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インフラメンテナンス大賞と「明石市もいいことばかりじゃありません」

明石市の泉市長がまたお得意の印象操作を図っているが、インフラメンテナンス大賞はインフラ整備が量的・質的に十分なことを示すものではない。

インフラメンテナンス大賞は、日本国内における社会資本のメンテナンス(以下「インフラメンテナンス」という。)に係る優れた取組や技術開発を表彰し、好事例として広く紹介することにより、我が国のインフラメンテナンスに関わる事業者、団体、研究者等の取組を促進し、メンテナンス産業の活性化を図るとともに、インフラメンテナンスの理念の普及を図ることを目的として実施するものです。

国土交通省

明石市は文部科学省案件での受賞だが、小学校の先生をただ働きさせたことが「人件費を中心にコスト削減」で評価されたのだろうか。

従来、施設ごと、業務ごとに委託していた保守点検や清掃、修繕等を一括して委託することにより、市有施設の安全性の向上と維持管理業務の効率化、施設の長寿命化を図る取り組みである。全ての日常修繕を含む施設包括管理業務委託として、全国初の取組であり、人件費を中心にコスト削減するとともに、的確な判断でスピーディーかつ安価で柔軟な修繕対応が行えている。

国土交通省

泉市長が面白いのは、印象操作や威圧が通じる相手と通じない相手では話の内容や態度が違う点である(⇒市議会の外と内の落差)。

2019年の著書には市長と明石市民8人の座談会が収録されているが、大久保地区で自治会長を務める元市職員の安藤氏(70代)への返答は、ツイッターでの強気のものとは異なっている。

安藤 私が明石で一番心配しているのは防災です。私たちは23年前に巨大な地震に遭遇しました。私は当時公務員でしたから、応急対応とか復旧復興、それから災害に強いまちづくりに、一生懸命取り組んでました。でも今は、当時のようになんでも行政に頼っとったらもうダメなんです。行政の人間は当時から言うたら半分ぐらいになってしまっていますから。

p.258

安藤 私がいた水道局ですと、当時は143人おりました。今、正職員は四十数人です。

p.259

 ごもっともです。率直に言って、明石市もいいことばかりじゃありません。財源の捻出は、予算シフトと人件費削減で行っています。明石市は2018年度に中核市に移行しましたが、それでも人は減らしています。仕事は増えるのに職員は減らす。そして、その浮かせた財源も含めて子ども施策をやっている状況です。
公の立場で働ける職員をそんなに減らして大丈夫かというご意見は各方面からいただいています。私としては、だからといって職員を増やす方向ではなくて、地域でお手伝いいただけるボランティアや消防団の方たちとしっかり組んで、防災にしても確実に機能する状況をつくりたいと考えています。

p.261

インフラ整備は減らしたのであって怠っているわけではないということなのかもしれないが、行政能力のキャパオーバーを認めているように聞こえる。

明石市|4月1日現在

「応急対応とか復旧復興、それから災害に強いまちづくり」は利権や無駄というのが泉市長の持論。


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