地球温暖化vs温暖化と寒冷化の繰り返し

私の記憶の限りでは、昔に「デイ・アフター・トゥモロー」という映画があり、私はその映画を通じて初めて地球雪玉説の存在を知った。そういった経緯から地球温暖化の言葉を目にすると、非常に長い単位でみれば地球は温暖化と寒冷化を繰り返しているのではないかとのぬぐい切れない疑問が生じている

また、IPCC第6次評価報告書にて「人間が(中略)温暖化させてきたことに疑う余地がない」との強い表現がされた背景には、人間以外の要因が温暖化の原因であるとの説が存在しているのではないかと想起させる

このようなもやもやを晴らすべく、『人類と気候の10万年史』(中川毅)を読了した。著者は現在、立命館大学古気候学研究センター長を務めている

著者によれば、以下の岩石・海底の泥・南極の氷に含まれる酸素等の同位体が示すところによれば、地球は数万年から数億年の単位で温暖化と寒冷化を繰り返しているとのこと

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なぜ温暖化と寒冷化が繰り返されているかについては、セルビアの地球物理学者であるミランコビッチは地球の公転と地軸が影響していると述べている

また著者によれば1970年時点では地球は逆に寒冷化するのではないかとの見方もあったといわれている

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昨今のように地球温暖化が進むのではないかとの見方は1980年以降の温度変化を踏まえたものである

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これらのデータや事柄からは例えば以下のような疑問が浮かび上がる
• 現在の温度上昇は数十年の現象であることから、100、1,000年単位でみれば誤差の範囲であり、温暖化は実際、起こっていないのではないか
• 短期的に温暖化が進んだとしても、中長期的には寒冷化が起こるのではないか。CO2排出にむけた取り組みは無駄ではないか
• 依然の寒冷化の原因・メカニズムを把握し、再度寒冷化が起こるような取組みを行えばよいのではないか

過去のIPCCで挙げられたホッケースティック説が後に撤回された過去をみるに、上記2つの疑問もIPCCでは検証されたとは考えている

細かく考えると二つの説、つまり地球温暖化は人為的なものという説、あるいは自然発生的なものという説は排反の関係ではなく、両立しうる。ただ今後10年単位の事業活動の在り方を検討していくにあたって、近年の温度上昇の原因が人為的なものであるかどうかがクリティカルになる

最後の疑問はジオエンジニアリング(地球温暖化を抑えるために、地球の自然なサイクルを変えることができるとするテクノロジー)の文脈の中で議論されているのかもしれない

気象学のプロではないためこれ以上の立ち入りは控えるが、いずれにせよ温度上昇が10年単位で起こっていることは間違いなく、その傾向が続いた場合はサプライチェーンリスクの増加や事業環境の変化といったビジネス上のリスクが生じることが予期される

このようなリスクに備えるためには、ESG経営を強化していくほかないのではないか

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