自由な国の自由な作戦

日本は人権の守られた自由な国です。そのことを普段特に意識することはないのではないでしょうか。

学生時代、中国からの留学生の人と夜遅くまで話し込んだことがあります。ひとしきり話が盛り上がった後で、彼がぽつりと漏らした言葉が忘れられません。

「日本は本当に自由な国です…」

それ以上のことは言いませんでしたが、愁いを帯びた表情から読み取れるものがありました。国の体制の違いは日本人の想像以上に大きな影響を個人に与えるものと感じた記憶があります。

武漢でCOVID-19の感染拡大が起こった時、中国政府は都市を丸ごと封鎖するというかなり荒っぽいやり方で抑え込みました。中国だからこそできた、ともいえるでしょう。中国ほどではないにしろ、社会距離拡大戦略の要諦は個人間の接触を避けることなので、個人の移動や活動を強制的に制限する施策も各国で行われています。しかしそれは個人の権利を制限、規制することでもあります。

日本は自由な国です。改正特措法をもってしても、外出自粛も要請レベル以上の働きかけは難しいのです。

ネットの上には、個人ではCOVID-19と戦えないという悲観的な意見や、より強力な(個人の権利を制限する)法的な後ろ盾を期待する向きもあります。

しかし本当にそうなのでしょうか?私たちは一人一人がこの国の主権者で、この国の行く末を決する責任と義務とをもった存在であったはずです。たとえ法の強制力がなかったとしても、我々一人一人がこの国の未来に対して責任ある行動をとることができるのならばこの作戦は達成できるはずです。

そもそも社会距離拡大戦略は、個人の行動によってしか達成できない作戦なのではないでしょうか?条件はなにもありません。今すぐ始められます。ただ私たち一人一人が確かな自覚をもって行動を起こすことができれば、それだけでよいのです。

自由な国には自由なやり方があります。自由が素晴らしいことを証明したくないですか?私たちにはそれができるはずです。



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