日本の和の心「礼」と奥ゆかしさ
「和」の心と礼-奥ゆかしさ
人間の様々な想い(思い)は、
心で思っているだけでは伝わりません。
中でも礼や感謝はどんなに強く意識し
心で思っていても実際に言葉に出し、
形として行動に移し態度で表さないと、
その相手に伝わらないことがあります。
このような相手を思い遣る気持ちは、
その時の相手の器や感情を推し量り、
察知し、その相手に合わせて伝え方で、
相手が受取り易い言葉や態度をしてこそ
初めてその人に伝わるものです。
その大切な想いは、奥ゆかしく丁寧に
繰り返されることで洗練されます。
新渡戸稲造氏の書かれた
【武士道】に、
人と共に喜び、共に泣けるか。
「礼」とは他人に対する思い遣りを
表現すること、とも記されてあります。
そして、余計なものは削ぎ落とされ、
大事なことだけが選ばれます。
ある日本を研究している海外の方が
「奥ゆかしさとは、
もっとも無駄のない立居振舞である」
と言われたそうです。
和の心とも言える思い遣りは、
奥ゆかしさを形に表現する
「礼」に表われてこそ、伝わります。
この「奥ゆかしさ」の語彙は、
慎み上品で深みがあり、
心が引かれる。または、その度合い。
深い心づかいが見えて、
何となく慕わしい。
深い思慮があるように見える。
と📚辞書にあります。
日本人女性の奥ゆかしさ
どんなに時代は移り変わっても、
素敵な日本女性らしさを大切にしよう。
奥ゆかしいは女性に限定し使う言葉で、
日本ではさり気なく謙虚でいることは
美徳とされる誉め言葉です。
👩奥ゆかしい女性
(1) 相手を立てて、
さりげない気遣いができる
「常に相手を気遣い、ちょっとした変化に気づいてくれる人」
(2)言葉遣いが丁寧
「正しい日本語を用いて、丁寧に話す人」
(3)所作が美しい・人を立てる
「半歩下がって男性を立てる」
(4)発言は控えめだが、的を射た意見が言える
「相手の意見を尊重した上で自分の意見を言ってくれる人」
(5)相手の話をしっかり聞く
「感情的にならず、落ち着いて話し合える人」
(6)清楚な雰囲気がある
(7)自然な笑顔が似合う
(8)いつも穏やか
(9)派手すぎないけど身だしなみはきちんとしている
(10) 自分に自信を持っていて自慢しない
自分の中にぶれない軸を持っている人は男女問わず魅力的です。
(11)困っている人を見たら手を差し出す
“控えめな”だけでなく人のために動ける女性、
(12)周りの空気を読み気遣い・気配りが出来る
目立ぬさり気なさ、何気ない目配り・心配りができる
日本の誇れる女性像は“深い心遣い”そのものです。
周りの困っている人にすぐに手を
差し伸べること勇気が要りますが、
それができると“立派な奥ゆかしさ”
を身につけられるのかもしれません。
📚辞書検索
【奥床しい】の意味
出典:デジタル大辞泉(小学館)
1 深みと品位があって心がひかれる。
深い心遣いが感じられて慕わしい。
「人柄が―・い」
2 《「奥行かし」で心がひかれる意から》
奥にひそむものに強く心がひかれる。
(人柄が)上品で、他人を惹きつける
深い気づかいが感じられる。
※奥深い心と品位が感じられて心が惹かれる様。
📚出典:由来・語源辞典
本来は「その先を見たい、知りたい」
という勘定を示す語で、
そこから「何となく心ひかれる」意となり、
さらに現代のような意味になった。
古語では「奥ゆかし」。
「奥」は「先」、「ゆかし」は
「行かし」で心ひかれる意。
元々古典語には「ゆかし」
という言葉がある。
人の心中や物語の先行きが見たい、
知りたい。と言う語彙。
動詞の「行く」からできた
形容詞「行かし」が語源で
見たい、知りたいと言う
気持ちを「行きたい」と言い表す。
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