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スプーンで食べる珍珠奶茶

夏になると思い出します。
20年以上前の夏、初めて行った海外が台湾でした。

大学の一か月海外体験に応募し、台湾の大学の寮で生活しました。
現地の学生と仲良くなり、一緒にいろんなところに行きました。

それはまだ現地について数日目のこと。初めて夜市に行きました。
湿度も気温も高い台湾の夜、
これ知ってる?飲んでごらん、と差し出された太いストローのドリンク。
ぶるんぶるん!と口に入ってくるもちもち触感にびっくり。
「珍珠奶茶」、いわゆるタピオカミルクティ初体験でした。

当時はまだ日本には全く紹介されておらず、ドはまりにハマった私。
滞在中、色んなバリエーションで何杯も飲んで、ぶるんぶるん!の食感を楽しみ、日本に帰る時には乾燥タピオカを買って帰りました。

さて、日本に帰って作ってみた私。周りの人に振舞いました。

「うん、わらび餅みたいだね。美味しいよ。」
スプーンですくって食べた家族や友達は、そういって笑います。

いや、そうなんだけど、そうじゃないのよ、違うの、
あのね、台湾では太いストローで飲んでね、
その時にぶるんぶるんってなるのが面白くて…。

「うん、そうなんだ。でも、このままでおいしいよ」

いや、そうだろうけど、あのね、とにかく、ストローで飲むのと、スプーンで食べるのとでは、ぜんっぜん違うんだから!!!!

今でこそ、タピオカミルクティは太いストローで飲むのは当たり前ですが、当時の日本には太いストローなんて売っていませんでした。
そして私は台湾でストローを買って帰ることまで考えていませんでした。
でも、ストローとスプーンでは全く違う食べ物になってしまいました。

文化とか習慣の、ちょっとしたことの違いって本当に些細なことで、
でもそれがちょっと違うだけで、印象が大きく大きく違ってしまう。
タピオカミルクティは嗜好飲料だからまだしも、
これが生活に直結したことならどうでしょうか。

お風呂、トイレ、食事、人との距離感、寝る時間、寝る時の寝具‥‥。
「これっくらい我慢しなよ」「ちょっとした違いじゃん」
それが当事者にとってみたら、どんなに大きなことか。

「“ちょっと違う”って、こんなに違う事なんだ‥‥。」
食いしん坊の私が実感した、
“ちょっとした”文化の違いの“大きな”気付きでした。

というわけで、レシピとまではいかないけれど、
タピオカミルクティ、今では大きめのスーパーだと乾燥タピオカや冷凍タピオカが売っており、比較的簡単に作れるようになりました。
どうか太いストローも忘れずお買い求めください。
スプーンを使うか、ストローで飲むかで、全然違う食べ物になってしまいますよ!


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