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関係舎の原案/「タナトスのガールフレンド」

(舞台写真:保坂萌)

イントロダクション

 女は高熱を出していた。
 男は風邪薬を買いに出かけた。
 死神が部屋にやって来た。
 男の死期は近づいていた。
 死神は男を迎えに来た。
 女しか部屋にはいなかった。
 死神は女に用はなかった。
 女は男の帰りを待っていた。
 死神も部屋で待つことにした。
 男はなかなか帰ってこなかった。

 なんにもならないのに出会ってしまった、ふたり。

キャスト

女(アヤメ):38度近い熱を出して自宅で寝込んでいる。同棲中の彼氏が薬局から帰るのを待っている。
死神(シキ):一般的に想像されるような格好(羽、ツノ、鎌など)はしておらず、見た目は人間と変わらない。体温は約4℃(冷蔵庫内と同程度)。

男:死神が迎えに来たはずの男。劇中には登場しない(詳細後述)。

内容についての規定

・舞台設定は室内。外の詳細な様子まではわからないが、外の天気はわかるような状態が望ましいです(カーテンが閉まっている、すりガラスの窓など)。
・アヤメの彼氏の生死は最後まで不明のままにしてください。電話や足音などはあってもよいが、容姿や声が特定できる形では登場しません。
・登場人物の名前は、アヤメ=殺める(故意かどうかに関わらず)、シキ=(自分自身の)死期、という意味でそれぞれ映像版のオチから逆算してつけているので、ラストの展開が変わる(シキが死なない)のであれば二人の名前は変更して構いません。
・そのほかの要素に関しては、イントロダクションと矛盾しない範囲であれば自由に改変して構いません。イントロダクション自体の表現を編集したい場合は都度ご相談ください。

上演時クレジットについて

必ず「原案:辻本直樹(関係舎)」を明記してください。

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