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マイクプリの質感付加とEQ のブーストで音が輝く!!Waves Kramer HLS Channel

Waves Kramer HLS Channel」は、70年代に使用されたHeliosコンソールのサウンドを忠実に再現したプラグインです。特にロックやアナログ志向の音楽制作において、その独特の音質が魅力的な選択肢として挙げられます。

Kramer HLS Channel

本記事では、このプラグインの特徴や使用方法について詳しく解説し、誰でも使いこなせるようにサポートします。


Kramer HLS Channelの基本構造

Kramer HLS Channelは、マイクプリアンプEQセクションの2つの主要な部分で構成されています。

主要な「マイクプリ」と「EQ」

このプラグインが再現しているHeliosコンソールは、70年代の数々のレコーディングで使用され、特にロックバンドのサウンドメイクにおいて定番となっていました。今では入手困難なアナログ機材のサウンドを、手軽にデジタルで再現できるのがこのプラグインの大きな魅力です。

マイクプリアンプの質感

Kramer HLS Channelの特徴の一つが、マイクプリアンプの質感です。

このプラグインを通すだけで、まるでアナログのアウトボード機器を通したかのような軽いサチュレーション(飽和感)が加わります。音像も近く感じられるため、ボーカルや楽器がより前面に出てくる印象です。

以前紹介したScheps 73のように、音の厚みが大きく増すわけではありません。Kramer HLS Channelは軽くサチュレーションをかけることで、音が太くなる印象です。

個人的には、Scheps 73よりもKramer HLS Channelの方が、よりアナログ感を感じます。特に無機質なデジタルサウンドに温かみを与えたい時には、このマイクプリを使用することで、空気感と深みを加えることができます。

EQセクションの特徴

Kramer HLS ChannelのEQは、最初こそ使いにくさを感じるかもしれませんが、その特徴を理解すれば非常に強力なツールとなります。

まず、このEQはブースト方向で使うことが基本です。他のEQプラグインでは得られない独特なサウンドの張りが、Kramer HLS Channelの大きな魅力です。

EQはブースト方向で使う

アナログ機材を再現した3バンドEQは一般的ですが、Kramer HLS ChannelのEQは特有の周波数特性を持っています。

例えば、低域は50Hz 以下のハイパス or 60Hz 以上のブーストしかできず、重要な帯域である中域から高域にかけては、1つのバンドしか設定されていません。そのため、中域と高域を同時に調整することが難しく、EQとしての自由度はかなり低いといえます。

癖が強く自由度の低いEQセクション

それにも関わらず、私はこのEQをギターのサウンドメイクにおいて欠かせない存在として活用しています。

その独特な「シャリシャリ」とした質感がギターサウンドに驚くほどフィットします。ブースト方向で使用することで、ギターの音を前面に押し出し、他のEQでは再現できない独自のサウンドキャラクターを生み出すのです。

Kramer HLS ChannelのEQは、ブーストに特化して設計されており、その特性を活かすことで理想的なサウンドメイクが可能です。自由度の制限があるものの、それを補って余りあるほどの独自のサウンドクオリティを提供してくれます。

Kramer HLS Channelを使ったおすすめの設定

ここでは、Kramer HLS Channellを使って効果的なサウンドを得るための設定例をいくつか紹介します。特にギターやボーカルのトラックにおける設定は、初心者でも簡単に扱えるものです。

1. ギターサウンドを際立たせる

  • ハイミッド(2kHz〜3kHz)を軽くブーストすることで、ギターのエッジを際立たせ、他の楽器に埋もれないサウンドに仕上げる。

  • 低域(250Hz〜400Hz)を少し持ち上げることで、音に厚みを加え、より力強いギターサウンドを作る。

2. ボーカルに空気感を与える

  • マイクプリアンプを通すだけで、ボーカルに軽いサチュレーションがかかり、アナログ機器を通したような温かみを加える。

  • ハイエンド(5kHz以上)を少しブーストして、ボーカルに明瞭さを加えつつ、全体のミックスで抜けの良いサウンドを実現する。

まとめ

Waves Kramer HLS Channelは、70年代のHeliosコンソールのサウンドを現代に再現した、DTM初心者からプロまで幅広く使えるプラグインです。

特にロックサウンドやヴィンテージな雰囲気を求める楽曲制作にはぴったりで、EQの独特なブースト効果とマイクプリの質感がサウンドを生き生きとさせます。

最初は少し使いにくいと感じるかもしれませんが、慣れることでその奥深さと可能性を最大限に引き出せるはずです。音をブラッシュアップし、より存在感のあるミックスを作りたい方は、ぜひKramer HLS Channelを取り入れてみてください。

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