積極財政学者の不確かな根拠
この経済学者はリフレ派から積極財政派に乗り換えた一人だが、金融に加えて財政の理解も怪しい。
純債務残高の単純比較は、「名目GDPが増えていないために、財政赤字は対GDP比では高水準が続いているが金額は一定」の国よりも、「高インフレのために名目GDPが急拡大しているので、財政赤字は対GDP比では小さいままだが金額はどんどん増えている」国を赤字依存体質と評価してしまうので適当ではない。
名目経済規模の変化を調整すると、「むしろ米英のほうが政府債務は増えている」わけではないことは明白である。
国債の60年償還ルールに関する説明も怪しい。このルールは「国債は60年間で現金償還する/毎年度1/60を費用計上(資産の60年定額償却に対応)/未償還分は満期の度に借り換え(前倒しあり)」というもので、一般会計に債務償還費として計上されるのは「国債残高のうちの数%」ではなく約1/60の1.6%である。
60年償還ルールについては👇を参照。
「経団連報告書」は財務官僚を論破するには不十分と言わざるを得ない。
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