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SHOWROOMで配信者を1年やって思う。

○配信もやるリスナー・海神蒼月

配信素人のただのリスナーのおっさんが、代理ちゃんというネット上の着ぐるみを被って、SHOWROOMというプラットフォームで配信を始めたのが2021年5月1日。
おかげさまで「ぶるすて -BLUEMOON STATION-」も1周年を突破した。
更にありがたいことに最近は定時枠のみならずゲリラ枠でさえコンスタントに人も見に来てくれるし、ちゃんと配信者でいられるようになった。
誰も見に来ない配信は、もはや虚空に語る独り言。
ましてやSHOWROOMはアーカイブが残らないので人が来なければその配信枠は無かったのと同義だ。

とはいえ、正直言ってうちの枠は他の自分がよく見に行く配信者と比べたら全然に弱い。
通常定時枠・アドリブ雑談2時間配信では累計訪問者数で100名いくか行かないか。
ちなみにSHOWROOMはYouTubeと違い、瞬間の同時視聴者数ではなくて一度でも自分のルームに足を運んでくれた人の数をカウントする方式。
とはいえ、自分がYouTubeで配信をやって時なんかは同接0なんて当たり前だったのだから、これはもはや快挙と言ってもいいだろう。
リスナーがノルマを達成すると課金でしか手に入らないはずの通称「虹星」が付与されるイベントに参加すると軒並み大勢のリスナーさんが寄ってくれるようになった。
自分は果報者だと思う。

2022/05/18 1回の配信での累計訪問者1000名突破記念ツイート画像
2022/07/21 自枠5時間ゲーム配信時のお礼ツイート画像

配信を始める前からSHOWROOMにはリスナーとしていろんなルームにお邪魔していた。
自分はリアタイ配信とあらばコメントをしたくなる人なので配信者さん側も自分のことを覚えてくれていたようだ。
それは共に配信を楽しむ客席側にも言えたようで、「どこかのルームでお見かけした方」が配信に顔出してくれることも多くなった。
なにより、初見ばかりでなく何度も配信に足を運んでくれる方、名前を覚えている方の数が時と共に多くなったのを実感したときは、自分がこのルームで配信をやってもいいんだという居場所を確保した気がしてとても嬉しかった。

まぁ、1年経ったところで自分の根っこはやはりリスナーだ。
配信や配信主を見る視点はやはりリスナーのそれだ。
ただ、他の専門リスナーの方と違うのは自分も配信をやっているから配信者の視点も持ち合わせているという点。
自分は舞台の上で演じる側も、舞台の下でパフォーマンスを繰り広げる配信者もを見上げる観客側も両方の事情、視点、考え方がわかる。
何せどちらも現役だから。

配信では何度も言っているこの話を改めて文字に起こしたくなった。
いかに自分のようななんの取り柄もないおっさんが、例え累計とは言え1回の配信で1000人以上の訪問者を獲得する配信があり、フォロワー数も120名を獲得するに至ったかを。

○底辺の自覚

今はバーチャルライバーになる敷居が低い。
だから自分もバーチャルの身体を着ぐるみに着て配信をする。

配信画面の原版。今はアバターの通称「代理ちゃん」が動く

何せ実写で小汚い(w)おっさんを写すより見栄えのいい女の子を写した方が画面映えする。
ただ、自分はVライバーを標榜しない。
理由は大きく2つある。

1.代理ちゃんはあくまでも着ぐるみで、中には海神蒼月というおっさんが居るから
2.配信はあくまで趣味で、配信者として身を立て(売れ)ようと思わないアマチュアだから

まずは自分の実力や立場をきちんと把握することから始めた。
まあ実力は言うに及ばず、それまでただのリスナーだったヤツが急に配信したところでトークが上手い訳でも番組進行が上手い訳でもないし、人に誇れるパフォーマンススキルなど持ち合わせちゃいない。
だから自分が配信やるに当たって、まずは自分でハードルを上げるのを止めることにした。

自分は数居るSHOWROOMの配信者の中でも底辺である。
だからして、そんな配信者が主のルームは場末に決まっている。


これをまずは言い聞かせた。
これはある意味、自分の心を折らないための自衛の呪文でもあった。
底辺の自分の場末のルームに人が集まらないのは当たり前だし、人気が集まらないのは当たり前である。
これがとてもすんなり受け入れられたからだ。
そもそもにしてハードルなんてものを自分の前に設置しなかった。

誰も来なくても、それは知名度も人気も無い自分の配信では至極当然なことだから気に病む必要なんか無い。
自分のトークは大したことないんだから、リスナーの反応がなくてもあたり前だ。
そんなルームの配信に、トークに付き合ってくれる人達はなんていい人達なんだろうか。

と、こういう思考ルーチンになる訳だ。
この考え方が根底にあるとちょっとやそっとで心折れたりしない。
1人2人と人が集まるだけでもうウキウキしてくる。
無料ギフトが飛ぶ度、例え定型文でもコメント欄が動く度、50カウント(*注)してもらう度に「ありがたい」と本気で思えるのだ。
何せ期待値が0だから、あとのリスナーさん達の好意はすべてプラスの累積にしかならない。
これがなんとも精神衛生によい。
他の配信者さん達も勿論そう言う厚意には感謝してるだろうが、来たからにはカウントして無料ギフト投げて…というのがデフォルト仕様になってしまうのでやはりこころのどこかで当たり前のように期待しがちだろう。

(*注)SHOWROOMでは50ptまでコメントは配信者のパフォーマンスポイントになるので1~50のコメントを打って配信者を応援する文化がある。
ちなみに半角で1~50までの数字を打ってカウントしてもチャットコメントには表示されない仕様になっているので話の腰を折らずに心置きなくカウントでの応援が出来る。

さて。
自分はそうして「自分なんかのために」好意を寄せてくれるリスナーさん達に囲まれて配信をさせてもらっている。
だから胸を張って「自分は幸せな配信者だ」と公言できる。
ところがTwitterのTL、特にまだ駆け出しで売れないVライバー達は「人が来ない」「コメントがない」と嘆く。
何故そんな感覚になるんだろうか。
考察したい。

Twitterに流れた新人Vのツイートの例

○理想と妄想、そして現実

画像のコメントはあくまで一例として引用させてもらう。
このツイをした人をやり玉に挙げて非難する、と言った話ではないことをまずは前提にして欲しい。
なお、このツイートは新人Vtuberを名乗るアカウントのコメントである、という点をまずしっかり抑えておいて欲しい。

さて、このコメントを見てどう思うだろうか。
1・人がいないところは入りにくい
2・コメントがないところは入りにくい
3・特定のリスナーのコメントばかりのところは入りにくい

と、このコメ主は主張している。
この3つの項目に関してちょっと配信者・海神蒼月とリスナー・海神蒼月の意見を述べさせてもらおう。

☆1.「人がいないところは入りにくい」について

これのこの人なりの根拠を考えると「周りに人がいないと盛り上がらなくてつまらない」から、もしくはつまらなく見えるから入ってこないと自分は思ってしまう。
リスナーだって使える時間は有限だし、興味の湧かないものに付き合う義理もない訳だからその配信に元々人が居ようと居まいと「面白そうと思えないから」来ないんじゃないのか?と思う。
このコメ主はさも「周り人がいないことそのものが直接原因で入ろうとしたリスナーが遠慮している」と言うニュアンスを醸し出しているが、何のことはない、その配信の広報宣伝やサムネに魅力を感じないから来ないだけだ。
それに世の中ゴマンとライバーはいる訳で今や単推しリスナーなんて希少価値だろう。

一体このコメ主はどれだけ自分が配信をやっていることを、自分のことを拡散して世に知らしめて認知してもらっているというのか。
そもそも「貴方がいる」と言うことを知らない人が大部分で、存在を識る極々一握りのリスナーの更に極一部が配信に来ていると言うだけに過ぎない
それをさも「自分は知名度があってファンも多いハズなのに皆が配信に来るのを遠慮している」とでも言いたげだな、と感じてしまう。
事実自分はこの配信者のことをまったく識らなかった。
知ってる方がレアなんだろう?多分。
だとしたら配信に来るリスナーの数が少ないのは至極当たり前だ。
自分の知名度の低さをリスナーの所為にするんじゃない

☆2.「コメントがないところは入りにくい」について

申し訳ないけど、これはすっぱり否定できる
何故かというと、配信者・海神蒼月の実体験があるからだ。
はっきり言ってうちの配信ルームはコメントがとても動きにくい。
ところがそれでも人はちゃんと集まってくるし、なんなら累計訪問者数1000人超えの時だってコメント数のほとんどが50カウントと定型文のスポットばかりでコメントは全然流れていなかったからだ。
だからコメントが流れていないことと配信に入りにくいことに因果関係なんてない
コメントが流れないのは配信主のパフォーマンスに反応できない、もしくは反応する気が起きないからだ。
至極単純な話だ。

なお、うちのルームの配信の場合はコメントが流れない理由がとてもはっきりしている。
理由は大きく分けて2つ。

1.「コメントしたくなければしなくても良い」と明言しているから
2.自分のトークはリスナーとの双方向トークではなく、地上波ラジオのように自分からリスナーへの片方向のトークであるから反応する理由がない

この2つは海神蒼月の配信ルーム「ぶるすて」に関しては許容されていることであるので、逆に「コメントしないで聞いてられる」(言い換えればコメントすることを強制されない)のが気楽だと集まる人もいる。
だから、「チャットコメントが動いていない」≠「配信に来づらい」では断じて、ない
これも1.と同じように配信の妄想、おごりの考えが生んだ論理だ。
リスナーがコメントできない程度のトークスキルを人の所為にするんじゃない

☆3.「特定のリスナーのコメントばかりのところは入りにくい」について

これは2.とも絡む話だ。
そもそも配信の性格的にコメントしにくい配信で、それでも果敢にコメントする人が現れて、その人しかコメントしないから連投になってるだけだ。
考え方が逆だ
リスナーの大多数がコメントしない状況を配信者自ら作っておいて、それでもコメントしてる人を悪者に仕立てるとかどういう神経してるんだろうな。
結局リスナーを悪者にしておいて「それでも私は許します」的な善人ぶる考え方が好きになれない

自分の配信でも、そもそも「無理にコメントしなくていい」と言っている訳でその中でも「コメントしたい人がコメントしている」だけなのだから連投になろうがなんだろうが自分は気にしない。
それだけ自分の話をちゃんと聴いてくれる人だという証明だし、そういう人は大事にした方がいい。
コメントしたくなった人が急に脈略のないことを突発的に投げようと気にしない。なんならコメントくれたことがありがたいじゃないか。
あとは配信者である自分の力量でそのコメントすら話のネタにすればいい。
どうして自分の力量不足をそんなに平気でリスナーのせいにできるのかが自分にはわからない。

☆こんなケースも。

とある、結構人気がありファンも多い、SHOWROOMをメインに活動する女性V配信者に来たマシュマロに、

「自分は配信を毎日やってSHOWROOMイベントも出てるのに星も投げてもらえない、カウントももらえない、昨日だってしんどいけど無理矢理配信やったけどまったく伸びない。どうやったらあなたのように伸びますか?」

という内容、呆れるようなマシュマロが来てたことがあったようで、きっともらった方も半分呆れただろうに、その方は真面目な方だからきちんと回答してた。

さてと。
自分はそういう人には容赦が無いからここでちゃんと断じておこうか。
単純にそのマロ主の配信に魅力が無いのが原因だ。
それは配信の内容なのか、配信主そのものの魅力なのかわからないが、その良さがまったく出てないからだろう。
それともう1つは「配信やればファンは勝手にわさわさと集って来てイベント出てれば無条件に応援してもらえるという妄想」に囚われてるからだ。
これはリス活もロクにしたことのない配信者によくある妄想だ。
少なくとも駆け出しの配信者のリアルに付き合ったことない、完成された配信者しか見たことのない消費者の妄想の結果でしかない。
本当にデビューしたての、まだファンが両手で数えられる程度しか付いていない配信者を見たことがないんだろうな。
まぁ、某大手の事務所のライバーは1度も配信したことなくてもch登録者数が数千人、1万人行くし、感覚が麻痺するのは分かるけど、自分が配信者になってまでその勘違いを抱えたままでいるのはあまりにも現実が見えてなさ過ぎると思う。
そもそもにして自分で試行錯誤もせずに人に聴いて正解を教えてもらったところでその通りに実行なんて出来ないだろうに。
残念だけど大なり小なりその誤解を抱えてるV初心者はいるように思う。

はっきり言ってそんな都合の良い物があればこの世のV界隈は成功者で溢れる訳だし、もしそうなってしまえばそんな甘い考えでやってるヤツなんかすぐ成功者の濁流に呑まれて終わりだろうし、TwitterのTLを行き過ぎる「活動終了のお知らせ」が減らない理由だろう。
配信活動というのは「始めるのは簡単」だが「他人に評価してもらえるかどうかは別問題」という至極当たり前のことを忘れがちなんだろうか。
もっと言えばYouTubeというプラットフォームは拡散力が皆無だ。
知名度はYouTubeだけではまったく上がらないのが現状だ。
ファンを増やしたいならそれ相応の行動が必要だ。
ただ1つ警告するなら、自分に付いたファンは上手くやらないとプラットフォームを越えては来てくれないと言うこと。
だって面倒くさいもん、移動するの。
それにプラットフォームごとのしきたりの違いに順応するのも面倒くさいし。
それ超越するほどの魅力を身につけた人がプラットフォーム移行に成功する気がする。

○素人なりに、底辺なりに。

そして、そんな自分は
身の程を弁え、ささやかな幸せに感謝しながら
休み休みやってきた1年2ヶ月
仕事の合間に積み重ねた配信の日々。
楽しんで疲れたリスナー達がなんとなくふらりと寄ってなんとなく居て過ごす止まり木のような配信を。
おかげさまで自分のルームは、リスナーさんに恵まれています。
だからこちらも安心して楽しく配信できています。
気がつけば多くの人が集まってくれるルームになりました。
確かに相変わらず底辺配信者だけど、きっと多くの人に気がついてもらえた結果だと思う。
細く長く楽しくをモットーに2年、3年と続けていけたらと思う今日この頃。

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