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シンガポールはこれからどんな道を進んでいくのだろうか?

Cov-19感染者の急増で、飲食店での飲食が全面禁止されてたのが、7月22日。
この措置は当初8月の18日までと言うことだったのですが、建国記念日の前々日(8月7日)に発表があり、未だ多くの規制があるものの、8月10日から店内飲食は解禁となりました。

飲食店での飲食再開まで、2週間ほどの街の様子はというと、
飲食店以外の一般店舗は、通常営業をしていたものの、
スーパーなどを除き、どこもかしこも閑古鳥が鳴いていました。

お客さんが少ないので、どのお店の店員さんもやる気がなさそう………

やっぱりお買い物と食事やお茶ってセットだったんだなって、
しみじみ思いました。

私は、普段でもほとんど外出することがないのですが、
チャイナタウンの旅行社がたくさん入っているビルに用事があり、
8月はじめのお昼過ぎに訪れてみると、
多くの飲食店が閉店していました。
そんな中にいると、
なにか、とても悲しい気持ちになりました。

国内旅行というものがほぼ無いシンガポールですから、
多くの旅行社が倒産してしまうのは、ある意味当たり前のこと。

でも、そのビルに入っていた飲食店も相当の打撃を受け、持ちこたえられなくなったのでしょう。

なぜアメリカやヨーロッパとアジアは異なるのだろう?

ワクチンの一般投与が始まってから、ヨーロッパやアメリカは感染者や死亡者が増えていても、ドンドンと通常の生活へとシフトしています。

ヨーロッパの多くの国々は、入国に際しても隔離なし、チェックなしが当たり前のようです。

それに比べてアジアやオセアニアの国々は、依然として外国人には門戸を閉ざしているところがほとんどです。
特にデルタ株による感染者急増により、ベトナムやカンボジアは規制をさらに強めています。

でも、これらの国々は感染者数も死者の数もアメリカやフランス、イギリスなどと比べて、とても低い水準です。

医療設備や施設が脆弱な国がアジアには多く存在します。
感染を恐れているのは理解できます。

でも、オーストラリアやニュージーランドのような国は、
たった一人の感染にも超敏感。

それぞれの国や地域でCov-19に対する取り組みは大きく異なります。

今回のCov-19の流行で、欧米とアジアの考え方がこれほど異なるのかと、しみじみと感じてしまいました。

その中で日本は、欧米ともアジアとも違う、独自の道を歩んでいますね。

これまでのシンガポールの動き

今回の規制緩和で、
シンガポールは、これまでの方針を大きく変更したと感じています。

政府もこれからは、コロナとともに生きていく。と明言しています。
ただし、自衛できる限りの事は行うという前提付きです。

規制が厳格化された直前の感染者は130人前後でした。
そして、規制緩和が発表された前日の感染者数は92名。

感染者数が減ったとは言っても、
以前であれば、とても規制緩和を実行する数値ではありません。

でも今回は、条件付きとはいえ、
1週間前倒しで飲食店での飲食を許可する方針をとりました。


毎日発信されている、政府の発表スタイルが変わってきた!

下記の画像は、毎日政府からSNSを使って発表されるCov-19の状況。
これまでの形式は、下記のとおり。

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8月5日(本来であればこの日に規制措置の変更の発表がある日でした)からの政府の発表は、以下のような形式に変わっています。

画像2

5日以前:全体の感染者数、感染者数の内訳
それが、5日以降は感染者総数は2番目になり、一番目は、重症な入院患者数とICUで治療を受けている患者数になりました。
その中で、ワクチンを接種していた人の割合も記載されています。

最後の項目には、ワクチン接種(1回の人も含む)の割合が加わりました。

この形式になる前の保健省の発表は、
重症者数よりも、全体の感染者数に重きをおいていました。

でも、8月5日以降は明らかに、
ワクチン接種をしていない重症者数の割合にフォーカスしています。

これは、ワクチン接種を多くの人々に広げ、国を再び開く準備に入ったといえるかも知れません。


8月10日からの新方針

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こちらの規制、なかなか複雑なのですが、
これまでと大きく異なるのは、
ワクチン接種者とそうで無い人との間に大きな差を設けたと言うことです。

例えば飲食については、
ワクチン接種をしていない人は、ホーカーセンターと*コーヒーショップに限り、最大2名まで同席可能。
それ以外の場所での飲食には、ワクチン接種を2回行い、2週間を経過していることが必須。
また、2回接種後2週間経過している人の飲食は、最大5名までが可能。

*ここでいうコーヒーショップとは、ホーカーセンターと同様オープンエアーのフードコートのようなもので。
皆さんのイメージするカフェとは異なります!

シンガポールでは現在、
ワクチン接種を2回行い、しかも、ワクチンが効力を持つと言われている、14日間を過ぎないと、まともなお店でお茶や食事ができないのです。


結婚式もワクチン接種を完了している人であれば、
250名までの定員で実行可能になりました。

特に教会やモスクでの集会はワクチン接種者であれば500名まで可能など、
今までとは、かなり異なった方針に舵を取った事がわかります。

ワクチン接種を国は強制することができませんが、こうやってワクチンをしていないと、生活に支障が出てしまう事を示す。
また、ワクチンを接種しないと、Cov-19にかかったときに重症化する可能性が高い事を具体的な数値を示し、接種を促す対策に出ています。


偽の証明も多く出回ったらしい

なんと、飲食が解禁になった際、ワクチン接種を2回行ったという偽の証明も提出して飲食を試みる人が多数発生したようです。

今回の規制の原因の一つになった、違法カラオケ店やその店の客もですが、
やはり一定数の、他人の迷惑など全く考えずに、
自分さえ良ければ良い人。
そして、規則なんて守る必要は無いと思っている人が存在します。

政府は、国民の安全を守るには、それらの人たちの行動を仮定して、
様々な政策を進めていかなければなりません。
本当に大変な事だと思います。


正解というものは無いけれど、そのときの一番良い方法を模索して、
間違ったと思ったら、あるいは政策が現状にそぐわなくなったと感じたら、
瞬時に政策を転換する。
やっぱり国のリーダーって大きな責任が伴うのですね。

Cov-19は私たちに本当に多くの気づきをあたえてくれているのだなあと、
日々感じています。

もうCOV-19前の生活には戻れないけれど、
もう少し自由に行き来できる生活ができるようになると良いですね。




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