<定期購読マガジン特典>【対談編-12回】鈴木利男さんとの裏話対談…「台湾 HAITECでの開発と、その文化の違いに戸惑う日々」
台湾は日本のすぐ隣り…その台湾に、唯一 プラットフォームからエンジンまで独自に開発し、台湾と中国で販売している自動車会社がある事を皆さんご存知ですか…?
裕隆グループが販売するブランド "LUXGEN"。その車両開発を担当している会社が『HAITEC』です。
(裕隆グループは、台湾で主に日産と三菱の現地生産と販売をしています。)
2014年~19年までの5年間、私は日本と台湾を兼任してLUXGENブランド車の開発を担っていました。開発ドライバーは、R35GT-Rも一緒にやった鈴木利男さんと田中哲也さん、そしてHAITEC実験部ドライバーの合同チームで実施しました。
設計は台北近郊の裕隆グループ本社ビルで行い、実験は台中近郊のテストコースで信頼耐久性や認証を含めた一般項目をテストし、併せて日本のオートポリスサーキットを使って性能開発や信頼性開発を行いました。
オートポリスサーキットでは台湾と日本のジャーナリストを招いて、LUXGENブランド のSUVである『U6』のビッグマイナーの発表試乗会を実施しました。走行性能の向上を理解してもらうため、BMWやAUDIと乗り比べてダイレクトな比較評価も行いました。
何故いきなり…「台湾のクルマが日本車を飛び越え、欧州のトップブランドと乗り比べ ?」と疑問を持つかと思いますが、実は ・・・
『U6』ビッグマイナーの「エンジン性能開発は東名エンジン、ショックアブソーバーはビルシュタイン、タイヤはブリヂストン専用開発、ホイールはRAYS鍛造」のスペシャル仕様。更に、テストドライバーは鈴木利男&田中哲也+開発責任者が私」という組み合わせでは、相手は当然世界です。
厳しい走行条件のオートポリスサーキットをプロのドライバーが全開走行で何ラップしても、ブレーキも耐熱もタイヤ摩耗も問題なし! しかもこのクルマの販価は日本円で約350万円以下!!!!
発表試乗会に参加した日本のジャーナリストからは「今の日本に無いワクワクするクルマ!」「日本でもぜひ販売して欲しい!」などの評価をもらっていました。
私が開発責任者として提案した、次世代用の新型統合プラットフォームでは、開発競合車ポルシェを上回る目標はほぼ達成していましたが…企業側の経営企画変更や私の就業期間などにより残念ながら中断してしまいました。
今回は、このような開発の中での色々なエピソードや台湾と日本や欧米との開発に対しての文化の違い、更には食べ物の話題まで色々な真実の裏話をしました。
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