見出し画像

Sier社員から”情シス”メンバーになった話しをします。

「情シスの専門性」として、二社で経験した話しを元に思うところを書いてきました。ただ、どこまで書いてもキリがないので、ちょっと立ち止まって「Sier社員から情シスのメンバーになった際の話し」を書いてみようと思います。

●Sier時代
プログラマ・SEとして新卒から11年ほど働いていました。プログラムを構成する言語は主に”アセンブラ”(!?)という古代言語でした。ほとんど暗号のようでしたね(笑)
業種は金融系だったため、システムリリースに際してはとても厳しいチェックが複数入るような体制で、そのレビュー資料の作成をするため残業の多い日々でした。また、プログラムについて「今の状態」がわかる資料はほぼなく、わかりづらいロジックを毎回解析しながら、それに手を加えていく作業も残業を増やす原因だったと思います。
子供が生まれても残業の日々で平日は朝しか会えません。また休日は家にいるのですが疲れ果てて一緒に遊ぶこともできないのです。その子が2歳くらいのころ、そんな日々を変えたい思いからまずは「Sierを辞める」ということを考え始めました。また、その頃にたまたま1年間だけ顧客先の情シスに業務委託として在籍できたため、「転職して情シスに入れないかな」と考え始めました。
そして運よく挑戦した企業(NPO法人)で採用いただき、晴れて情シスのメンバーとして勤務を開始しました。

●情シス時代
まず、Sierの頃との一番の違いを思い返すと、
Sier時代:言われた(指示された)ことを工夫して行う
という勤務姿勢だった(あくまで私の場合ですよ)のが、
情シス:やりたいことを見つけ、考え、整理して、それを開発者に依頼する
という姿勢が必要であることでしょうか。

とにかく、Sierは上司・親会社から案件が下りてくるのです。その手前では、顧客から依頼を受けた案件をシステム営業さんが整理して私の上司に対応指示を出していたわけです。つまり、大元の顧客の「やりたいこと」については「私」としてはあまり意識はせず、あくまでその部品の一部を正確に作る、ということが仕事のすべてでした。

で、上記でいうところの「顧客」にあたるのが情シスですね。お願いする側になるわけです。当初はとまどいました。なにしろ主体性が必要ない中で仕事をしていた(私のそういう性格もあったのでしょうが)ので「お願いしたいこと」がないんです。●●さんがそう言ってる、ので「お願いします。」のような気持ちでしたね。そんな態度は同僚・上司にはもちろん見えていて、「あなたはこの案件で何がしたいの?」とよく言われていました。今あらためて思うと、いくらSierのように進捗管理やテストが正確にできても、情シスとしては「これをしたい!」という課題創出の方がより重要なスキルだと痛感しています。もちろん情シスでも上司から降りてくる案件も多いです。でもそれに対して、「それってそもそも何?」という考えをせずその案件自体が腹落ちできなければ、自主的に取り組むことができずまた課題創出もできません。

この課題創出、元となる「課題」は組織によってさまざまでしょうが、それをなるべく早めに察知し、課題を明確にして社内案件化し予算をとりよりよい条件で進める。これがものすごく大事で、組織を動かすためには常に意識しておく必要があると思っています。
なぜか。課題というのは実はほっておいてもいつかは表面化するのです。その時に案件として認識し、チームメンバーで対応する。恐らくそういうケースも多いと思います。・・・しかしそれでは「遅い」のです。その課題はもう緊急度が高くなっているので、
 ・今担当している案件を放置し
 ・予算がない中、予算外として経理に承認してもらい
 ・ベンダーさんにも無理をいって(つまりコストが多くかかる)
というような案件となってしまいます。このような条件が厳しい案件はスピードが優先となり、トラブルに発展するリスクもありますね・・・

つまり、課題は、表面に出てくる前にたたいておく必要があるのです。なるべく早く「課題を創出する」、これが使命ですね。私もはっきり言って書いていてあらためてというか初めてこのことを強く思いました。

今回、Sier→情シスという話の流れで、課題創出や自主性の話しになってしまいましたが、これは完全に私の場合の話しです。Sierに勤めていらっしゃる多くの方がこの2つをもっていらっしゃることは経験上知っています。
ただし、自分の場合には元々の自主性の薄い性格がSierという立場に甘えて成長しようとせず、その後家族との関わり合いからそれを考え直し、情シスの立場になったことで人として組織に成長させていただいた、ということを最後に書かせていただきます。

お読みいただきまして、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?