるか?

キャリアとマネーを考えるときにまずは、今後の自身が生きるために必要な最低限のお金(食費や住居費用、水道光熱費等)と自分のやりたいこと(旅行、車の購入、子供への教育)などの必要なお金を概算でもまず試算することがスタートになります。これがないと自分でいくら稼がないとならないのか、がわかりませんから。

生涯賃金で考えるとやはり年金受給開始年齢が、いつになるのか、いつまで健康で働くこと(仕事をもらえる)ができるのかは大きな問題です。

働く高齢者の増加を踏まえ、政府は20年3月、公的年金を受け取る仕組みを変え、現状60~70歳の間で選択する年金の受給開始年齢を、60~75歳に広げる閣議決定をしています。受給開始年齢を1カ月遅らせるごとに受給額は0.7%増えるので、仮に75歳まで遅らせると年間で84%増えることになります。

老後の2,000万円問題が大きな話題になりましたが、これは一定の前提において試算したものであり、すべての人に当てはまるわけではありません。その数字を鵜呑みにするのではなく、自分がどう生きていきたいのか、何歳まで働くか、家族構成、持ち家かどうか、退職金の有無、働くスキル、健康状態、不労所得(不動産所得等)など多くの要素が各個人によって異なるので、自分の状況を踏まえてシミュレーションをする必要があります。


また、公的年金だけでは安心な老後は送れないということを前提に、国はNISAやiDeCoといった税優遇を受けれる資産形成の仕組みも用意しています。そのため、キャリア開発のみならず、資産の運用リテラシーは、これからの時代に必須のスキルであると考えています。

■必要な金額をどう稼ぐのか。

次に、将来において必要なお金の概算が、キャリア戦略で立てたシナリオにおいて、稼げるのかどうなのかを確認します。キャリア戦略としてのシナリオパターンで収入がどう変わるかシミュレーションする。例えば、仮に、いまの会社でこのまま働き続けた時の収入を考えた時に不足するのか、不足しないのか。自社の人事制度や上司や役員などを見れば、だいたいの金額は推測できることかと思います。もし、不足するのであれば、シナリオを見直すなど修正する必要がでてきます。

・役員まで昇格するか・自分を高く評価してもらえる会社に転職して収入UPを目指すのか・起業して収入増加を目指すのか・今の会社に働きながら副業などを通じて収入増及び自分のスキルの評価を試してみるのか・大学院等に通って専門スキル又はキャリアチェンジのために学ぶのか(プロティアン・キャリア理論的には、どのキャリア資本をより強化して蓄積していくのか)

つまり、どう稼ぐのかを考えなければなりません。そして、大事なのは、自身の人生のビジョン・ミッション・バリューに沿った働き方、生き方ができるかということ、プロティアン・キャリアにおける心理的成功です。生活の前提である家族、両親、趣味など大事にしたいものも踏まえ、後悔しない選択が必要となります。

コロナ前は転職市場が活況でしたが、選択肢は転職だけではありません。今は、副業、複業、プロボノ、スキルシェア等々、自分という商品のマーケットでの評価を得るサービスが多くあります。私も起業する前は、副業やフリーランスとして、ひと月どの程度稼げるのかの市場調査をして自身の市場価値を確認しました。プロティアンは、現在勤めている会社の収入ではなく、労働市場における自身の価値を常に意識することが重要だと思っています。

■講座でのキャリア戦略×マネー

今回4designs㈱で開講するプロティアン・キャリア戦略講座(基礎/実践編)では、経済番組の元キャスターで、現在は民放キー局の情報番組でも活躍されているキャリア×マネーの専門家 和泉昭子さんに講師をご担当頂き、プロティアンなキャリア戦略に応じたマネー(ライフプラン)をどうするのかについてしっかりと学びつつ、実践に向けて個々のライフプランを受講生に作成をして頂きます。

キャリア戦略とマネープランの融合、ありそうでなかった講座だと思っています。自身のビジョン・ミッションに沿った心理的な成功を勝ち取るための意味のあるキャリア戦略には、マネーは欠かせませんので、しっかりとマネーリテラシーも高めていくものにしていきたいと思います。

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