見出し画像

【思考編-第18回】クルマの自動運転は本当に出来るのか…?単なる走行の制御レベルだけで決めてるつもり...?〖その2(後編)〗

目的に応じた本質の捉え方と、その使い方フリートーク講座。
今回は “クルマの自動運転は本当にできるのか…? 単なる走行制御のレベルだけで決めているつもり…?” 〖
その2(後編)〗です。

既に国土交通省からは「自動運転の定義及び政府目標」や「自動運行装置の保安基準等の概要」が出され、更にメディアでは「ハンドルから手を放してパソコンやスマホが出来る」とか「将来は免許証も不要になるのか?」などの様々な記事が流れています。
しかし、国土交通省の決定内容などを観ると、昨今のコロナ禍対応同様に「現在こんなもの(手段)があって、将来はこの程度までできるかもしれない」という程度で、車の走行制御システムのレベルと関連設備だけを論議決定されているように思えます。
このような状況で伝わる情報により、皆さんの中には「自動運転は、クルマの走行関係についての制御機能の開発➪AIやGPSを使った走行制御システムの世界で出来る」と思ってしまっている人もいるのではないでしょうか…? 

18_思考WT編_image07_Photo _trim

しかし実際には・・・
・自動運転出来る走行条件(特定状況下)の設定と、それが外れた時、即刻人間が運転を代わるべき事態(突然の豪雨時等)に於ける、人間の対応能力と自動運転の引継ぎの連携。 
[特にスマホなど運転以外の事をしている時や、老人や未熟者の対応能力等]
・車両ごとに違う自動運転の走行性能や対応機能、そして特定状況下の設定違い。更には「レベル2」「レベル3」「レベル4」等の混在などがあるにも拘わらず「自動運転」という言葉で「自動だから全てが同じ」と誤解して思い込むユーザーの心理。
[特にカーシェア&レンタカー、共用使用車の普及と運転者の知識と能力]

これらは、単なるクルマの機能についての論議だけではなく、人や環境、社会通念などを含めた、クルマという商品に対して新しい規格や規定等の統一化やそれに併せた法律の整備が必要。
更には運転者への知識や意識の啓蒙活動など関連した多くの事への対応が必要であり、それは現在 国土交通省とメーカーが進めている「単なる商品機能と自動運転の制御規定」などの粋だけではなく、もっと広い範囲で関連するものを含めた再整備が必須なことである。

更に「レベル5」完全自動化を実現する場合は、走行性能と制御能力や使用方法、そして特定条件等の規定についてより強い規格の統一が必要になる。
自動化で完全制御するシステムは航空機などにもみられるように、超高額な装備価格となる為、限られた販価のクルマで実現しようとすると「規格化され装備や仕様が統一化されたクルマ」を造らざるを得なくなる。
また商品ごとの性能や機能差を減らす為、「法規で規格化された同じような車しか買えない」という状況になり、現在のような「自由にクルマを選んで買える」から、選択自由度の制限や販売形態そのものが変わる事も予想される。
これらは全て、自動運転の「目的と役割、そして達成レベルと製品機能や保証」、「実際に実現しようとするとどんな検討や具現化が必要か?」等が曖昧なまま「自動運転という夢の言葉と単純な走行制御の方法論だけが勝手に走っている」為に隠されてしまっている大事な部分です。

しかし残念ながら、現在このような論議はメディアからもメーカーからも国交省からも全く流れてこない。本当に誰が真剣に考えているのだろうか...?

今回は〖その2(後編)〗と題して、”実現する為のアプローチの仕方と実際の対応”を皆さんに訓えます。
未だ社会状況が不完全な対応課題ですので、一緒に考えてみて下さい。

ここから先は

119字

¥ 1,500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?