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音を汚してインパクトを与える!SoundToys Devil-Loc Deluxeで作る個性派サウンドの秘密

楽曲制作において、独自のサウンドを生み出すためには、エフェクトの選択と使い方が非常に重要です。特に、音を「汚す」ことで独特な質感を加えるエフェクトは、多くのクリエイターに支持されています。

そんな「汚し系」エフェクトの中でも、常にセンス溢れるプラグインを提供しているSoundToysの「Devil-Loc Deluxe」は、特に注目すべき存在です。

今回は、このDevil-Loc Deluxeの特徴と使い方について、詳しく解説していきます。


Devil-Loc Deluxeとは

Devil-Loc Deluxeは、SoundToysが開発した「汚し系」エフェクトプラグインです。

Devil-Loc Deluxe

Shureが60年代に製作した「レベルロック」というオーディオレベルコントローラー(リミッター)が基になっており、その独特な歪みとコンプレッション感を再現したものです。

このプラグインは、音を「汚す」ことで、力強さや独自のテクスチャを加えます。単なるコンプレッサーとは異なり、音色加工に特化していると言えます。

Devil-Loc Deluxeの主要パラメーター

Devil-Loc DeluxeはシンプルなUIで、初心者でも直感的に操作できるよう設計されています。以下の主要パラメーターを理解することで、より効果的にこのプラグインを活用できます。

  • CRUSH: コンプレッションの強さを調整するパラメーターです。これを上げると、音が圧縮されるだけでなく、サチュレーションも加わります。特にドラムサウンドに適用すると、アンビエンス感が増し、サウンドがより立体的になります。

  • CRUNCH: リダクション後の信号に歪みを加えるパラメーターです。音をさらに激しく、力強くしたい場合に使用します。CRUSHと組み合わせることで、独特のコンプレッション感と歪みを持つサウンドが生まれます。

  • RELEASE: リリースタイムを調整するパラメーターです。リダクションの量によってリリースが変化し、ファスト/スローの2段階で設定できます。実際の音を聴きながら、最適なタイミングを見つけるのがコツです。

  • DARKNESS: ハイカットフィルターとして機能し、高域の明瞭感を調整します。過激なサウンドに対して、このパラメーターを使って柔らかいサウンドを作ることができます。

  • MIX: エフェクトと原音のバランスを調整するパラメーターです。パラレル処理を行う際に、エフェクトの強さを微調整するために使用します。

Devil-Loc Deluxeの使い方

Devil-Loc Deluxeは、その過激なサウンドメイク能力が魅力ですが、使い方次第で繊細なニュアンスを加えることも可能です。以下に、いくつかの具体的な使い方を紹介します。

ドラムサウンドへの適用

ドラムのミキシングにおいて、タイトにしたい場合はルーム音を抑え、逆にラウドで豊かな音にしたい場合はルーム音を増やしますが、ラウドな音を目指す場合、単純にルーム音を加えるよりも、コンプレッサーで音を潰してから加える方が、より迫力のあるサウンドを得られるケースが多いです。

この時にDevil-Loc Deluxeを使用して音を潰し、パラレル処理を行うことで、音の「おいしい部分」だけを取り出し、さらに迫力のある音に仕上げることが可能です。

ドラムとの組み合わせは鉄板

Devil-Loc Deluxeを使用することで、ルーム音の余韻が持ち上がり、中低域が豊かに響くようになり、ドラム全体の迫力が一層増します。

音が過度に厚くなりすぎる場合は、後段にEQを挿入し、不要な成分を少し削ることで、迫力を保ちつつ、音をスッキリさせることもできます。

ベースに歪みを加える

ベースにDevil-Loc Deluxeを使うと、独特の「ブリブリ感」を持つ歪みを加えられます。

ベースの音作りにも最適

この場合、DARKNESSを使って高域をカットし、中低域の力強さを強調した上で、ミックスバランスを調整するのがポイントです。これにより、ベースがミックス全体でより前に出るようになります。

強烈な汚し系として

楽曲の中で、特にインパクトを持たせたいパートがある場合は、Devil-Loc Deluxeを使用して大胆に汚しましょう。

CRUNCHを最大限に回し切ることで得られる強烈な歪みは、他のプラグインではなかなか再現できない独自のものです。「やり過ぎかも…」と思うくらい汚してから、最終的にミックスバランスで調整することが重要です。

簡易版のDevil-Loc

もっとシンプルな操作を求めている場合は、Devil-Locがオススメです。

Devil-Loc

CRUCHとCRANCHの2つのノブだけという非常にシンプルな構成。ノブを最大限まで回すと、ゲートエフェクト的な効果を生み、大きなクラッシュを際立たせ、過激な効果に驚くでしょう。

ただ、ミックスバランスの調整や、ハイカットフィルターがないため、隠し味的に使って音を豊かにするような使い方はできません。この辺の自由度を求めている場合は、Devil-Loc Deluxeを使ってください。

注意点とアドバイス

Devil-Loc Deluxeは非常に強力なツールですが、すべてのパラメーターを最大にしてしまうと、音が「暴れすぎる」ことがあります。特に、ミックス全体が崩れてしまうリスクがあるため、MIXパラメーターでエフェクトの量を調整し、必要に応じて後段にEQを挿入して余計な周波数帯域を削ることをおすすめします。

また、Devil-Loc Deluxeは特定のパート、もしくはステムトラックにのみ適用するのが効果的です。全体のミックスに過剰に適用すると、サウンドが不自然になるため、適度に使うことがポイントです。

おわりに

SoundToysの「Devil-Loc Deluxe」は、音を「汚す」ためのプラグインとして、非常にユニークなエフェクトを提供します。

正しく使えば、音楽制作において他にはない質感を加えることができ、楽曲全体のインパクトを大きく引き上げることができます。この記事で紹介した使い方を参考に、ぜひあなたの楽曲制作に取り入れてみてください。

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Yuuki-T
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