正しい株価がよりよい社会をうむ理由
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正しい株価がよりよい社会をうむ理由

わたしたちが開発・運営する投資判断支援ツール、プロプロのミッションは「個人投資家の目利き力アップでよりよい社会をつくる。」ネット証券が登場した2000年初頭以来、初心者・未経験者を株式投資に呼び込む動きが盛んですが、資本市場が正しい株価を形成する力を維持・強化することは極めて重要です。株価は高ければ高いほどよい、そう思っていませんか?

資本効率=成長率

資本効率という日本語は、実にイケてない和訳だと思います。効率効率って言われていきいきとする人の姿が想像できないからです。でも稼ぐ力って言われたら、なんだかやる気が出てきませんか?

資本市場では、手元の1万円をもっとも増やしてくれる企業に向けてお金が流れるよう、事業会社と投資家との間で金銭が流れます。これをプライマリ市場といいます。株の世界では企業が新株を発行し、投資家はその新株と引き換えに企業に資本を与えるというのが基本的な仕組みです。

企業は手にした資本を事業に投下し利益を生みます。投資家から得た100億円が20%の利益を生めば利益は20億。1年後の元手は120億円に増えることに。よく資本効率と呼ばれる数字です。

ここで、追加で手にした20億円が当初の100億円と同じ20%の利益を産むならば、翌年の利益は20+4=24億円ということになります。以後、元手の増加に従い毎年の利益はだんだんと増えるはずです。そう、資本効率って実は成長率にあらわれるんですね。実は「効率」より、大事なのはこっちです。

さて一般的に、事業投資においては最初が一番効率がよく、次第に効率が下がるということが起きます。仮に生産機械の台数が売上高を決めるような事業を行なっているB社があり、初年度の利益20億円で一気に20台の増設を行なったとします。

供給数が増えた結果、最後の5台が生産した製品は値引きしないと売れない恐れがでてきます。20億の利益を全額再投資すると、最初の15億円からは20%の利益が生まれるが、最後の5億からは5%しか利益が生まれないとしましょう。

一番儲かるところに資本を配分するのがなぜよいか

株主の立場からみたらどうでしょう。このB社とは別の会社で、資本を与えれば10%の利益を生んでくれるA社があったとします。そうすると、株主としてはB社の生み出した利益20億のうち、15億円はB社に再投資してもらいたいが、5億円分はA社に投資したいと考えます。

このようにすることで、15億が20%を生み、5億は10%を生むわけです。B社が20億すべてを再投資するより資本が有効活用されています。

投資家はこのように考え、B社が効果的に投資しきれない利益は株主に戻し、その投資については株主に任せるよう求めます。B社が配当や自社株買いによって5億円を投資家に返したなら、投資家はその5億円を、数ある選択肢の中で一番高い利益を生んでくれそうな会社に渡すことになります。

資本を活用して実行された事業が高い利益を生んだということは、生み出された商品やサービスが世の中で強く求められ、よい価格で売れたということです。世の中には去年よりも良い商品やサービスが少しだけ多く出回ったに違いありません。人々の暮らしは少しよくなった。儲けた会社は引き続き利益の一定割合を再投資しますから、社員も増えるでしょうし給料やボーナスも上がっていくでしょう。

元手から得られる利益が大きければ、翌年の元手が大きく育ちます。これを繰り返せばどんどん成長できるはず。本来こういうことなので、静的な概念に聞こえる資本効率ではなく資本利益率と訳せばよかったのにと思います。

世の中によりよい商品やサービスが出回り、人々の収入も増えていく。そうなるようお金をまわすのが、資本市場のめざす基本的な役割です。

正しい株価はなぜ大切か

ここで大事なことは、20%の利益を生む会社のほうが、10%の利益しか生まない会社よりも株価をあげていくことです。会社側では+20%だったけど、株主としては+5%にしかなっていない。逆に、会社では+5%しか生んでいないのに、株主にとっては+20%になるという状況があるとしたら、それはどのような場合でしょうか?

それは、投資家が株を買う価格が適正でない場合です。スタート時点が不当に低ければ、会社側では+5%しか生んでいなくても株価は+30%になることがありえます。そうなると、前述の5億円はそちらに流れ、一番利益を生む会社ではない会社に渡ることになってしまいます。

逆に実際は成長力を持っているのに、評価されず株価が低迷している会社には本来渡るべき5億円が行きません。このように資本が一番利益を生む場所に向かっていかなくなるという現象が起きるのです。

適正な株価とはなんでしょうか。それは、10%成長の会社なら、株価も10%成長するような株価です。高すぎず低すぎず、素直に会社の状況を反映した株価。多くの投資家がこの株価をもとに売買を判断していれば、個々に利益を求める投資家の動きが実際に世の中をよくしていく方向に向かうのです。

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これが、資本主義の一番大事なポイントです。投資家が利益を求めて投資を行うと、結果として世の中がよくなるのです。すごいと思いませんか?

コーポレートガバナンスをひとことで言うと

さて、配当などは会社の経営陣が決めることなので、投資家の意向に沿った行動をとらない場合もあるでしょう。とても投資しきれない額の資本を抱え込んだり、利益をほとんど生まない案件に無駄使いしたり。はたまたリスクの高い投資に手をだしたり。

このようなことへの対応として、取締役は株主総会で選任されることになっています。つまり株主は最終的には経営者を選ぶ権利をもっており、それによりマクロでの資本の有効活用が図られるようになっているのです。

経営者を選ぶ権利、それはコーポレートガバナンスの最大の要です。

セカンダリ取引とは

さて、上記の話では、B社から戻ってきた5億円をA社に「渡す」ことになりましたが、B社の配当が支払われてからA社の資金調達まで半年、1年と間が空いたとしましょう。その間、投資家は5億円をどうするのでしょう?

冒頭で触れたプライマリマーケットとは別に、資本市場にはセカンダリマーケットがあります。プライマリが企業と投資家の間でのお金のやりとりを指すのに対し、セカンダリというのは投資家同士でのお金のやりとりです。

証券の価値というものは投資家がそれぞれに計算し推測するものなので、人によって違いが出てきます。とある会社について、Xさんは株価が1,200円であるべきだと考え、Yさんは2,000円であるべきだと考えている。もし今の株価が1,600円だったら、Xさんは売りたいはずだしYさんは買いたいはず。そこで、XさんはYさんにその会社の株を売るわけです。

証券取引所で日々行われる取引はこのセカンダリがほとんどです。セカンダリ取引は見通しや許容リスクの違いが生む資本移動なので、世の中に商品やサービスを送り込む企業活動には直接影響を及ぼしません。

世界がよくなること、日本がよくなること

セカンダリで株の売買が活発に行われてもこれは所有者が変わっているだけで、その株を発行した企業には1円も資金は入ってきません。日々の取引はこのようなセカンダリ市場で行われており、株には常に価格が付いています。たまに、その価格を参考にして企業による増資が発表され、そこでプライマリの取引が発生するというわけです。

戻ってきた5億円で投資家がC社の株式を購入することにした場合、C社の株式を売却した別の投資家の手元にその5億円が渡ります。こうして5億円はセカンダリ取引を続ける限りぐるぐると投資家の間を巡るわけですが、ある時出てきたプライマリが外国の会社の増資だったらどうでしょう。

日本の会社から出てきた5億円は、外国の会社の新規事業に投下されることに。下手すればそれは日本の会社の競合相手かもしれません。グローバルな資本市場というのはこのように、世界全体での資本の効率活用に向かって動くようになってきていますから、国内だけでという話ではありません。

メンテナンスにかかるお金

さて冒頭、「追加で手にした20億円が当初の100億円と同じ20%の利益を産むなら翌年の利益は20+4=24億円」と書きました。現実の世の中では、生産設備はだんだん古くなっていくためメンテナンスにもお金がかかります。

20億円のうち5億円はメンテナンスに投じられ、実際に生産量を増やすために使われたのは15億円だという場合を考えてみましょう。この場合、翌年の利益は24億円というよりも、20+3=23億円に近くなりそうです。

同じくらい儲かる事業でも、メンテナンスにかかる投資が少ないほうが成長できるということが分かります。

大事なのは「限界」資本効率

なお資本効率という場合、純利益を自己資本で割ってROEと呼んだりすることがありますが、成長率に関わる部分は今年増えた差額のとこだけです。

初年度の100億円と、翌年儲けた20億のうちメンテ以外の15億つまり115億円が23億を生み出すとき、それは100億が生む20億と15億が生む3億にわけられます。前年20億との差は、追加投資された15億がいくら生むのか次第。

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だんだん利益率が落ちる事業だと、最初の100億と違って、つぎに投下する15億は10%すなわち1.5億円しか生まないようなことが発生します。このとき限界資本効率は10%ですが、オールインでは21.5億÷115億=18.7%。どちらがより意味ある数字かは明らかですよね。

自分がいなくなってもよい仕組み

メンテナンス投資というのは、機械部品にかかるお金ばかりではありません。優秀な人材がなにに時間を使うかも同じこと。

去年と同等の利益をあげるためには会社いち優秀な人材が去年と同じ仕事をしなければいけないとしましょう。その人の仕事は限界資本効率にまったく寄与することができません。

これに対し、業務の「仕組み化」に成功し、会社いち優秀な人材が次々と新分野の開拓に取り組めるとなった場合。こうなるとその人は、前述の5000万円をひきあげるため働くことが可能です。

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NiZiUのJYPが2018年に行ったプレゼン「自分がいなくなってもよい仕組みが機能し始めたとき、全てがまわり始めた」と言ったのはまさにこのことですね!

資本主義にももちろん問題はある

利潤を追求する投資家の動きがよりよい社会につながるというのが資本主義の世界観.。ただ、それにはいろいろと問題点もあることが分かっています。

市場が落ち込んだとき、株価がいつまでも低迷していては、成長資金は企業活動に入っていくことができません。世間が完全に委縮して、誰も投資を行わない。先陣を切って動く人が出てくるまでは打ち手がないという問題が起こりえます。

また、市場が暴れるような場合。本来の価格を大きく超えて、大変リスクの高い事業なのに、どんどんお金が集まっていく。最終的には多額の資本が無駄になり、景気サイクルの振幅が拡大、企業活動のリスクが増大します。

また、資本が資本を生むということは、労働者よりも資本家のほうが儲かるということです。ノーベル賞受賞者のジョセフ・スタイグリッツ、ベストセラーとなった「21世紀の資本」を書いたトマ・ピケティなど、貧富の差が生み出す社会負担については盛んに議論されています。

いまのように緊急の経済支援が必要なときも、各種政策が、株をはじめとする資産価格を押し上げることになる場合が多いです。一番困っている弱者より、それほど困っていない強者のほうがメリットを享受する、どうしてもそのような結果を生んでしまいます。

さらには地球環境には負担をかけるばかりの結果となることが多いです。よりよい社会とは商品やサービスが無尽蔵に出続けることではないはず。ですが、ピークアウトするまえに他者に売ることができるだろうという投資家心理は、短期志向を助長します。

どのような制度も万能ではありませんから、常に規制や運用ルールを見直していくことが必要です。そのとき大事なのは、できるだけ多くの人が基本原理を分かっていること。どうでしょう、基礎は小学生にも分かるのではないでしょうか。プロプロを通じて、是非ひろめていきたいと思います。


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