絵本から学ぶ:「自分に合った仕事」と「じぶんが受けたいサービス」の発見法:感想文『おしごとそうだんセンター』ヨシタケ シンスケ 2024/04/22更新

おしごとそうだんセンター 単行本 – 2024/2/26
ヨシタケ シンスケ (著)
5つ星のうち4.6
  38

「しごと」ってなんだろう?
地球に不時着した宇宙人がやってきたのは、ちょっと風変わりな職業相談所。
宇宙人は相談所のスタッフと一緒に、この星で生きていくこと、働くことの意味について考えはじめる。
誰もが避けて通れない「仕事」の意味を問い直し、明日をちょっと明るくする、
すべての子どもと大人のためのヨシタケシンスケ版“ハローワーク”ストーリー!

■著者プロフィール
1973年神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。絵本、児童書の挿絵、装画、イラストエッセイなど多岐にわたり作品を発表している。2013年『りんごかもしれない』で第6回MOE絵本屋さん大賞、2014年同作で第61回産経児童出版文化賞美術賞、2016年『このあと どうしちゃおう』で第51回新風賞、2017年『もう ぬげない』でボローニャ・ラガッツィ賞特別賞を受賞。2019年『つまんない つまんない』でニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞に選出。絵本『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』『ぼくはいったい どこにいるんだ』『メメンとモリ』、対談集『もりあがれ!タイダーン ヨシタケシンスケ対談集』、又吉直樹氏との共著『その本は』など著書多数。2児の父。子どもの頃の将来の夢は大工さん。

A面:

絵本の中に登場する「めずらしいおしごと」(珍しいお仕事)が面白い。
「自分自身でやりたい仕事」と「自分が提供を受けたいサービス」の二つがある。

自分が提供を受けたいサービス

静寂をいつでもどこでも提供してくれる、そんな仕事があったらいいのに。
世界を無音にしてくれるサービスがあったら、買いたい。想像力を存分に使えれば、もっともっと新しい仕事を生み出せるし、もっともっと楽しい世界になる。

無音と有音。

この絵本を読むと、自分が何が嫌なのかが見えてくる。それってすごいことだ。「嫌いなこと」と「好きなこと」を、自分自身で把握することがとても大事だ。

絵本って英語でなんて言うんだ? いや、和英辞典というよりは、英英辞典が必要だ。

B面:

新しい仕事を見つけたい。この世の中にまだ存在しないような新しい仕事だ。正確には、新しい仕事を創り出したい。

サービスを受けたい。自分自身が仕事をするのではなく、自分自身がサービスを受ける。

この絵本において、やっぱり、仕事が大事であるという点はぶれない。

くだらない、仕事なんてくだらないのだ、そんなメッセージを私は欲していた。

この絵本は、仕事という魔物から毒を抜き、オブラートに包んで提供している。

仕事を礼賛している。

ヨシタケシンスケさんの絵本には実は毒が含まれている。気付かない場所に毒が入っている。

ヨシタケシンスケさんが生み出すもっとダークな世界を読んでみたい。

以上


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