2022年度 東京医科歯科(東京科学)大学 医学部学士編入試験(問題1) 解答例
2021年に実施された、2022年度入学の筆記試験(問題1)の解答例です(私が個人的に作ったものです)。
この時期(2024年2月末)になって、過去問で対策している方もいると思うので、何かの参考になればと思い記事にすることにしました。
他の記事(最新年度)では解説も詳しく書いていますが、取り急ぎ解答だけです。
解答だけの間は、全文が無料で読める投げ銭形式にしておきます。解説も加わったら有料記事にすると思います。
需要(スキやコメント含め)・要望があれば解説や他の年度の解答例も載せるつもりです。もしよければコメントお待ちしております!
はじめに
英文(論文)のことを「本文」、(1)など、かっこがついたものは「設問」と呼称します。
論文が非常に長いので、別解が複数存在するかもしれません。
受験者の方の力になりたいと思っています。別解や誤りのご指摘等は、ぜひコメントまでお願いします。
問題は過去2年分、大学から入手できます。
出典:Fukushima, Kiyoharu et al. “Dysregulated Expression of the Nuclear Exosome Targeting Complex Component Rbm7 in Nonhematopoietic Cells Licenses the Development of Fibrosis.” Immunity vol. 52,3 (2020): 542-556.e13.
筆者について
2年間(2023年度、2024年度入学)受験しました。
一次不合格者です。ただし、私は別の大学での通過経験があるほか、医学系大学院を修了しているため、分野における専門知識を有しています。
設問と解答例
(1)線維化発症過程において、筆者らが発見した内容を以下のキーワードをもちいて記述せよ(日本語 200 字以内)。
[ アポトーシス、ノンコーディング RNA ]
解答例:
RBM7は、NEAT1 ノンコーディングRNAの発現を制御することによってアポトーシスにおける重要な役割を担う。すなわち、NEAT1とNEAT1_2 RNA の分解と、核内のNEAT1_2パラスペックルにおけるBRCA1(DNAを修復するタンパク質)の局在を制御することによってアポトーシスを制御している。
(150字)
(2)急性炎症応答では Rbm7 は機能していないと筆者らが考えた理由を答えよ(日本語100 字以内)。
解答例:
LPSに対するIL-6, TNFαの産生が野生型とRbm7-/- マウスを比較しても変化しなかった。すなわちRbm7の有無に関わらず同様の急性炎症応答が起きたため。(80文字)
(3)Rbm7が非免疫系細胞(nonhematopoietic cells)で機能していると判断した実験とその成果について、説明せよ(日本語 50 字以内)。
解答例:
Rbm7を欠損した非免疫系細胞をもつマウスにBLMを投与したところ、線維症への耐性を示した。(46文字)
(4)筆者らの研究成果から Rbm7 に対する阻害低分子化合物は肺線維症に対する有効な薬になると考えられる。しかし、Rbm7 の局在は核内であり、低分子化合物は核内まで届きにくいために、この方法での疾患への介入は難しい。そこで、筆者らの行った研究成果から考えられる線維化の進行を抑制する方法を低分子阻害剤及び核酸医薬以外の方法で答えよ。
解答例:
作成中。ちなみに、テスト本番に点が入る解答を作り出すのはほぼ不可能と思われます。
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