麻生批判はベーシックインカムへの道

麻生財務大臣が意味不明な批判をされているようなので、昨日の記事に続いて再度取り上げる。

給付金には「収入減少→支払不能→生活破綻」となる人の続出を防ぐことが期待されていたが、現実には手元流動性が枯渇して緊急の資金供給を必要としていた人はごく一部で、消費の減少も「収入が減ったから」ではなく、主として「行動が制限されて消費機会が減ったから」だった。それならば、給付は貧しい人に絞り、浮いた金を経営が悪化した企業の支援に回した方が費用対効果が高かったはずである。

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10万円の一律給付を事後評価すると、緊急の家計支援の面では「不要な人にも配ったために必要な人には不十分になった」、有効需要の喚起の面では「そもそも有効ではなかった」ことになる。その他の要素も考慮に入れて「成功」と評価できないこともないが、麻生大臣の評価が妥当なところだろう。

麻生大臣の「必要な人に絞って給付」は従来の社会保障制度の考え方、要不要にかかわらず一律給付はベーシックインカムの考え方なので、麻生批判には社会保障制度解体→BI導入につながる危険性がある。

麻生財務大臣は「何を言っても批判される」キャラになってしまっているようだが、批判する人は自分の反財務省の感情がショック・ドクトリンに利用される可能性を忘れないほうが良い。


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