京大土木屋のメチャクチャな日本経済分析

「京都大学教授」の肩書をフル活用してデマを精力的に発信する藤井聡については[ファクトチェック]で何度も取り上げてきたが、この記事は輪をかけて酷い内容である。

3%→5%のわずか2%ポイントの消費税率引き上げで日本経済がメチャクチャになるはずがない。実際、2014年4月の5%→8%は何事もなく乗り切っている。日本の命運を分けたのは、1997年11月4日の三洋証券のデフォルトから始まった金融危機である。

実際に増税したら経済がメチャクチャになった。
日本経済は1年でボロボロになった。1997年の消費税増税は日本の命運を分けました。太平洋戦争の命運が、ミッドウェー海戦の敗北で一気に尽きていったようなものだったんです。

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国内民間需要の減少の内訳とタイミングを見れば、消費税増税が大不況の原因ではないことは明らか。

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「政府の資金供給量」とは意味不明だが、国の歳出のことだとすれば事実ではない。本格的に減り始めたのは2001年度からである。

政府の資金供給量が急激に減って、実質賃金も激しく下落しました。

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図表4と5ではUSドル換算のGDPからこの👇ように主張しているが、「なんとマイナス20%成長」なのは円高の山と円安の谷を比較したためで、為替レート変動の影響を除くと着実に成長している。

横ばいから下り坂は日本だけです。リーマンショック後の落ち込みも、欧州より日本のほうが激しい。
この悲しいグラフでわかるように、世界でダントツに取り残されてしまった国がわが日本です。つぶれかけているんじゃないかといわれた南欧諸国すら、何十%か成長しています。いちばんダメな日本は、なんとマイナス20%成長なんです。

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1人当たり実質GDPを比較すると、日本はユーロ圏の勝ち組のドイツには及ばないものの、「つぶれかけているんじゃないかといわれた南欧諸国」のイタリアとギリシャよりも成長している。「横ばいから下り坂」なのは日本ではなくこの二国である。

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日本の1人当たり実質成長率はバブル崩壊後の「失われた10年」の期間は低いが、バブルの負の遺産の処理がほぼ完了した2002年を起点にすると主要先進国の中では並である。

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藤井のグラフを再現してみると分かるが、藤井は経済分析に必要な知識が足りないために不適切なグラフを作成してしまっているのではなく、ミスリードを誘えるようにデータの選び方や加工を工夫しており、明らかに計算尽くである。「京都大学レジリエンス実践ユニット」はこれ👇の日本版ではないかと言いたくなる。

藤井の真意は不明だが、情弱ビジネス・信者ビジネスとしては大成功していることは認めざるを得ない。情弱には与野党の国会議員も含まれる。

中野:ただ、残念ながら、信じてはいけない教授、指導を受けてはいけない教授もいることが、このコロナ禍で明らかになってしまいました。あれだけデタラメな言論を展開していれば、研究室の学生にもデタラメを教えているに決まっている。
適菜:・・・・・・ある人からは「適菜さんは、人は顔で判断すべきだと言っていたのに、なんであんな顔の人とつるんでいたんですか?」と言われてしまいました。

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