『世界少子化考』―期待外れ

宣伝文が「大手新聞がようやく『不都合な真実』を書いた」と思わせる内容だったので期待して読んだが、残念ながら期待外れだった。個々のエピソードや政治家・研究者へのインタビューは大手新聞ならではの取材力の成果だが、イデオロギーに偏り過ぎて分析が足りない。

例えば、第1章の大韓民国では、2016年以降の出生率急低下とフェミニズムの関係が取り上げられていない。

大韓民国統計庁

執筆者の一人👇からも感じ取れるが、リベラル/フェミの価値観が絶対的に正しいというスタンスが貫かれていることに根本的な問題がある。

この価値観が先にありきのために、

  • 東亜の少子化は女が抑圧されていることの反映なので悪い少子化

  • 西洋の少子化は女が解放されていることの反映なので良い少子化

や、

  • 東亜の(夫の)親族との付き合いは妻にとって負担

  • イスラエルの親族との近さには学ぶべきことろがある

などの御都合主義になっている。

前述したように、エピソードやインタビューには読む価値があるが、記者の感想やリベラル/フェミ系研究者の話は読むだけ無駄である。

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