アメリカ版文化大革命が始まる

大統領選挙でのバイデン&ハリスの勝利(まだ未確定だが)は、アメリカ版の文化大革命の始まりを予感させる。メインストリーム・メディアと新興のネットメディアが現職大統領を袋叩きにしていたことがその前兆と言える(メディアの政治介入は"Tomorrow Never Dies"を想起させる)。

大躍進政策→グローバリゼーション
実権派→ドナルド・トランプ
毛沢東→急進派リベラル(Progressive)
Social justice warrior→紅衛兵
BLMの暴動化→造反有理・反差別無罪
四人組→The SquadまたはGAFA

David GoodhartとAmy Chuaの言葉を借りると、アメリカの政治は都市部で優勢な移動民のAnywheres(高学歴者と移民系が多い)と、周辺部で優勢な土着民のSomewheres(低学歴の白人が多い)の二つのpolitical tribeの対立になっている。

Anywheresの教義はモノ・カネ・ヒトのボーダーレス化と反差別を建前としたヨーロッパ系の文化・伝統・歴史の抹消なので、Somewheresとは共存できない。

1970年代末からのAnywheres路線に対する反動として登場したのがトランプだったが、その敗北が確定すれば、Anywheresの攻勢は一段と激しさを増す可能性大である。毛沢東の「農村から都市を包囲する」とは逆に、都市のイデオロギーが周辺部を制圧していく。

大学でこのような教義(⇩)を教え込まれる若者と非白人人口の増加といった人口動態を考慮すると、長期的には革命勢力(Progressive)が勝利する可能性が高そうである。

「人種間の平等」がリベラルの”宗教“であるという考えを、私は直接的にはハーバード・ロースクールの憲法の授業で、ノア・フェルドマン教授に習った。
「そう、我々はいまだ消えぬ『原罪』を抱えている。道半ばに倒れた『キリスト』の意志を継いで『白人と黒人の平等』という教義を世に広めようと努力し続けている。信仰にも似た熱心さと従順さで。この『人種間の平等』が我々リベラルの心の拠り所だ。この教えをリベラルの『信仰』としないで、他の何が信仰の名に値するだろう」
この教義は後に「すべての人間の平等」へと拡大した。フェミニストはそこに「男女の平等」を入れ込み、LGBTは「セクシャリティの平等」を含めることを主張したからだ。

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大量の異民族を抱え込んだローマ帝国がキリスト教化されてしまったように、アメリカもリベラリズムという”宗教“を国教とする日が近づいているようである。まずは国内の異端の殲滅、続いて全世界をリベラル化するための十字軍(革命の輸出)が開始される。

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