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[82.0mm]ギネス級のミヤマクワガタ


標本DATA

【種類】  ミヤマクワガタ(ギネス級)、飼育個体(WF2)

【英表記】 Guinness Lucanus maculifemoratus

【サイズ】 右アゴ80.1㎜、左アゴ82.0㎜

【羽化日】 2022年12月(2年1化)

【採集場所】宮崎県小林市須木(種親採集)


クワガタ好きは、ご存じの方も多いのですが、今まで採集されたミヤマクワガタで、標本として残っている一番大きなミヤマクワガタの体長は78.6ミリです。物差しではなく、工業用ノギスできっちりと計測されたもので、大アゴ(ハサミ)の先端からお尻の先端までの長さになります。

野外で8センチ越えのミヤマが採集された!という噂は聞きますが、未だ私は見たことがありません。

現在は、愛好家の皆さんが、栄養(食べ物)、温度管理、良い遺伝子など成長に最適な条件を用意して、大型個体を作出するために日々、努力されています。

そんな愛好家の方が作出したミヤマクワガタです。

この個体の限界の大きさ!?になっているため、羽化が正常に進まなかったのか?他にも理由があるのだと思いますが、体や足に歪みが見られ、大あごも左右非対称となっています。

羽化不全と呼ばれるミヤマクワガタです。

しかし、あまりに格好良いので、自身の作成技術を目一杯駆使して標本に仕上げてみました。歪みなどを無理矢理に矯正しました。

良いでしょ!このミヤマ!

右の短い方の大あごで計測しても8センチを少し超えています。

左の長い方だと、82ミリに広げたノギスがカチッと当たります。

この頭冠の発達具合、横幅、ミヤマクワガタのキングとしての風格が感じられます。

小学生の頃、私が捕まえた6センチくらいのミヤマを見ながら…

「これはまだまだ小さいな!オッちゃんはな、この倍くらいの大きさのミヤマを何度も捕まえたことがあるぞ。」

そう熱く語っていたオジさまのミヤマクワガタは、おそらく、こんなサイズだったのだろうか?

「オッちゃんの秘密場所(採集ポイント)に連れてってやるわ!」と得意気に言ってくれたことを、よく憶えています。

巨大ミヤマが住む山は、どんな風景(林)が広がっていたのだろう?行ってみたかった。

【執筆者:川原 洋】


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