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ワイルドサイド年末鋼鉄ハチャメチャライド

2023年12月29日、年の瀬にちょうど東京に滞在予定があったので、新宿WildSideのヘヴィメタルパーティーに顔を出してきました。

フライヤーから溢れ出るやり過ぎ感、どう見ても特濃汁出まくりですね。
レジェンド枠から若手、メジャー級からアンダーグラウンドまで縦軸も横軸も幅広く、首都圏でも屈指の自由なライブハウスとして名高いWildSideらしいラインナップ。
(関西でいうHOKAGEとか戦国大統領に近い雰囲気があります)

終電とか撮影スタッフやってた都合で全バンドは観れていないのですが、しっかり観れたバンド分のライブレポ的なものを残しておきます。


Bastion

初期Arch Enemy的といえる、クサメロとデスメタルをブレンドしたプリミティブなメロディックデスメタルバンド。
こういうバンドがさらっと1番手で出てくるところに東京メタルシーンの層の厚さを感じます。
淡々としたライブ運びも相まって、アンダーグラウンドな海外バンドのような印象を受けました。

Frostvoid

ご存知!北欧フィンランドの風を吹き荒れさせるハイパーメロデスFrostvoidはフロアステージ側のオープニング。
イエテボリ神社での共演からまだ3ヶ月しか経っていないのに、プレイもステージングもさらによくなっていてその勢いに驚きました。
"フロアライブが魅力的"、というのは自分の中で好きなメタルバンドのひとつの指標で、今回はそういう姿が観れてとても嬉しかったです。
メンバー全員のキャラ立ちもよく、特にVoのioriくんの圧倒的外タレオーラKeyのSakurakoさんのエキゾチックな華やかさが目を惹きます。
来年1月末には若手Djentの気鋭PARAMENAとの共同企画を行うなど、今後の動きにも期待が高まりますね。

Pornostate

お馴染み!WildSide店長の高長さん率いるスラッシュメタルバンド。
とにかく全楽器刻みまくりの鬼スラッシュに怪鳥Voが乗るスタイルで、スラッシュ好きなら確実に身体が動くサウンドです。
ギター陣のテクニックがハイレベルで、超速ダウンピッキングリフからメロディアスなソロまで全部が聴かせどころでした。
スラッシュを基調としつつもヘヴィメタルとしての正道的ドラマティックさが根底に流れていてコレ🤘モンです。
来年3月には大阪にてVesper the Aerialで共演するのでとても楽しみです。

END ALL

ビアパトロール、健康優良スラッシュメタルことEND ALL
ロックンロールで楽しい演奏にBa/Voさとつさんの愛嬌溢れるMCで踊れるスラッシュ……というイメージがあったのですが
Sailing Before The WindのBitokuさんをプロデューサーに迎えた新EPの制作、という驚愕のコラボレーション発表から初めてライブで聴く楽曲群は、これまでのEND ALLを継承しながらも何段階もネクストステージへジャンプしたようなテクニカルで展開の先が読めない独自のサウンドへと進化。
陽の気のあるアメリカンフィーリングはありつつ、欧州の冷徹なインテリジェンス&抒情性をまとっており、それを体現するメンバーの技量も最高峰のものとなっています。
フロアの反応も熱狂以上にただただ圧倒されていました。とんでもないものを観たぞ、と。
来年には新作リリースからのレコ発も控えており、世界に驚きをもって迎えられることと思います。非常に楽しみです。

ABC Butcher

日本のデスメタルプレイヤーオールスターによるButcher ABCのカヴァー?バンド、ABC Butcher
今回のメンツの中で最もレぺゼン・アンダーグラウンドであり、フロアステージながらこの日一番の心地いい轟音でした。むしろ本領発揮といったところです。
世界に名だたるグラインディング・デスメタルな楽曲をエクストリーム職人たちがやると本当にかっこいいんですよね……。
メインVoはゴアゴアでありながら怒号系シャウトも混ざることでいい意味での普遍性も獲得している感があります。
Burdenでもぜひご一緒したいです。

IRON ATTACK!

同人メタルを聴くなら知らぬ者はいない、と断言してしまえるレベルの超有名メロディックメタルサークル/バンド。
音源はかねてより聴いていたものの実際にライブを観るのは初めてでした。
まずメンバー全員がメジャーレベルの演奏力を有していて、楽曲も隙がなく、なによりシンガー2人ともすんげぇハイトーン。ミケーレ・ルッピを生で観たとき以来の感動でした。
WildSideで観ていいんですか……なんかクアトロワンマンとかそういう次元ですよねこれ……。
DrのMikawaくんは昔DeGrace時代にサポートしてもらった縁もあり、そのときから単純に巧いだけではなく楽曲理解度がすごく高いと思っていたのですが、この日もまさにメロディックメタルとしての美味しさを煮詰めたような流麗なプレイでした。
またライブ観に行きたいですね~。

Pinkish Crown

観る前のイメージは割と綺麗めな、いわゆる"ガールズメタル"(この呼び方あんまり好きじゃないんですが)バンドのひとつというか、WildSideでフロアライブで映えるイメージがあまりなかったです。
しかしふと聴こえてきたのはデスメタルブラスト寸前のツービート耳をつんざくビブラート盛り盛りハイトーン……何が起きてるんや!と。
なんとこの日はMary’s BloodのMARIさん……わたしにとってデスラッシュバンドCLANDESTINEDのドラマーさんがサポートをされていて、リズムセクションがとんでもなくかっこいいアレンジになっていました。
この編成でもう一回ゆっくり観たいですねぇ……。

JURASSIC JADE

1985年から活動するスラッシュメタル界の生きる伝説です。
Jurassic Jadeの凄いところは2023年現在においても未だ現役バリバリであり、未だ先鋭的で、他の追随を許さないような圧倒的オンリーワンな存在であること。
Vo. Hizumiさん真の意味で"ヘヴィ"な声闇の奥を見つめる詞怖気が走るようなヴィジュアルとステージングと、ボーカリストとしてひとつの究極に達しています。
この日のステージの始まりは鈴の音だけが鳴る中でHizumiさんが舞い踊り、突如幻のように消え……ドラムとギターが静かに始まるともう脳内に薄暗く小さな部屋に閉じ込められるようなおぞましいイメージが流れ出しました。
無駄な言葉での説明はなく、音で世界を創造する、その芸術性。
そして"触れてはいけない""鏡よ鏡"といった名曲群での爆発……。
日本にJurassic Jadeがいることをあらためて誇りに思える時間でした。

先日、惜しくもGt. NOBさんの勇退が発表されました……この伝説のラインナップを観れる残り少ない機会を絶対に逃さないでください……!!

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