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大駒は高い、されど歩兵を何枚入れても代わりにならない

プロジェクトにおける有識者問題
プロジェクトを始めたら有識者がおらず(不足していて)、遅延をはじめとする問題が多発する事案が少なくありません

この問題が発生する要因のひとつが、見積もりにおける「人月」の問題
ありがちなのは、この案件(プロジェクト)は何人月でできますと言った見積もりを出してしまうこと

プロジェクトは、要件定義、設計、製造(コーディング)、テストといったプロセスを経て完成しますが、各工程で必要となるスキルは一緒ではありません
要件定義では、企業における案件(プロジェクト)の位置付けや、業務に係る広い知見が必要となりますし
設計では、要件定義書に記載された業務、システム要件を理解して実際に構築可能な設計ドキュメントに落とし込むスキルが必要となります
製造(コーディング)では、使用する言語やDB、また開発ツールについての知識が必要です
工程ごとに必要となるスキルは異なりますが、上流工程になるほど高度な知識や、経験が必要となることが多いのです

ですから上流工程の担当者のコストは高いのが一般的
でも、プロジェクトの工数を人月換算で出してしまうとその部分が見えなくなってしまうのです
本来は工程ごとの人月を一旦、その工程で必要となる要員の単価で金額換算して合算しないとプロジェクトのコストが見え難くなってしまうということです

その結果、何が起きるかというと要件定義や、設計といった上流工程で要員不足が発生した時に、製造(コーディング)要員のコストで人の補充をしようするといったことが発生してしまうのです

でも、上流工程を担える有識者というのは、将棋で言えば飛車や角といった大駒
歩兵のようなコストの安い要員を何人入れても代わりにはなりません
将棋であれば、歩兵は何枚持っていても同時投入できるのは9枚まで
この辺りは、プロジェクトでも同じだと思います

注)上流工程と下流工程の違いは、役割の違いであって求められるスキルが異なるだけです
勿論、どちらが偉いといったことはありません
ただ、一般的に上流工程の要員の方が単価が高い傾向があるのは事実
とは言え、製造工程のプログラマの中にも化け物級の人材は居ることは知っておくと良いです

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