ESGのEとは何か

ESGのEが意味することは何なのだろうか。
巷で溢れるESGの本を眺めると、EはあたかもCO2やカーボルニュートラルに限定した印象を受けるが、果たして正しいのだろうか


ESGと類似するSDGsの背景には、プラネタリー・バウンダリーという考え方(参考URL)がある。この考え方によれば、持続的な地球システムを構成するものは以下の9つの軸となる
1. 気候変動
2. 新規化学物質
3. 成層圏オゾンの破壊
4. 大気エアロゾルの負荷(M2.5や黄砂などの大気浮遊粒子状物質)
5. 海洋酸性化
6. 生物地球科学的循環
(炭素や水、リン、窒素などの物質が、地球の生物圏、大気圏、水圏、岩石圏などを経由して移動することで、再利用されること)
7. 淡水利用
8. 土地利用変化
9. 生物圏の一体性(生態系と生物多様性)

各々の軸において、緑色に位置するものは安全、すなわち持続的である一方、黄色に位置するものはリスク増大、赤色に位置するものは高リスクとなっている

画像1


ESGの文脈の中でよく語られるCO2やカーボンニュートラルは1の気候変動や3の成層圏オゾンの破壊等に、レアメタルやレアアース等の希少資源の浪費は6の生物地球科学的循環に関係する

9つの軸は、多くの事業活動に対して、事業環境の悪化や規制強化等を通じて、影響を与えることから、ESGのEはこれらの9つの軸で構成されるプラネタリーバウンダリーと表現できるかもしれない

また、ファンドや金融機関が重視するESGは、環境保護(プラネタリーバウンダリーの考慮)の手段であることに加えて、持続的な事業活動を追求するVehicleであることを踏まえると、ESGのEに関する理想的なあり方はプラネタリーバウンダリーの考慮及び地球資源の持続的な活用となるのではないか




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