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明石市の「好調」は公共事業のおかげ

兵庫県明石市の泉市長が公共事業を「悪しき利権と無駄の塊」のように批判しているが、市長が誇る実績は公共事業のおかげだったことを指摘する。

明石市は泉市長の就任(2011年5月)前の2010年11月末に内閣総理大臣の認定を受けた中心市街地活性化基本計画(1期:2010~2015年度、2期:2016~2020年度)を実施してきた。その中核が再開発ビル(パピオスあかし)の建設を含む明石駅前南地区第一種市街地再開発事業(2011~2016年度)で、2013~2016年度に区画整理費等が膨らんでいるのはそのためである。

総務省

2016年12月にオープンした明石駅に面した複合施設「パピオスあかし」も、泉市政の象徴的な存在と言える。飲食店や大型書店、クリニックやヘアサロンといった民間施設とともに、「あかし子育てひろば」、市立図書館や市民広場、行政サービスの総合窓口など公共施設を新設。駅前からにぎわいが広がった。

パピオスあかしの開業が明石駅周辺の活況と関係することは泉市長も認めている。

駅前商業ビル(パピオスあかし)ができたあと、一気に周辺の商店町が新店ラッシュ。子どもとか“ファミリー向けの飲食店”とか“店が”どんどん増えていった。

リアリティが生まれだしたのは、5~6年経って、まさに駅前のビルができたころから。
1年目に取り掛かった見直しが現実化して、駅前に子どもの支援センターが無料で入り、図書館ができ、そこで市民が利用し始めて、初めて「リアリティ」。

それを持ちこたえた6年目くらいから「なんか商店街が儲かり出した」「最近羽振りがええな」って市民の方が言いだした。
商店街の「羽振りがいい」という声が一気に広がって、駅前中心に商店街が潤いだした。
5、6年持ちこたえたら、何とかそこにいったのがありがたかったですね。

駅前南地区再開発事業が完了した2017年には転入が急増。

明石市

泉市長はハコ(パピオスあかし)の中身を見直したことが活況の理由と主張しているが、そう言えるのも就任前に決まっていた計画の通りにハコができたおかげである。

明石市の土木費は2020年度には児童福祉費の3割弱にまで減っているのだが、泉市長の公共事業叩きに賛同する人々は「土建のかねは汚いかね、子育て支援のかねはきれいなかね」と信じているようである。子育て支援に「悪しき利権や無駄」が紛れ込まないとは言えないはずだが。

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