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ヒロヒロインタビュー!他校との合同PBL、プレゼン大会で輝くチームの作り方とは!?

プロジェクトN(N/S高)

はじめに

今年9月から約2ヶ月にわたって行われた森永製菓とのPBL。
N高/S高としては初となる、他の高校との合同で行われました。
参加校全てで全56チームが参加した中で見事、最優秀賞に輝いたチームに、その受賞の秘訣を聞いてきました!

その秘訣はどこにあるのか? チーム仲が良かったことが秘訣なのか!?
このインタビューで徹底追究していきます!

森永製菓とのPBL、その内容とは?

「中・高校生が社会に出て活躍するための知識やスキルを身につける課題解決型のプロジェクト学習」というプロジェクトNのコンセプトそのままに、全5つの高校が参加したプロジェクト。
社会課題を解決する、これからの時代にマッチしたお菓子の商品アイディア
を考え、5つの高校の代表チームがプレゼンをしあいました。

授業概要
■参加校
岐阜県立郡上北高校・岐阜県立郡上高校・札幌慈恵学園札幌新陽高校・N高・S高
■参加人数
241名/56チーム
■実施期間
2021年9月8日〜11月2日(全9回)
■協力企業
森永製菓株式会社
■授業内容
お菓子の新商品企画を通じて、マーケティングの基礎知識を学び、その学びを自分自身の成長につなげて考える

授業スライドの一部
森永製菓社員や参加校の先生

社会課題を解決するアイディアというだけでも、なかなか発想するのが難しいのに、それをお菓子という形を通じて企画するのもさらに困難なテーマでした。
生徒たちは、どうその困難なテーマに立ち向かったのでしょうか?

他高の生徒たちも、PBL強者だった!

多くのチームが参加する中で見事、最優秀賞を勝ち取ったのは、N高のネットコース生と通学コース生の混合チーム。
プロジェクトNはN高/S高でやっているんだから当たり前じゃない? そんな声も聞こえてきそうですが、そんな簡単なものではありませんでした。

優秀賞はなんと同率2位が2チームで、どちらも郡上北高校のチーム。N高/S高で行っているプロジェクトNでしたが、やはり、他高でもPBLの経験を豊富に積んでおり、どの高校のどのチームも、粒揃いの生徒たちでした。

同率2位を受賞した郡上北高校の2チームの生徒たち

N高のチームが最優秀賞を受賞しましたが、審査の蓋を開ければ、ほとんど誤差といえる小さな差で、どの高校が最優秀賞となってもおかしくないぐらい、ハイレベルな内容のプレゼン大会でした。

最優秀賞受賞チームにその秘訣を聞いてみた!

いよいよ、最優秀賞受賞チームに、その秘訣を聞いていきたいと思います。

チームメンバー

チーム19
池田さん/3年生/ネットコース(元通学コース 大宮キャンパス)
雨森さん/3年生/通学コース 大宮キャンパス
曉谷さん/3年生/ネットコース(元通学コース 大宮キャンパス)
若宮さん/2年生/通学コース 大宮キャンパス
(以下、敬称略)

絶対に最優秀賞を獲る!で集められたメンバー

ーまずは最優秀賞を受賞した感想を率直にお聞かせください

池田:まず、率直にうれしいなと思っています。この4人でプロNをやりたかったんです。私自身が、このプロジェクトでの受賞を目指していて、絶対に最優秀賞を取れるメンバーだと思って、この3人を集めました。それで目標となる最優秀賞獲得が実現できたので嬉しかったです。

池田さん:起業した会社を成長させたい

曉谷:まず、受賞したこと、非常に嬉しく思っています。ありがとうございます。
プロジェクト参加しようと思った時は、受験生だったので、参加するのにすごく悩んだんですけど、池田さんが「絶対に勝つチームにする」と誘ってくれて「そういう事なら参加しよう、全力を尽くしてがんばろう」と参加を決めたんですけど、その思いが有言実行できました。

若宮:池田さんの誘い文句にもあるように、最優秀賞を目標にしてやってチームなんですけど、いざ最優秀賞を受賞してみると、よく受賞できたなと。(一同、笑い)
ここでの経験を生かして、これから自分でもどんどん外部での活動を増やしていけたらいいなと思います。

雨森:本当に素直に嬉しくて、受賞した時、「やったー」って声が本当に出ちゃって。この3年間、プロNでなかなかいい成績か残せなかったので、こういう賞をいただいたことほんとに嬉しく思いますし、3人にも感謝したい気持ちでいっぱいです。

ー本当にすばらしいプレゼンでした。みなさんの企画が素晴らしかったので、受賞たりうる受賞かなと思います。

ー池田さんの誘いとのことでしたが、参加の決め手に思ったのは何だったのでしょうか?

雨森:曉谷さんが先ほど話したことと重なる部分があるのですが、このプロジェクトが案内されたときに、参加したいなとは思っていました。ただ、私も受験生だったということもあって、一人で参加となると、他のキャンパスでこれまでに関わったことがない人とのコミュニケーションを取ったり、人間関係をイチから築くのがキツそうだと思って、参加を躊躇していました。

そんな中で池田くんに誘ってもらえたので、「参加しようかな」という気持ちに変わりました。

雨森さん:将来は国際協力関係の仕事に就きたい

若宮:個人的には曉谷さんとプロNしたいなって思っていたんです。
(曉谷:嬉しい!)
過去のプロNなどを通じて場数をすごく踏んできた人たちで固められたチームで、どれだけ、プロジェクトとしての完成度を高められるのか、実力を出していけるのかと気になったので、参加してみようと思いました。

ー今回は特に、どのチームの生徒も、このプロジェクトをやりたいと思ってやってきた生徒たちばかりだったから、とてもいい研鑽の場になったんじゃないかなと思います。


全員集まる必要なし!? 強力なリーダーシップ

ープロジェクトの進め方はどのようにされたのでしょうか?

池田:たぶん、全員が集まってミーティングしたのは、1回ぐらいしかしていなかったですね。1回集まって、30分ほど話した以外は、自分とメンバー個人のチャンネル(註:N/S高生はSlackというコミュニケーションツールを活用しています)を作って、そこで個人対個人で作業を進めていきました。

自由な時間に作業できるのって楽だなと、特にこの4人の中でプロジェクトを通じて感じたことでした。そのチャンネルでのやり取りだけで進められて。
まぁ、ミーティングすっぽかすやつもいたりしたんですけど。笑

もちろん、過去のプロNなどで、プロジェクトを進める数をこなしていたからこそ、うまくできたという部分もあるんですけど、やはり、慣れ親しんだメンバーとのプロジェクトはやりやすいなと感じました。

ーなるほど、池田さんがリーダーシップを取って、各メンバーとアクセスしながら、指示なりとかミーティングなりを行って形作ってきたんですね。

ー企画の話も出てきましたが、どのような経緯であの企画が誕生したのでしょうか。

チーム19の企画

■企画概要
商品名「FONDE」
最後まで飴を舐めきれず、最大限楽しめていない人が多く、その原因がストレスにあることに着目。解決策として、1分用・3分用・5分用と、舐める時間をデザインし、好きなタイミング・好きな時間で楽しめる飴を企画。

池田:まず企画のタネになる部分を何にすればよいか、とても悩みました。そこだけでプロジェクトの半分を費やしたぐらいです。

企画を作っては、これはダメだ、あれダメだ、って。
FONDEのアイディアのタネが出てきたのも、本当に、パッと思い付きで言った「すぐ舐められる飴って、面白いんじゃない?」というところからでした。
そこからアイディアが派生していって、肉付けしていった感じで進んでいきました。

それぞれが果たした個のチカラ

ーその企画を作るにあたって、メンバーそれぞれがどのような役割を果たしていったのでしょうか。

池田:私は、主にプロジェクトマネジメントと、コンセプトメイキングをしていました。
企画に一貫性があるか、気持ちよさがあるかを考えたり、キャッチコピーをつけたり。プロダクト(商品)としてどういうものがターゲットに意味のあるものとして認識されるかを考えたり、プロモーション方法などいろんな要素のユーモアを入れこめるか、どういう販売できるのかということを考えたり。
裏テーマとして「エロシズム」があったんですが、それが「行き過ぎ」と言われたこともありました。笑

ーエロシズムが大事なんですね。笑

雨森:池田さんと企画の0→1を作ったり、アイディアを膨らますことを考えていました。

曉谷:パッケージデザインだったり、Twitter企画のデザインだったり、大部分のデザインを担当していました。

曉谷さん:将来はN高の美術教員に就きたい

若宮:お菓子ケースなどの3Dモデリングなどのデザインを担当しました。CAD(*3Dモデリングツール)を使えるので、そのスキルを発揮できました。

ーみなさん、それぞれが重要な役割を果たしたようですね。

ー今回のプロジェクト通してやってみて最も大変だったなって思うところはどんなところですか?

雨森:企画のタネを作るところですね。企画のタネができてからは、結構サクサク、、サクサクと進んではいないか。笑 そこから軸を固めることもなかなか時間かかりましたね。

今回、飴に関してかなりマーケットリサーチもして、軸を固める過程で、とっても揉めて、たまに結構ドスのきいた声を出したり。苦笑
アイディア自体を変えてしまおうみたいな話もあって。

ーもう飴のアイディアをやめようっていうこともあったのですね。
ーそれを逆にどう乗り越えていったのでしょうか?

若宮:高級志向のブランドイメージにして、既存のプロダクトに対抗して行こうみたいな。飴の中で、タブレットの飴ってないよねって言って。
そこから話は進み出したと思います。

若宮さん:将来はシリアルアントレプレナー(連続起業家)を目指す

池田:味を決めるのが凄い大変で。何だっけ? あけび味とか、高麗人参味とかもありましたね。笑

若宮:ニッチで普通に商品として出ないような味をしたい人と、ブランドイメージ重視で、ジンジャー味みたいにそれなりにある素朴な味にしたいという人でも、また議論がありました。最終的には、ニッチな味については「期間限定で出す」に落ち着いて。

ー高麗人参味の飴は、どんな感じなんでしょうね。笑

ーデザインを作る上で気をつけた部分はどういったことでしたか?

曉谷:気をつけたこと、そうですね。チームから指定されていたのが高級感というキーワードと、味それぞれにあったパッケージのイメージでした。

最初に作ったデザインがリテイク。で、その後に作ったのもリテイク。最終的には4回ぐらいリテイクがありました。

ーリテイクっていうのは、高級感が足りないとか、そういった理由などですか?

池田:いや、どちらかというと、どうしてもお菓子というイメージとズレが出ちゃって。自分の中で「これはお菓子のパッケージではないな」ってなってしまいました。そこの部分の調整のために、リテイクを出しました。

曉谷:お菓子のパッケージにしようとすると、高級感がズレていって。高級感を意識すると今度は商品っぽくなくなってしまって。
何度もリテイクがあったからこそ、大事な視点を持てたし、自分たちが作りたいと思っていたものが作れたと思います。

ぜんぜんラクショーじゃない!他高のレベルの高さ

ー今回のプロジェクトは、他の高校とも一緒に実施するという普段のプロジェクトNとは違うプロジェクトでしたが、他校の発表を聞いてみてどんな印象を持ちましたか。

優秀賞2位を獲得した郡上北高校2チームの企画(一部)

若宮:N/S高では週何回もPBLに時間をかけて(*)、それを一応2年間もやってきていたので、そうではない他の高校の生徒には、正直、圧勝するだろうと思っていました。
ですが、蓋を開けてみれば、めちゃくちゃ僅差と思えるくらい、他校のチームの企画がとてもよく、やべえ!って、内心、焦りを感じていました。

*…N/S高で実施しているプロジェクトNは、基本的に月曜・水曜・金曜それぞれの日に2コマ、学習時間が設けられています。

雨森:他の高校の生徒たちと企画するってなかなかない授業だと思いました。さっきも若宮さんが言っていたのですけど、発想力という面ではたぶん(僕らが最優秀賞だったのは)本当にギリギリだったのかなと。
僕らは長くプロNをやっていて、デザインやマネタイズの知識から企画を1から100に仕上げる力を培ってきました。その力が活きたのかなと思います。

若宮:レベルの高さとはまた関係ない話ですが、今回、その、他高の生徒の青春というものを、すごく浴びたな、というのは感じました。
(一同、笑)

池田:一番感じたのは、社会課題の捉え方については完敗したと思いました。じゃあ何で最優秀賞取れたのかを考えると、やっぱりプロNを通じて踏んだ場数の違いだけであって。
他高ではしっかりと土台を作って社会課題を学んでいっていて、5年後10年後、我々が大学に入って社会人になった時には社会経験の差は埋まってしまうため、やばいなって、すごい感じました。
あとは、やはり、和気藹々としているな、とは思いました。

トップを獲ったからこそ学べたこともある

ー今回のプロジェクトを通じて、特に学びになったこと、成長したなと感じることは、何かありますか。

池田:今まで、組織として動いていたというか、企業対企業での活動でチームで動いたこともあったのですが、人生で初めて統括的なポジションに立って、個人対個人でデザインにリテイクを出すとか、ディスカッションすることがとても新鮮で、だからこそ難しかったです。

雨森:池田さんとは、過去に文化祭などで一緒だったりはしたのですが、プロNするのは初めてでした。僕の中では、池田さんはプロNではスピード感があって、それで結果を出していたイメージがあったので、そのスピード感を知りたいと思っていました。

正直、アイディアを出す段階までは、言い方は悪いのですが、スピード感がそこまでなかったのかなって思いました。
ただ、そこからのアイディアの派生の仕方とか、こんな視点で物事を捉えているのかって、そんな多角的な視点の部分とか、マーケティングの部分とか。
そんな多角的な視点を取り入れつつ、スピード感を持ってプロジェクトを進めて行けたっていうのは、池田さんだったからだと思います。

プロジェクトに対して、これぐらい先を見通す速さじゃないと、きっと間に合わないんだろうなと。このぐらいのスピード感が必要なんだなって、一つ学びになりました。

曉谷さん:学びになったのは、新しいタイプのデザインです。お菓子のパッケージ、というデザインタイプを、このプロジェクトを通じてすごく勉強になりました。
これまで自分の中でやった事あるのは、スマホアプリのビジュアルだったり、あとは化粧品だったり、そういったものが多かったので、今回、お菓子のデザインは初めての経験でした。
いろいろ調べて、お菓子の袋などを自分で研究して、「こういうのがお菓子のパッケージに見えるんだな」って、すごく勉強になったし、今後の自分への活力となりました。

若宮:個人的に最優秀賞を獲ったことは今回初めてだったのですが、「勝ちきるプライド」ってどうやって作ったらいいんだろう、というのが実感として理解できたのが良かったと思います。
最優秀賞を目標にしてやっていこうとか、そうやってプロジェクトを進めることができたのが一番の学びじゃないかなと思います。

もっと他高と組んでやってみたい

ー将来のプロNに、何か期待したいこと、こうなってくれたら後輩のためにもいいなと思うことなど、ありますか。

池田:2つあります。1つは、今回特に思ったのは、「まずこのメンバーで今回できた」ということ。つまり、組みたいねって人たちで組む。
もちろん、毎回それをやってしまうとプロNの軸になる部分がズレていってしまうのもよくないのですが、年に1回ぐらい、そういったことができると面白いものもできるし成功体験もできると思いました。

もうひとつは、今後、こういった他高とPBLをやる機会があったら、他高の生徒とも組んでみたいなと思いますし、もしくはもうちょっと他高との勝負っぽさを強められたらモチベーションが上がりそうだなと思いました。

今回、私のプレゼン聞いた人の中には、プレゼン上手いよなって思ってくれた人もいたかもしれませんが、何かしら思う部分があった人もいると思うんですよ。提案した企画に対してとか。そこの部分を話す機会が、そういうのができたらもっといいかな、と思いました。

若宮:プロNの良いところって、競って順位出されて、評価されて、何が悪かったのかわかる。こういう評価されるってプロセスがあるプロNの良さはもっと出してってもいいのかなと。
プロジェクトを進めて、完成したら「やったね」で終わっちゃう。やったことがえらい、だったり、まずはやってみることを頑張ったよ、にばっかり主眼を置いてしまうと、参加者も「やったからいいじゃん」というようになってしまうと思うので、できている・できてないという評価は、もっと細かくされたいなと、僕は思います。

雨森:今回のプロジェクトを体験して感じたのは、授業資料や補助資料を見ていると、やり方・進め方をきちんと示してくれていたなってと思いました。全てにおいてやり方を示す必要はないとは思うのですが、ただ、そういう、一回原点に返るような授業がひとつふたつあってもいいのかなと思います。

オンラインでおこなった授業の様子

池田:私たち3年生がここまで大きく成長できたのは、1・2年生の時にフィードバックをもらっていたからかなと思います。
プレゼン資料とかワークシートを見てもらってそれに対してフィードバックをもらっていた。プレゼンなどで前に立つ機会を増やしてもらうことで、先輩たちからもフィードバックを色々もらって。
やはり、フィードバックをもらえないのは、もったいないです。例えば担任面談の時に、作成した資料を見てもらってそれにフィードバックをもらえるだけでも見違えるように変わりました。

曉谷:今このグループだと誰が何をやってって、役割分担がきちんとできているのですが、普段のプロNだとうまく分担ができなかったりする場合があります。
自分の個性とか、まだ目が出てないうちは、自分がどうすればいいのかわからないというときがあるので、技術面で力をつける部分でのサポートができれば、もっと自分の個性とか、いい部分を出しながらプロジェクトとか進められて、いい気分で楽しく進められるのではないかなと思います。

ー本日はインタビューにお応えいただき、ありがとうございました!
 みなさんの今後の活躍も期待しています。

インタビュー後記

初めてとなる他高と合同で行ったプロジェクトN。インタビューに答えていただいた生徒の発言にもあったように、制作者としては正直、優秀賞はN/S高が独占してしまうのではと思ったこともありました。
蓋を開けてみれば、そんなことはなく、どの高校のチームとも接戦で、結果こそ見ればN高のチームが最優秀賞を獲ったとはいえ、他の高校のチームが獲ってもおかしくありませんでした。それは参加した生徒も、発表を聞いていて同じことを思ったと思います。

このプロジェクトを通じて、他高のPBLでどんな活動が行っているのかも知り、N/S高もうかうかしてられないという焦燥感を覚えるのと同時に、他高レベルの高いPBLの実践を目の当たりにして、日本の高校生の将来に希望も持ちました。

またこんな機会をどんどん作って、日本の教育界の発展の一助になればと思います。


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