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放送大学で文学の勉強をしてみる

1.文学を勉強する?

小説や詩や短歌や俳句を読むのに、理論なんていらない。文学史なんて関係ないとは思っていませんか?とにかく楽しめれば良い❗️
それはそうです❣️

ただ知っておくと、より楽しく読める、または興味深く読めるというのが、文学の授業です。

作家の池澤夏樹さんは、「創作は常に先行するあまたの作品の上に成立するものであり、実はその依存の度は我々がふだん考えているよりずっと大きい。敢えて言えばすべての創作は本歌取りであって、このシステムの全体を伝統と呼ぶのだ。創作において個人の才能の寄与はまことに限定的である。独創的とか個性的とか、そんなものは表面の意匠にすぎない」(佐藤=ロスベアグ・ナナ編『翻訳と文学』、みすず書房、2021年3月より)と言っています。文学として勉強してみるとより広い世界が広がっているものです。

2.放送大学って?

放送大学は、大学卒業資格を取るためだけの大学ではありません。一般の人の教養を拡げる役割もあります。生涯教育とはよく言われていますが、老若男女を問わない専門教育機関です。放送大学は、放送授業、面接授業、オンライン授業からなっています。放送授業は、BS放送で流れているので、学生にならなくても視聴が可能です。その放送授業の主任講師は、放送大学の専任教員だけではなく、他大学(国公私立を問わず)の教授・准教授や独立行政法人の総括研究員なども担当しています。放送授業には、テキストがあります。これは大きな本屋さんやオンラインショップで入手出来ます。放送とは違った面から書かれていることもあります。また膨大な参考文献表もついているので、自分の興味に従っていくらでも深掘りしていけます。

3.放送大学の文学系教員

放送大学の放送授業は、基盤科目、導入科目、専門科目、総合科目と分かれていますが、制度上のもので、一般視聴者にとっては大きな違いはありません。総合科目は、分野横断的な科目で毛色は異なります。

放送大学で文学関係の専任教員は、フランス文学の野崎歓教授と日本文学の島内裕子教授が二枚看板です。野崎歓教授の関心分野は幅広く、フランス文学に留まらず世界文学、翻訳学、映画、外国文学から大きな影響を受けた日本の近代文学者研究もされています。島内裕子教授は、専門が『徒然草』ですが、随筆文学に強い関心を抱かれ、また絵画にもお詳しいです。勿論日本文学全体にお詳しいのはいうまでもありません。

このお二人の他に、宮本陽一郎教授(現代アメリカ文学、カルチュラル・スタディーズ、英語教育)、宮本徹准教授(中国語教育、語学教育の一環としての中国文学、中国古代音韻学)がいらっしゃいます。また哲学者の魚住孝至特任教授も日本文化の紹介の一環として日本文学に触れています。

4.放送大学の文学系科目

放送大学には、多くの文学系科目があります。20年以上前は、もっともっと豊かな科目群でした。これはもう遺産級の価値を持っているとも言えるでしょう。これらの遺産には、学生にならなければ容易にはふれられません。

以下2023年1学期時点での科目を列記します。主任講師が1人の科目もあれば複数の科目もあります。

島内裕子 日本文学における古典と近代(18)
渡部泰明 日本文学と和歌(21)
野崎歓・阿部公彦 世界文学への招待(22)
宮本徹・松江崇 漢文の読み方(19)
魚住孝至 文学・芸術・武道にみる日本文化(19)
島内裕子 樋口一葉の世界(23)
島内裕子 『方丈記』と『徒然草』(18)
丹治愛・山田広昭 文学批評への招待(18)
村松真理子・横山安由美 世界文学の古典を読む(20)
沼野光義・野崎歓 ヨーロッパ文学の読み方ー近代篇(19)

以上10科目です。

これだけ勉強したら鬼に金棒です。

読書家への殿堂入りです。

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