ユニクロと日本経済

企業と一国経済を同じように考えてはならないという好例。

ファーストリテイリングの驚異的な成長は、まず「海外で(低コストで)作って国内で(低価格で)売る」、続いて「海外で作って海外で売る」を徹底したことによるものだが、国内での生産活動は小さいので、日本経済の成長への寄与も小さくなる。

He also has bold plans to finally conquer the U.S. by nearly tripling Uniqlo’s existing 72 North American outlets by 2027.

程度の差はあれ、多くの大企業が同じ方向に向かっているので、企業利益が増えて株価が上がっても、日本経済の成長には繋がらないどころか、場合によっては縮小の効果をもたらしているわけである。

FR社の急成長に支えた要因には、柳井家の株式保有が多いため、短期利益を求める株主を気にせずに「一勝九敗」の経営ができたこともあると考えられるが、このことは、「グローバル投資家の株主保有を増やせば企業の競争力が高まる(→ひいては日本経済も活性化する)」との金融ビッグバンでの目論見が大外れだったことを示唆している。

補足

山口県を商圏にしていた企業が首都圏に進出して業績を大きく拡大させたとしても、その稼ぎを何らかの形(従業員給与、地元の取引先への発注、納税等々)で地元に流し込まなければ、山口県の地域経済の成長にはほとんど寄与しない。山口県→日本とすれば、ユニクロ戦略が経済政策としては限界があることが分かる。

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